アコーディオン
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「手風琴」はこの項目へ転送されています。日本のフォークソンググループについては「手風琴 (フォークグループ)」を、楽曲制作プロジェクトグループについては「手風琴21」をご覧ください。

アコーディオン
別称:手風琴(てふうきん)
各言語での名称

Accordion
Akkordeon
Accordeon
Fisarmonica
手?琴(手風琴)


アコーディオン
分類

鍵盤楽器蛇腹楽器気鳴楽器
音域
F3?A6程度※機種によって異なる。
関連項目

コンサーティーナバンドネオン

アコーディオン(: accordion)は、蛇腹のふいご鍵盤の操作によって演奏する可搬式のフリーリードによる気鳴楽器である。コンサーティーナバンドネオンは近縁の楽器であり、広義にはアコーディオンに含められることがある。これらはあわせて蛇腹楽器と総称される。日本語では手風琴(てふうきん)と称される。アコーデオンとも表記。
特長

全てのキーに対して独立した発振器(リード)が備わっているため理論上全てのキーを同時に押した場合に割り当てられた全ての音が出る。そのため同時に複数の音を鳴らすのが容易であり、一台で主旋律と和音伴奏を同時にこなすこともできる。一人で持ち運べるサイズで取り扱いやすく、慣れれば立奏や歩奏も可能で、屋外での演奏にも適している。鍵盤ハーモニカのように息を必要としないので、弾き語りもできる。

合奏用アコーディオンは左手のボタンが無いため、通常のアコーディオンのように主旋律と和音を一人で同時に演奏することはできない。電子アコーディオンは一般的な電子楽器と同様に同時発音数が制限されているので、全てのキーを同時に押した場合に鳴らない音があるが、人間の指で演奏する場合は十分な余裕率で設計されている。
アコーディオンの構造
基本形状向かって右から、ボタン鍵盤式ダイアトニックアコーディオン(左右非相称。赤い服の男性)、ピアノ式アコーディオン(左右非相称。赤い服の女性)、イングリッシュ・コンサーティーナ(左右相称。青い服の女性)

蛇腹楽器(アコーディオン族)は、伸縮自在の蛇腹の左右にそれぞれ筐体(きょうたい。器械を内蔵した箱)がついている。

アコーディオン(狭義)は左右の筐体の形が違う。演奏者は通常、右手側の筐体はバンドやベルトなどで胴体(腹部や胸部)に固着させる。蛇腹の伸縮動作は左手側の筐体を動かして行う(これに対してコンサーティーナバンドネオンは、左右の筐体の形はほぼ同じで、また筐体は演奏者の胴体に固着させない。蛇腹楽器のバンドの説明を参照)。

右手側の筐体は主に主旋律を担当する。ピアノと同様の「ピアノ式鍵盤」もしくは「ボタン式鍵盤」が並んでいる。

左手側の筐体はさまざまで、ベース音和音を奏でるのに特化したボタンが配置されているタイプが多いが、左手側も旋律をピアノのように奏でられるフリーベース・アコーディオンや、日本の教育楽器でよく見られる「合奏用アコーディオン」のように左手側はボタン鍵盤を省略したタイプもある。

一般的な「独奏用アコーディオン」の場合、右手側が8?50鍵ほど、左手側が18?120個ほどのボタンがある。筐体の内部構造は、ボタンと空気弁を繋げるためにシャフトが張り巡らされ、大変複雑である。重量は2?15キログラム程度。

以下に蛇腹楽器の主な種類を示す。狭義のアコーディオンは「左右非相称」の列の3種類である(詳しくは「アコーディオンの種類」を参照)。

左右非相称左右相称
押引異音ダイアトニック・ボタン・アコーディオンアングロ・コンサーティーナ
ジャーマン・コンサーティーナ
ケムニッツァ・コンサーティーナ
バンドネオン
押引同音クロマティック・ボタン・アコーディオン

ピアノ・アコーディオンイングリッシュ・コンサーティーナ
デュエット・コンサーティーナ
クロマティック・バンドネオン

音が鳴るしくみ右手側の筐体のフロント・グリル(網板)をはずすと、音色が鋭くなる。筐体内部の「下駄」状の機構がむき出しで見える。秦コータロー氏、2018楽器フェアにて。

両手で左右の筐体を保持する。それぞれの手で、筐体上の鍵盤やボタンを押すと、シャフトでつながった対応する空気弁が開くようになっている。蛇腹を伸縮することで送られた空気が開かれた弁を通り、リードを通り抜けるときにこれを振動させて音を鳴らす。リードはフリーリードと呼ばれるもので、薄い金属の板であり、共鳴管によらずリード自身の長さや厚さで音高が決定される。フリーリードの1枚のリードは一方からの通気でしか発音しないため、通常アコーディオンの場合は蛇腹を押した時にも引いた時にも発音するように一つのリード枠に表裏2枚のリードがセットされている。この発音原理はハーモニウムハーモニカによく似ている。

押し引きで違うリードが発音するため、押し引きで同音の出るクロマティックタイプのアコーディオンと、押し引きで違う音の出るダイアトニックタイプのアコーディオンがある。

フリーリードと空気の流れを示した図(英語)。左から、鍵から指を離して空気が流れない時、鍵を押して蛇腹を引いた時、鍵を押して蛇腹を押した時。

アコーディオンの中身。フリーリードと、空気の逆流を防止する「サブタ皮」が並んでいる。

音色切り替えスイッチについて

アコーディオンのリードの音高(ピッチ)には、H(高音)、M(中音)、L(低音)などがある。

「音色切り替えスイッチ(レジスター・スイッチ)」がない機種では、1台で1種類の音色しか鳴らせない。音色切り替えスイッチを備えたアコーディオンでは、鳴るリードの組み合わせを変えることで、好きな音色(トーン)を選ぶことができる。

例えば、同じ「ド」でも、H(高音のドの単音)、M(中音のドの単音)、L(低音のドの単音)、HM(高音のドと中音のドを同時に鳴らす)、HL(高音のドと低音のドを同時に鳴らす)、MM(2枚の同じ高さの中音のドを同時に鳴らす)、MMM(3枚同時に鳴らす。別名「ミュゼット・トーン」)、HML(高音・中音・低音のオクターブ違いの3つのドを同時に鳴らす)では、音色の印象は変わる。

音色切り替えスイッチは、右手側の鍵盤部分と、左手側のベース部分の両方についている機種もあれば、右手側にだけついている機種もある。また一部の大型のアコーディオンでは、演奏者があごで音色切り替えスイッチを操作できる機種もある。

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音色切り替えスイッチの表示の例アイコン俗称鳴るリードの組み合わせ音色(トーン)の風格
ピッコロH細くて高い
クラリネットMおとなしめ
バスーンL太くて低い
オーボエH + M明るい
ヴァイオリンM + Mゆらめく感じ


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