アクエリオンロゴス
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アクエリオンロゴス
ジャンル
ロボット
アニメ
原作河森正治サテライト
監督佐藤英一
シリーズ構成熊谷純
キャラクターデザイン豆塚隆(原案も兼任)
メカニックデザインブリュネ・スタニスラス(アクエリオン)
池田幸雄
音楽R・O・N
アニメーション制作サテライト、C2C
製作Project AQUARION LOGOS
放送局TOKYO MXほか
放送期間2015年7月 - 12月
話数全26話
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータルアニメ

『アクエリオンロゴス』(AQUARION LOGOS)は、2015年7月より12月まで放送された日本のロボットアニメ

2005年に放送された『創聖のアクエリオン』、2012年に放送された『アクエリオンEVOL』に次ぐ、「アクエリオン10周年」記念作品である[1][2]。平成最後のテレビシリーズ。
概要劇中に登場する阿佐谷パールセンター

製作は2015年3月に発表された[3]。初回はアクエリオンシリーズOVA作品『創勢のアクエリオンEVOL』(ディレクターズカット版)を含めた「1時間合体スペシャル」として放送された[4]

アニメーション制作は過去2作と同じくサテライトが担当する。メインスタッフのうち、シリーズ原作者・河森正治および楽曲担当の菅野よう子は引き続き参加するが、河森以外の製作スタッフはおおむね刷新されており、監督は河森が手がけた『バスカッシュ!』や『ノブナガ・ザ・フール』などでも組んでいた佐藤英一が担当する。河森は自身の関わり方について「企画コンセプトや主人公たちの名前を考える段階までなので、その先は佐藤監督にお任せしています」と述べている[5]

近未来を舞台にしていた『創聖』、その1万2千年後を舞台にしていた『EVOL』に対し、本作は現代日本に実在する東京都杉並区阿佐ヶ谷が舞台になっており、阿佐谷パールセンター阿佐ヶ谷神明宮阿佐谷七夕まつりなどが実名で登場している[6][注 1]。過去2作と本作がストーリー的につながっているかについては、未発表である。阿佐ヶ谷にスタジオを構えるサテライトは、阿佐ヶ谷アニメストリートにあるアニメコラボカフェ「SHIROBACO[8]」をプロデュースしており[9]、作中でもそこをモデルにした店が主人公たちの活動拠点となっている。

本作では文明発展の礎になった「文字(ロゴス)」と、文字に生命を吹き込む「声」の関係がコンセプトになっている[10]。シリーズ名物の合体メカアクションでは、主人公たちの氏名の漢字の(へん)と(つくり)が相互に合体して新たな意味を成し、それらを特殊な能力をもつ声で発することによって必殺技となるような演出がみられる。
あらすじ
剣嵜 荘厳編

はるか神話の時代、人が生み出した「文字」と「真理」の間のわずかな乖離から発生した異世界「ロゴスワールド」。それは、現代においてはネット社会の急速な発展により絵文字などの「意味を成さない文字」が増加したことで、その領域を急速に拡大させつつあった。

世界的IT企業・ネスタのCEOである剣嵜 荘厳は、軽薄で無意味な文字が蔓延する現代社会を破壊するため、ロゴスワールドの文字をM.J.B.K.(モジバケ)化させて現実世界の文字を侵食し、それに関連付けられた概念そのものを消滅させる計画を企てる。これに対し、荘厳の元秘書である粗朶 桜子はネスタが開発していたロゴスワールド探索用メカ・ベクターマシンを奪取すると、M.J.B.K.による危機を解決するために設立された機関・ディーバの日本支部総司令となり、「声」が生み出す力「創声力」を持つ若者たちを「創声部」に集めて対抗を試みていた。

創声部の一員である少女・綺声神 心音はある日、超然とした雰囲気を漂わせる少年・灰吹 陽と出会う。自らを「救世主」と名乗る陽は、M.J.B.K.の出現に際してディーバ日本支部に乱入し、ベクター壹号機を何の訓練もなしに乗りこなしたうえ、ネスタの月銀 舞亜が搭乗するベクター貳号機をその強大な創声力で奪取し、アクエリオン・煌への合体を果たしてM.J.B.K.を撃破する。この一件をきっかけに創声部にスカウトされた陽はそれを受諾し、荘厳から陽の監視を命ぜられた舞亜もまた創声部へ加入する。陽の独特の感性と行動に空篠 翼人、土聞 努虫、海凪 花嵐ら創声部の面々は戸惑うが、M.J.B.K.との戦いの中でそれぞれが抱える迷いや苦しみに直面するうち、その声で苦難を乗り越える手助けをしてくれる陽を信頼するようになっていく。また、ネスタの徹底した管理教育で外界を知らずに育った舞亜も、陽や創声部の面々との交流を通して考えを改め、荘厳の計画は間違っているのではないかとの思いを強くしていく。

一方、荘厳の息子である剣嵜 総は、幼馴染であり想いを寄せる相手でもある舞亜を取り戻してもらうよう父に掛け合おうとするが相手にされず、街で偶然出会った桜子の叱咤もあって自分だけの力で舞亜を取り戻すことを決意する。ネスタの林 晋太郎によって改造されたベクター零号機をM.J.B.K.に合体させ、一時はアクエリオン煌を追い詰めるが、陽のすべてを救う強い思いの前に敗北する。また、M.J.B.K.に取り込まれて自滅しかけていたところを救出されて情けをかけられた屈辱もあり、陽に対して強い憎しみを抱くようになる。

やがて文字文化を滅ぼすとされる「大いなる文字」の存在を荘厳や総が感じ取る中、陽と舞亜を引き離したいという思いから総自身が生み出したM.J.B.K.「離」は、ベクター零号機と合体して絶大な力を発揮し、ベクター各機の合体を強制解除させて危機に陥れる。自分を庇った翼人が重傷を負ったことに責任を感じた陽は、仲間をあえて突き離して単身出撃するが苦戦を強いられ、舞亜の助力によって救われる。舞亜が発揮した「合」の創声力によって合体を成功させた陽と舞亜は「離」を倒すが、世界に絶望した総によって「離」は大いなる文字たる「無」と化し、文字を喰らい尽くして世界からあらゆる物体の概念を奪っていく。計画の成就を確信した荘厳が姿を現し、世界の要となる「世」の文字を死守する陽と舞亜が苦境に立たされる中、昏睡状態から目覚めた翼人は暗黒に包まれた世界の中で途方に暮れる仲間たちを励まし、再起させる。陽は駆けつけた仲間たちと共に「救世主」となって「無」を倒し、世界の崩壊を防ぐ。「無」の崩壊に巻き込まれて荘厳と総が姿を消す中、陽と舞亜は遅れてディーバ日本支部への帰還を果たし、仲間たちに温かく迎えられるのであった。
剣嵜 総編

陽たちが荘厳を倒した後も、M.J.B.Kの出現は続いていた。M.J.B.K「死」の暴走による再生M.J.B.Kの発生に対処すべくロゴスワールドへ向かう陽と舞亜の前に、アクエリオン傷を駆る総が現れる。荘厳の最期の力によってM.J.B.K「無」の崩壊から生還した総は、全てを失った自分にただ一つ残された「陽を倒す」という目的のために己を鍛え上げ、謎の存在ネスタの支援のもと自らを創声の書として扱う術を身につけて戦場に舞い戻ってきたのだった。

己の掲げる「救世主」という題目に理由がないこと、それゆえに自分が常に救う対象と倒すべき敵を求めていることを総に指摘された陽はM.J.B.K「敵」の影響により暴走し、ディーバサイゴン基地に封印されていた禁断の機体ベクター餓号機を目覚めさせる。暴走は舞亜の挺身によって回復し、餓号機は壹号機に代わる陽の新たな乗機となるが、概念を喰らう存在である餓号機は陽の存在さえも喰らい尽くそうとしていた。それに気付いた舞亜は陽を救う術を求めて単身ネスタタワーに潜入するが、そこで総とネスタから自身の正体がロゴスワールドから総が生み出したネスタの複製品であることを知らされる。舞亜は絶望と悲嘆に暮れながらも戦いを終わらせて陽を守るため自らにネスタを憑依させ、陽に自分ごとネスタを殺すよう促す。しかし陽はこれを果たせず、舞亜は総に連れ去られる。総の策略によって特殊部隊に銃撃された努虫が戦死したことも相俟って、陽は完全に自信を失い、その存在も加速度的に周囲から忘れ去られていく。

陽の存在を忘れてもなお彼への思慕を抱き続ける舞亜を見た総は、装置を使ってかつて荘厳によって改竄された舞亜の記憶を蘇らせる。それにより幼少期の自分を救ったのが陽だったことを思い出した舞亜は彼のもとへ帰りたいと願うが、ネスタの代替品としてかつてネスタとその恋人キリュウが操縦していた伝説の機体を再現したアクエリオン語霊に搭乗させられる。一方の陽も己の救世主願望のルーツが「舞亜を救うこと」にあったと思い出し、舞亜を救うために再び立ち上がる。

陽の駆るアクエリオン天と総のアクエリオン語霊が激突する中、ネスタは総の体内から創声の書の力を奪ってM.J.B.K「総」を生み出し、陽をその体内へと吸収させる。ネスタの目的は文字そのものをロゴスワールドごと消滅させ、相互認識を失った人類を破滅へ導くことであった。総の舞亜への「愛」とロゴスワールドに満ちるネスタの「憎しみ」との対消滅によりロゴスワールドが消滅し、すべての文字が認識できなくなる中、舞亜はそれでも餓号機のコクピットに残された陽の名を読もうとする。業を煮やしたネスタは彼女にとどめを刺そうとするが、舞亜に名前を呼ばれたことで復活した陽によって阻まれる。亡き両親の励ましによって再起した総も合流すると、三人はアクエリオン創声語霊を誕生させ、存在を取り戻した人々からの声援を受けてM.J.B.K「総」を撃破するのだった。

こうして世界の危機は去ったかに思われたが、ロゴスワールドが失われたことであらゆる言葉が直接真理の世界から力を引き出せるようになり、世界中で更なる混乱が巻き起こる。事態を収拾するため舞亜は自らが新たなロゴスワールドの礎になろうとするが、舞亜の代わりになろうと相争い合う陽と総に阻まれる。やがて生身での肉弾戦にまで発展した激闘を制したのは陽であったが、舞亜に引き止められた一瞬の隙を突いて総がロゴスワールドの礎となり、消えていく。総が世界も舞亜も救う「救世主」となったことで、陽は己を縛る鎖でもあった「救世主」という言葉から解放され、舞亜と共に新たな人生を歩み出すのであった。
登場人物
主要人物
灰吹 陽(かいぶき あきら)
- 島ア信長(幼少期 - 半場友恵)本作の主人公。正体不明の阿佐ヶ谷に住む少年。阿佐ヶ谷北高校普通科2年A組[11]。寡黙な割に性格は直情径行。書道家の義父・興之助の影響で元々文字には造詣があり、達筆。手先が器用で絵なども得意とする。走行中のバイクからキーを抜き取る、手の関節を外して手錠から抜ける、嘘を簡単に見破る、など器用という言葉で片付けられないほどの技術を持つ。状況把握能力は高いが空気が読めているとは言えない。幼少期より自分が「救世主」になることを決意しており、ネスタによって世界に危機がもたらされた際、心音のマスコットを返しにディーバに訪れ、そこで元凶を目の当たりにした結果、自らを「救世主」と宣言[注 2]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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