アキバ冥途戦争
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アキバ冥途戦争


ジャンルブラック・コメディ
美少女メイド喫茶
任侠物
アニメ
原作ケダモノランド経営戦略室
監督増井壮一
シリーズ構成比企能博
キャラクターデザイン仁井学
音楽池頼広
アニメーション制作P.A.WORKS
製作「アキバ冥途戦争」製作委員会
放送局TOKYO MXほか
放送期間2022年10月7日 - 12月23日
話数全12話
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータルアニメ

『アキバ冥途戦争』(アキバめいどせんそう、Akiba Maid War)は、CygamesP.A.WORKS制作の日本テレビアニメ[1]。2022年10月から12月までTOKYO MXほかにて放送された[2]
概要

時は1999年メイドに憧れて秋葉原にやってきた少女を軸に据えたお仕事奮闘記。ただしこの世界のメイド喫茶は裏では暴力団に近い組織で、各店は抗争(時には殺し合い)を繰り広げており、毎回必ず誰かが殺害されている[注 1]キャッチコピーは「萌えと暴力について」[1][2]。オープニングではアバンタイトルが導入されている(7話・11話を除く)。6話・7話・9話のナレーションは、森羅万象が担当。次回予告は、放送ではカットされているが、公式ホームページやYouTubeにて順次公開されている。

2022年6月24日に制作発表され[1]、9月18日には秋葉原近隣のTOHOシネマズ上野にて第1話と第2話の先行上映会とトークショーが実施された[2][3]

劇中の時代設定は1999年となっているが、この当時は実際はメイド喫茶は存在しないなど、現実の秋葉原との乖離が見られる[注 2]。これについて、主要スタッフの座談会において、初期の段階で「携帯電話を使わせたくない、スマホが登場すると、都合がよくなりすぎてしまう」という意図[注 3]とともに、微妙な昔である1999年当時の世紀末感や街並みから感じる良さがあったことが時代設定の要因になっていることが明かされている[6]。ただ、後述する「忍者カフェ」を含め実際に営業しているメイド喫茶を取材しており(エンディングで取材協力の3店舗がクレジットされている)、リアリティには拘っていることが窺える。詳細は「コスプレ系飲食店」および「メイド喫茶」を参照

最終回放送後には舞台化が決定、2023年9月に都内で公演が行われることが発表された[7]
あらすじ

1985年、とある雨の日。メイド喫茶「侍女茶館」の女店長が射殺された。敬愛する店長を目の前で殺された万年嵐子の心は怒りに支配された。

時は流れ1999年の秋葉原。ごく普通の少女、和平なごみは雑居ビルの一室にあるメイドカフェ「とんとことん」で憧れのメイドになる。同時に入店した嵐子と一緒に仕事に励むが、店長に命じられて2人でライバル店に手紙を届ける。手紙の内容は相手に喧嘩を売るようなものだった。激昂したライバル店の店長に対し、嵐子は拳銃を乱射しメイドたちを殲滅。ショックを受けたなごみは逃げ出そうとするが失敗。金と血と暴力と欲望に塗れるアキバのメイドたちの中で、萌えと抗争の真っ只中を突き進む。
登場人物
メイドカフェ とんとことん
和平なごみ(わひら なごみ)
声 -
近藤玲奈[8]主人公。可愛いメイドになることを夢見て秋葉原に上京してきた少女。担当カラーはピンク。誕生日は4月2日の17歳。身長は154cm。血液型はB型。好物はショコラ。住み込みで「とんとことん」に雇われる。失敗しても挫けない根性ある娘だが、アキバの現状やメイド喫茶の実態に驚かされ、命がけの日々を送る。逃げ出そうとしたが、監視同然に嵐子と寝食を共にすることになったため、逃げられずにいる。木登りが得意である。性格などに難のある登場人物が多い本作において数少ない常識人。街角で店のビラ配りをしていたところ、同じくビラ配りをしていたメイドであるねるらと出会って親しくなり、のちにねるらと姉妹の契りを結ぶこととなる。ねるら亡き後、「とんとことん」をこっそりと抜け出してメイドを離れ、同じ秋葉原にある「忍者カフェ」にて住み込みで働いていたが、その店を訪れたねるらのファンだった客たちから、「アキバのメイドを変える存在になり得る」と生前ねるらが語っていたことを知らされる。その言葉を胸に今一度、メイドとして立ち上がることを決意する。「忍者カフェ」で働いていた間、アトラクションのために鍛錬していたため、くない(苦無)投げや煙玉などの忍者スキルも修得しており、愛美達がとんとことんにカチコミした際は駆けつけて危機を救った。そして「みんなを守るメイドになる」と心に誓い、とんとことんに復帰した。ソフトボール経験者であり、「ウーパーズ」[注 4]との野球対決では捕手を務める。ラフプレーを嫌い、「フェアプレーの精神で決着をつけることに意味がある」とやる気がないメンバーを鼓舞し、相手の心をも動かした。9話のアキバメイドフェス「お萌様登り」では、仲間の協力によりその年の“お萌様”となる。11話の「ケダモノランドグループ」からの絶縁騒動の際は嵐子と共に本部へ向かい、凪から髪を詰めるよう求められても動じず刀を手に取っていた。結局は凪によりヘアゴムを壊されただけで済んだが、後日露店商で嵐子に似合うアクセサリー類を見ていた際、付き添っていた嵐子が刺されその最期を看取ることとなった。12話では嵐子の仇を取ろうと、ティアードロップサングラスをつけ黒いメイド服に身を包み「黒豚」を自称しこれまで忌避してきた暴力(但し殺しはやらない)に手を染め、「こっちからケダモノへ戦争を仕掛けよう」と提案する。しかし紆余曲折を経て自身の理想としてきたメイド像に立ち返る決意を固め、グループメイド26名がそろって店に殴り込んで来ると、これまでにないパフォーマンスで凪をもてなす。途中、凪から銃撃を受けるも最後までパフォーマンスをやり切った。しかし、凪から「お前は嵐子にそっくりだが、美千代さんには足元にも及ばん」と告げられ更に銃撃される。死亡したかと思いきや一命をとりとめ、それからおよそ20年経った2018年の「ニューとんとことん」では36歳となり、車椅子に乗りながら人気メイドとして現役を貫いている。髪型はゆめちのツインテールとゾーヤの髪分けを組み合わせたものに変え、しぃぽんのメイクと嵐子の髪留めを使用し、車椅子の車輪はかつての「とんとことん」の面々とねるらの写真や名札で飾っている。
万年嵐子(まんねん らんこ)
声 - 佐藤利奈[8]長期間秋葉原から離れていたが、また戻ってきた寡黙なメイド。担当カラーは赤。誕生日は5月9日の35歳(5話で36歳になる)。身長は166cm。血液型はO型。なごみと同じ日に「とんとことん」のメイドとなり、ルームメイトともなった[9]。左利きだが、箸や拳銃は右手を使う。戦闘中に敵の落とした拳銃を拾って即興で二丁拳銃をこなす、アキバファイトクラブではモブのメイドを容易く気絶に追い込んだり[10]軍隊上がりのゾーヤとも互角以上の格闘戦を繰り広げるなど、戦闘力は極めて高い。不器用かつ、戦いには手を抜けないタイプ。好物はラーメン、特技は野球。決め台詞は「逝ってらっしゃいませ」。喜怒哀楽が少なく接客時も寡黙な態度のままだが、本人はテンションを上げているつもりである。アキバメイドフェスでなごみからはケチャップお絵かきがだいぶマシになってきていると言われる。1985年の時点では「侍女茶館」で働いていたメイドだった。15年前に起きた抗争が元で服役しており、出所後メイドに復帰する[11][注 5]。当時の事件により、その筋の界隈では有名人な模様。5話の回想シーンでは、元々他人を傷付ける事を嫌う性格だった事が描かれている。また、当時はいわゆるお嬢様言葉で話していた。自分のことを悪く言われても動じない性格だが、勤務する店やスタッフを侮辱されると感情的になる。「ウーパーズ」との野球対決では当初三塁手だったが、ゾーヤに代わってリリーフ投手を買って出る。かつて収監されていた頃に野球を経験しており、サウスポーのサブマリンで左打ち。打撃フォームは王貞治も顔負けの一本足打法である。11話で凪から「ケダモノランドグループ」の絶縁を言い渡された時、「とんとことん」にいることが何より楽しいと凪へ直談判する。話はなんとかまとまったものの、なごみと露店に後日立ち寄った際、「チュキチュキつきちゃん」の残党メイドに背後から刺され、なごみの腕の中で息を引き取った。葬式での遺影には野球対決での打撃姿が掲げられていたほか、遺品として壊れたアクセサリーや野球対決で使用したグランドの土、なごみがお萌様になったときの集合写真などを保管していた。
ゆめち
声 - 田中美海[8]店のエースであるツインテールが特徴のメイド。本名は柊結夢(ひいらぎ ゆめ)[12]で誕生日は7月21日。担当カラーは緑。身長は149cm。血液型はAB型。パズルゲームが得意で好物はお茶漬け。ポーカーでは相手のイカサマを見抜くなどの眼力も持つ。客には笑顔を振る舞うが、実際はクールな毒舌家。なごみからは、「ゆめちさんはいい意味で人間やめてる」と言われており、仕事に対するプロ意識は高い。一方で店長以上にスタッフを大切だと考えており、嵐子のバースデーをサプライズで計画するために一芝居打つことも。また嵐子を侮辱した薫子を射殺後、死体に向かって「ウチの店にカスメイドは一人もいない」と言い放った。「ウーパーズ」との野球対決では二塁手で最初はやる気がなかったが、なごみの決意に心を打たれ、しぃぽんとの二遊間を形成した。アキバフェスでは文句を言いに来た各メイドカフェのエースメイドたちに対し、真っ先に謝罪するなど、グループ内の序列は弁える。12話では殴り込んで来たグループメイドたちを仲間と共にもてなし、なごみが凪に撃たれながらもパフォーマンスをやり切る姿を見届けた。
しぃぽん
声 - 黒沢ともよ[8]ギャルのメイド。本名は後藤志乃(ごとう しの)[12]で誕生日は4月28日。担当カラーは黄。身長は158cm。血液型はO型。窮地であっても動じない肝の据わった性格。なごみからはアゲアゲパーでノリノリだと言われる。元々はなごみ同様にJKだった頃にアキバでスカウトされて入ったズブの素人であり、数々の修羅場を潜ってきた内に銃火器の扱いに慣れた経緯を持つ。趣味はメイクで、普段は1999年ごろに流行していたガングロメイクで接客しているが、4話で佐野に調教されたときは一時的にナチュラルメイクにしていた。しかし佐野に洗脳された他の面々と違い最後まで正気を保ち、佐野が立ち去った後でガングロメイクに戻して仲間たちの目を覚まさせた。好物は大トロ。「ウーパーズ」との野球対決では遊撃手で、ゆめち同様やる気がなかったが、なごみに心を動かされ、試合途中から併殺を完成させるなど連携プレーを形成していた[13]。12話では殴り込んで来たグループメイドたちを仲間と共にもてなし、なごみが凪に撃たれながらもパフォーマンスをやり切る姿を見届けた。
ゾーヤ(Зоя)
声 - ジェーニャ[8]軍隊出身のロシア人メイド。担当カラーは紫。身長は175cm。誕生日は2月23日。血液型はA型。軍属の家系故に女の子らしい遊びを禁じられ、幼少の頃から格闘技を叩き込まれていた。3話での平伊達乃の台詞から元軍人だった事が語られている。一度はアキバのメイドに興味が湧いて来日してメイド喫茶に体験入店したものの、常に仏頂面で笑顔が作れなかったのでメイドをやめて平の部下となる。アキバふぁいとくらぶで嵐子と戦い、お互いのかわいさを認めた後に敗北。その後店長にスカウトされとんとことんに入店する。以降なごみからは、前より口角が上がっていると言われる。その出自から戦闘能力は高く、嵐子と並んで暴力における「とんとことん」の主力となる。出自に反して根っからの戦闘狂と言うわけではなく、丸腰で向かってくる相手に発砲する事を躊躇ったり、蘭子死亡後に荒れたなごみを心配したりと良識があり、「とんとことん」メンバーの中では割とまともな部類である。日本語はまだ不慣れな面があり[注 6]、的外れな物言いが度々観られる他、モノローグやキメのセリフはロシア語になることが多い(ただし字幕・日本語訳が一切無く、視聴者に対して塩対応)。趣味はお人形集め、好物はいちご大福。3話から登場したため、3話までのオープニングテーマ曲では顔がエフェクトで隠されていた。「ウーパーズ」との野球対決で最初は右投げの先発投手だったが、爪が割れたため途中から三塁手に入った。12話では殴り込んで来たグループメイドたちを仲間と共にもてなし、なごみが凪に撃たれながらもパフォーマンスをやり切る姿を見届けた。
店長
声 - 高垣彩陽[8]メイドカフェ「とんとことん」の店長。本名は八重樫靖子(やえがし やすこ)[14][15][12]だが、本編中では「店長」としか呼ばれていない。バーテンダーのような服装で勤務している。担当カラーは青。身長は158cm。血液型はAB型。誕生日は1月1日の30歳で独身。昔はメイドだったとされており、5話では嵐子の代わりとしてメイド姿になった。店長としての能力は皆無で「いてもいなくても変わらない」と言われる始末[16]。おひねりちゃんを滞納しているため取り立て屋を恐れており、スタッフに内職をさせたり[17]、逃れるためなら店やプライドを売ることすら辞さない考えの持ち主だが[18]、7話で店を逃げ出し一時的に離れたなごみのことは「病欠」扱いとして籍を残しておくなど、スタッフ想いではある。しかし11話では弱気な気持ちが災いし、メイドよりも先に銃撃戦から逃れようと自殺未遂へ走ろうとしてゆめちに静止される。おひねりちゃんの支払いのために策を練るものの、そのほとんどが裏目に出てしまっている。趣味はギャンブルで、好物は他人の金で食べる焼肉とのこと。「ウーパーズ」との野球対決では監督を務めていたが、相手を罵るばかりで何もしていなかった。アキバメイドフェスティバルでは、取り立て屋から「お萌様登り」に関する八百長の手引書を渡されるが、ろくに確認していなかった上に当日に取り立て屋から確認の電話が来るまで忘れており、しかも手引書もすでに紛失[注 7]してしまったことで自分含む「とんとことん」は八百長のことを知らないまま当日を迎える。自分は釣り堀の釣りに逃げていたが、釣り上げた鯉になごみの面影を重なったことで嫌な予感がして急遽会場に戻るが、「とんとことん」が優勝していたことで安堵し、表彰式で隣の観客に得意気な顔をしていた。12話では殴り込んで来たグループメイドたちを仲間と共にもてなし、なごみが凪に撃たれながらもパフォーマンスをやり切る姿を見届けた。
御徒町(おかちまち)
声 - 平野綾[8][注 8]パンダの着ぐるみを着用した、店のマスコットのような存在。担当カラーは灰。身長は175cm。誕生日は10月28日。血液型はRh-のO型。ネクタイと名札を付けているので一応メイド扱いとされており、入り口のボードにも写真が貼られている。基本的に一切喋らない。2話ではメイドカジノの調理場でガスの元栓を開けてビルの爆発を誘発させる、なごみ達が薫子に拉致された現場を目撃し窮地をとんとことんに知らせるなど、店の外でも暗躍している(ゆめちらと共に店にも乗り込んでいるが戦闘に加わったかは不明。また壊滅した店内に放置されていた売上金を持ち帰り店長に渡した)。趣味はオセロで好物は笹以外の食べ物全般。「ウーパーズ」との野球対決では一塁手で、チームのパワーヒッターであり本塁打を量産していた。その正体は15年前に美千代を射殺した他店のメイド。メイドに憧れて働くようになったものの、雑用ばかりで嫌気がさしていたところ、鉄砲玉として美千代を殺すよう命令が下り実行。発砲し逃げ出した直後、自分をお気に入りとしてくれていた末広に捕まり口封じに殺されそうになる。巡回の警察官が現れた隙に間一髪逃れるが車にはねられ、満身創痍になった状況で御徒町駅前にあるパンダの像やパンダグッズの売店を見て、メイドになることができない現実に絶望したあまり「パンダになりたい」と思うようになり、パンダの着ぐるみを着るようになった。その後年月が流れその姿を見た店長に招かれ、そのままとんとことんで働くようになる。第10話で重い口を開き[注 9]、末広とデートした直後の嵐子に対し末広の正体と自身の過去を打ち明けた。美千代を殺めたことを謝罪し、甘んじて嵐子の報復を受けようとするが、嵐子は拳銃でパンダ着ぐるみの頭部を打ち抜くのみに留めた。しかし嵐子にとっての「ご主人様」である末広を彼女に殺させるわけにはいかないと、嵐子と末広、互いの真意を知らないまま待ち合わせ場所に向かっていた末広を射殺する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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