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アカギ(赤木、学名:Bischofia javanica)は、コミカンソウ科(従来の分類ではトウダイグサ科に入れる)の常緑高木である。樹木の材が赤みを帯びていることに由来している。別名カタン。 日本国外では、台湾、中国南部、東南アジア、ポリネシア、オーストラリアなどに、日本では、南西諸島(奄美群島、沖縄諸島、先島諸島)および小笠原諸島に分布する[1][2][3]。ただし、小笠原諸島のものは薪炭材として利用するために移植されたものであり、固有種からなる在来の植生を駆逐することが懸念されている[3]。また、奄美群島のものも人的な移入と考えられている[2]。日本生態学会によって日本の侵略的外来種ワースト100に選定されている。 南西諸島では、主に石灰岩地帯に生育し、タブノキなどとともに極相林を形成する樹種の一つである。 成長がとても早く、樹高は15-25mまでになる。樹皮は細かく割れて剥がれ、全体に赤褐色を呈しており、和名の由来にもなっている。葉は3出複葉で互生し、小葉は8-15cmの卵形で、革質、濃緑色、つやがあり、先端はとがり鈍い鋸歯を持つ。雌雄異株。花期は2-3月頃。葉腋から円錐花序が生じ、黄緑色の多数の花を付ける。果実は球形で、直径1-1.5cm。 アレロパシーを有するとされている。 街路樹、庭木、防風樹などとして利用されるほか、材が赤く、白色の木目があって美しいため家具や建材などにも利用される。果実は食用。 1623年首里王府によって『おもろさうし』(おもろそうし)編纂された歌集の『第一三巻・八二二』にアカキの歌がある。歌の意味は、東方の大主(太陽)が上がってくる その大主の前に アカギ・ユスギの花が真白に 真赤に咲いているから それを取って折り差して(かざしたいものだ。(後略) 沖縄県では樹皮はミンサー織りの染料に使われている。那覇市首里の周辺には、第二次世界大戦以前にアカギの大木からなる森があちこちにあったとされるが、戦火によって焼け落ち、現在では首里金城町の一部に残っているだけである[4]。その中でも「首里金城の大アカギ」は、樹齢200-300年ともいわれるアカギの大木が6本もあり、国の天然記念物に指定されている[5]。首里城の南西側に位置する内金城御嶽にあるアカギ。最大のものは樹高10?15m、胸高直径140cmにも達する。なお、焼けた大木が首里城前に一本だけ残されている。その木のてっぺんにはアコウが根を下ろしており、バスガイドはそれを「大木に寄生しております」と紹介するのが常である。なお、沖国大米軍ヘリ墜落事件によって焼け焦げたアカギの木が沖縄国際大学構内に存在する。
分布
生育環境
形態
利用
沖縄県のアカギ
脚注^ 島袋敬一編著 『琉球列島維管束植物集覧【改訂版】』 九州大学出版会、1997年、282-283頁、ISBN 4-87378-522-7。
^ a b 鹿児島県環境生活部環境保護課編 『鹿児島県の絶滅のおそれのある野生動植物 -鹿児島県レッドデータブック植物編-』 財団法人鹿児島県環境技術協会、2003年、500頁、ISBN 4-9901588-1-4。
^ a b ⇒小笠原の自然環境の保全と再生に関する基本計画
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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