この項目では、トビエイ目アカエイ科の魚について説明しています。巨大なアカエイの姿をした妖怪については「赤えい (妖怪)」をご覧ください。
「赤エイ」はこの項目へ転送されています。絵画については「赤エイ (シャルダンの絵画)」をご覧ください。
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アカエイ
アカエイの腹面。福岡県今津干潟に打ち上がった死骸。
保全状況評価
NEAR THREATENED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
アカエイ(赤?・赤?、Hemitrygon akajei)は、アカエイ科に属するエイ。体盤幅60cm。日本を含む東アジアの沿岸域に広く分布し、分布域では普通に見られる。食用にもなる一方、尾には毒の棘がある。 最大幅1.5メートルに達する。アカエイを含む多くのエイは一般的に全長ではなく鰭の幅(体盤幅)で大きさを測る。他のエイに共通するように、体は上から押しつぶされたように平たく、座布団のような形をしている。左右の胸鰭は緩やかな曲線を描くが、吻は尖っている。背面は赤褐色-灰褐色で、腹面は白いが、鰭や尾など辺縁部が黄色-橙色になる点で近縁種と区別できる。背面に目があり、噴水孔が目の後方に近接して開く。腹面には鼻孔、口、5対の鰓裂、総排出腔がある。 体表はほとんど滑らかだが、背中の正中線付近には小さな棘が並び、尾に続く。尾は細長くしなやかな鞭状で、背面に短い棘が列を成して並ぶ。さらに中ほどには数-10センチメートルほどの長い棘が1-2本近接して並び、尾を鞭のように払って刺そうとする。この長い棘には毒腺があり、刺されると激痛に襲われる。数週間も痛みが続いたり、アレルギー体質の人はアナフィラキシーショックにより死亡することもある。棘には鋸歯状の「返し」もあり、一度刺さると抜き難い。刺されたらまず毒を絞り、患部を水または湯で洗い流した後、早急に病院で治療を受ける必要がある。なお、生体が死んでも毒は消えない。「返し」のあるアカエイの尾の棘。 クロコダイル・ハンターとして著名なスティーブ・アーウィンは番組の収録中に棘に刺され死亡した。 北海道南部から東南アジアまで、東アジア沿岸域に広く分布する。学名の種名"akajei"は和名に由来している。また、フィジーやツバルでも記録がある。 浅い海の砂泥底に生息し、分布域では目にする機会が多い。河口などの汽水域に侵入することもある。普段は砂底に浅く潜り、目と噴水孔、尾だけを砂の上に出す。泳ぐ時は左右の胸鰭を波打たせ、海底近くを羽ばたくように泳ぐ。食性は肉食性で、貝類、頭足類、多毛類、甲殻類、魚類など底生生物を幅広く捕食する。アサリなどの漁場では、食害が問題となることもある。 繁殖形態は多くの軟骨魚類に見られる卵胎生で、メスは交尾後に体内で卵を孵化させる。春から夏にかけて浅海で出産される5-10匹の稚魚は体長10センチメートルほどで、背面も腹面も一様に淡褐色だが、体型は親と同じである。 弱った個体が浜に打ち上げられたり、浅い海で知らずに海水浴で踏んでしまった時には、毒針を受ける危険がある。しかし、触ったりしない限りは人を刺すことはない。
形態
分布
生態
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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