アカアシカツオドリ
アカアシカツオドリ(白色型) Sula sula
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
アカアシカツオドリ(赤脚鰹鳥、Sula sula)は、カツオドリ目カツオドリ科カツオドリ属に分類される鳥類。属名および種小名の sula はノルウェー語でシロカツオドリを指す呼称に由来する。 インド洋、大西洋、太平洋の熱帯および亜熱帯の海域に分布する[1][2]。 日本では2017年に南硫黄島で集団繁殖が確認された[3]。それ以前には亜種アカアシカツオドリが八重山諸島の仲御神島に飛来し、1975年と1977年に繁殖した例がある。 少数が南西諸島、硫黄列島、小笠原諸島に飛来する[4]。本州では東京都(1978年)、神奈川県(1975年)の記録があり[5]、近年には東京都内(2008年7月)で保護されている[6]。 北海道の森町(2008年9月)でも幼鳥が保護され[7]、利尻島(2006年7月)においても若鳥の飛来が記録されている[8]。福岡市西区今津湾に飛来した例もある。 全長約75cm[9] (70-80cm[2])。翼開長約143cm[9] (140-145cm[2])。翼長30.6-40.2cm、嘴峰長7.19-9.1cm、?蹠長3.12-4.09cm、尾長19.2-24.3cm[2]。体重0.94-1.07kg[10]。雌雄同色。全身は白色(白色型)や灰褐色(褐色型)の羽毛で覆われる。白い羽毛で覆われるが、翼上面の色彩が灰褐色(さらに頭部から体上面も灰褐色)の個体もいる(中間型)。初列風切や次列風切の色彩は黒い。尾羽はくさび型で先端が尖り[1]、色彩は白色(白色型、中間型)や黒褐色(褐色型)。日本では中間型と思われるものも観察されているが[11]、褐色型は確認されていない[1]。 顔には羽毛がなく赤い皮膚が露出し、眼の周囲の皮膚は青みがかった灰色。嘴の色彩は淡青色や青紫色。足は赤い。 若鳥の褐色型は全体として褐色であるが、白色型は全体に白みがある[4]。嘴の色彩はピンク色で、先端は紫がかった褐色[4]。足はピンクがかった灰色[9]。幼鳥は褐色型とよく似るが、足が黄色で[1][12]、白色型の幼鳥は頭部が白みを帯びる[1]。 3亜種に分かれるとされる。 熱帯から亜熱帯の海洋に生息し[1]、20羽以下の群れを形成して生活する[10]。 食性は動物食で、魚類、軟体動物を食べる。主に空中から水中の獲物を探し、獲物を発見すると急降下して潜水し捕らえる。海面付近を跳躍しているトビウオを捕食することもある。 周年繁殖する。集団繁殖地(コロニー)を形成し、低木の樹上に木の枯枝を組み合わせた皿形の巣を作り[5][10]、1回に1-2個(主に1個)の卵を産む。卵は青色無斑で、大きさは5.9-7.2cm × 3.5-4.85cm[5]。雌雄交代で抱卵し、抱卵期間は42-46日。雛は孵化してから100-144日で巣立つが、幼鳥は巣立ってからも数か月は親鳥から食物を与えられる[10]。生後2-3年で性成熟し、寿命は20年以上。
分布
形態
亜種
Sula sula sula (Linnaeus, 1766) - 基亜種。カリブ海やブラジル沖の島々で繁殖する。[13]
Sula sula rubripes (Gould, 1838) - 亜種アカアシカツオドリ[14]。熱帯太平洋、インド洋の島々で繁殖する。[13]
日本南部や台湾には、夏鳥として主に6-10月に飛来する[15]。
Sula sula websteri - 亜種ガラパゴスアカアシカツオドリ[16]。メキシコ西部沖の島々、中央アメリカ、ガラパゴス諸島に生息する。[13]
ガラパゴス諸島の繁殖地としては、ダーウィン島、ウォルフ島、マルチェナ島、ヘノベサ島、サン・クリストバル島(東部[16])、ガードナー小島(エスパニョラ島沖)が知られ、セイモア・ノルテ島、イサベラ島(モレノ岬[16])、エスパニョラ島などでも観察される[17]。
生態
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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