この項目では、ヘビの一種(学名 Elaphe climacophora)について説明しています。その他の用法については「青大将」をご覧ください。
アオダイショウ
Elaphe climacophora
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
アオダイショウ(青大将、黄頷蛇[2]、学名: Elaphe climacophora)は、ナミヘビ科 ナメラ属に分類されるヘビ。サトメグリ(里回り、サトマワリ)[3]、ネズミトリ(鼠取り、鼠捕り)[4]などの別名がある。 日本(北海道、本州、四国、九州、国後島、奥尻島、佐渡島、口之島(南限)、伊豆諸島、壱岐、隠岐、対馬、五島列島、大隅諸島)固有種[5][6][7][8] 全長100 - 200 cm[5]。胴の直径は5 cmほどになる。全長の平均はオスの方が大きいが、一方で大型の個体はオスよりもメスのほうが多い[8]。日本本土では最大のヘビで、南西諸島のサキシマスジオ、シュウダ、ハブに次ぐ大きさとなる。頭部は角張り、吻端は幅広い[6][7]。斜めに列になった胴体背面の鱗の数(体列鱗数)は23列、もしくは25列[7][8]。腹面を被う鱗(腹板)は221 - 245枚。腹板の両端に隆起(側稜)があり、これにより木に登ることができる[6]。アオダイショウの幼蛇 体色 幼蛇(幼体)の体色は灰色で、梯子状に褐色の斑紋が入る[5][6]。滋賀県には幼蛇から斑紋が縦縞で、成蛇も明瞭な地域変異個体がいる[5][6]。縦縞褐色がかっているので、ニホンマムシと間違われることも多い[9]。これは、ニホンマムシへの擬態であると考えられている[8]。 毒は持たない。 樹上に上るときには枝や幹に巻きついて登っていくのではなく、腹板の両端には強い側稜(キール)があり、これを幹や枝に引っかけることでそのまま垂直に登ることができ、樹上を移動する[8]。壁をよじ登ることもでき、その習性が他のヘビがいなくなった都市部でも、本種が生息できる原動力となっている[注釈 1]。 天敵はイヌワシ、タヌキ、キツネ、イノシシなどで、幼蛇はノネコやカラス、シマヘビなども天敵となる。天敵に襲われた場合、川底に潜って隠れることもできる。 食性は肉食で、主に鳥類やその卵、哺乳類を食べる[5]。幼蛇はトカゲやカエルを食べる傾向が強く、成体になるにつれ鳥類や哺乳類を捕食するようになる[5][8]。
分布
形態
生態の傾向が強いが、地表での活動も多い。生息域は高い梢の上から地表、そして地中や下水道まで、幅広い範囲で活動している。餌であるネズミの生息環境に対応し人家周辺でよく見られ、深山などで見かけることは稀である[8]。ネズミを追って家屋内に侵入することもある。昼行性で、夜間は岩の隙間や地面に空いた穴の中などで休む[6]。危険を感じると総排出口から臭いを出す[6]。