アオイホノオ
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青い炎」、「蒼い炎」、「青き炎」、あるいは「青の炎」とは異なります。

アオイホノオ
ジャンル自伝学園漫画、漫画・漫画家
漫画
作者島本和彦
出版社小学館
掲載誌週刊ヤングサンデー
YSスペシャル
ゲッサン
レーベルゲッサン少年サンデーコミックス
発表号別記参照 -
発表期間2007年 -
巻数既刊29巻(2023年11月10日現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画
ポータル漫画

『アオイホノオ』は、島本和彦による日本漫画。『週刊ヤングサンデー』(小学館)に2007年から2008年の休刊まで不定期連載された。同誌の休刊後、『スピリッツ増刊・YSスペシャル』VOL.2に1話が掲載された後、2009年5月に創刊された『ゲッサン』(同社刊)にて連載が再開されている。

テレビ東京ドラマ24」枠にてテレビドラマ化され、2014年7月期から放送された。

同年に第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞[1]2015年、第60回(平成26年度)小学館漫画賞一般向け部門を受賞[2]
概要

時代は日本のサブカルチャーが多くの若き才能を吸収し、戦国時代の様相を呈しながらも全盛期に向かいつつある1980年代初頭。芸大生の主人公・焔燃(ホノオモユル)が漫画家を志し、やがて新人漫画家としてデビューする中での七転八倒する様を描いたコメディ作品である。

作者・島本和彦の自伝的作品であり、作中には当時著名であった(あるいは後年著名になる)実在の漫画家やサブカル・メディア関係者、あるいは彼らをモデルにしたとおぼしき人物が多数登場し、またしばしば同時期の漫画作品が部分的に引用され、あるいはタイトル・内容への言及がなされている。主人公・焔の作品として引用される島本自身の作品については、連載当時に技術不足で描けなかったシーンを現在の画力でブラッシュアップしたうえで引用される場合もある。以上の事情により、単行本各巻冒頭のページには、ことさら巨大な明朝体の活字で「この物語はフィクションである」と記され、さらに、次のページにも念のためか「実在の人物・団体等の名称が一部登場するが、あくまでこの物語はフィクションである」と記されている。事実、作中の時系列が若干現実と異なる部分や、架空のエピソードも含まれている。

吼えろペン』が島本自身の現在進行形をモチーフに描いたのと同じく、主人公・焔は、第一部(単行本24巻まで)では大阪芸術大学の学生でプロデビュー前、第二部(25巻から)では大学を中退して上京しプロ漫画家として活動を始めたばかりの島本をモチーフとしている。『吠えろペン』では主人公も同じ名(ただし同音異字)を持ち、性格にも共通点があるので、両作の主人公は同一人物であることをうかがわせており、2007年3月3日放送の『島本和彦のマンガチックにいこう!』で島本は「(焔は)若いころの炎尾」と語っている[3]。しかし、『吼えろペン』の登場人物が藤田和日郎に対して「富士鷹ジュビロ」のように実際の名をもじった架空の名で呼ばれるのに対し、本作では実名がそのまま使われるなど相違点もある[4]

各回(各章)の末尾ページは、往事を回顧する作者(あるいは主人公である焔自身)による、モノローグ的文章で締めくくられることになっている。
掲載誌・単行本
掲載誌

第1章 - 11章:『週刊ヤングサンデー』2007年14号・16号・24号・27号・34号・43号、2008年10号・16号・24号・30号・35号

第12章:『スピリッツ増刊・YSスペシャル』VOL.2

第13章 - :『ゲッサン』2009年6月号 - 連載中

単行本

レーベルは、掲載誌の変更に伴い「ヤングサンデーコミックス」→「少年サンデーコミックススペシャル」→「ゲッサン少年サンデーコミックス」と変遷している(参考:
小学館の漫画レーベル)。

基本的に1巻につき6章(6話)分が収録されている。17巻のみ5章(5話)収録となっている。

1巻の巻末には庵野秀明との対談(11ページ)が掲載されている。

雑誌掲載の第118章は順当に行けば単行本20巻に入るはずだが、22巻に第126章として入っている。したがってこの間は雑誌版と単行本とで章番号(=話数)が1章ずれている(例:雑誌版第121章→単行本第120章)。

連載100回の号には特別企画として『アオイホノオ被害者の会』が掲載された。作品に関係した漫画家や業界人がメッセージを贈るというものだった。これは17巻の特装版に付いた小冊子に収録された。

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この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。あらすじの書き方を参考にして、物語全体の流れが理解できるように(ネタバレも含めて)、著作権侵害しないようご自身の言葉で加筆を行なってください。(2014年9月)(使い方

舞台は1980年代の初め、大阪の大作家(おおさっか)芸術大学。主人公、焔燃(ホノオモユル)は漫画家を目指していた。「自分の実力ならいつでもプロデビューできる」と自信過剰な性格をしていたが、豊かな才能に恵まれた同校の学生達や、あだち充高橋留美子といった若手漫画家の台頭や能力を目の当たりにして、見事に打ち砕かれ自信喪失させられる。それでも焔は、プロの漫画家になるため歩み始めるのだった。
登場人物
主人公
焔 燃(ほのお もゆる)
漫画家。作品中では「ホノオ」と呼ばれ(めったに出て来ないが、名前に付けられるルビも「ホノオモユル」である)、ペンネームは「炎尾燃」(読みは同じ)。
概要で述べた通り『吼えろペン』シリーズの炎尾燃と同一人物である。得意なジャンルはSFコメディ。北海道出身。単行本1巻の時点では、漫画家を目指す一方でアニメーターにも心惹かれる、大作家芸術大学映像計画学科の18歳の一回生であった。画力に自信がなかったにもかかわらず、己の才能に対し根拠のない過剰な自信を持ち、自分がその気になればいつでもプロデビューできると考えており、かつ、他の作家が手を出さない分野に進出することによってさほど努力しなくてもほどほどの人気漫画家になれるのではないかという甘い期待を抱いていた。それゆえ逆に、物語開始時点では何一つ行動を起こさずにいたが、その後各出版社への原稿持ち込みに励むなど、徐々に漫画家への道を歩みはじめ、最大の理解者である若手編集者・三上と出会う。努力して画力を向上させるよりも、楽に描く方向に力を注ぐ傾向があったが、大学の課題の自主アニメを一人で制作して大量に絵を描いた結果、アニメの出来自体は散々だったもののそれなりに画力が向上し、「絵を描いているときが一番落ち着く」という心境に至った。第72章で「炎尾燃」名義で週刊少年サンデーの新人賞に応募した『必殺の転校生』が佳作受賞して商業デビュー。雁屋哲原作の『風の戦士ダン』で月刊連載漫画家となった。さらに25巻以降の上京編では、1983年に大学を中退して上京、明大前近辺のアパートを短期間で退去したのち高田馬場近くのマンションに住み、この部屋で三上のサポートを受けながら『サンデー』での初の本格的週刊連載作品『炎の転校生』を制作していくことになる。彼の作品はサブカル作品、とくに特撮ドラマのパロディネタを多用した、新しいタイプのコメディ漫画として若い読者たちの支持を集めつつあったが、三上以外の編集者からはなかなか理解が得られず、掲載誌『サンデー』の編集部ですら、その大多数の評価は「すっごく読者にウケてはいるけど、正直何が面白いのかわからない」というものであった。上京した時点で21歳の若者であるため精神的にはまだまだ未熟で、またプロ作家としても画力の低さには根本的な改善はないことから、連載を続けながらも悩みを深めており、些細なことで自分の漫画家としての将来に不安を抱き落ち込むこともしばしばである。一方で、プロ漫画家の雰囲気に憧れを抱いている面もあり、トキワ荘世代以来の作家と同様に「仕事をアシスタントに任せて外出」したいとの長年の夢を、マウント武士という専属アシスタントを得たことで実現させ、さらに憧れの有名人とも対面・対談する機会を得る(が、そうした状況下では相手とまともにコミュニケーションできなくなってしまうことが判明し失敗を重ねる)。後述の通り、『サンデー』の月刊誌創刊(友人・きっちゃんとの会話の中で「月刊は、無い!」「作らんだろ!!」と発言するが、他ならぬ本作品の掲載誌となった)や大友克洋の週刊連載、無名の漫画家の卵として出会った藤島康介の活躍、集中線を引く新技法の普及など、その後実現したことについての予想を悉く外しており、先見力の乏しい人物として描かれている。また「漫画を読んでスポーツを知った」と言うほどの漫画人間であるが、漫画知識を実践に移して野球の試合で独特の「必殺技」を繰り出し"大失敗"したことがある。反面、漫画やアニメ、特撮ドラマ以外の話題にはきわめて疎いオタク的人間である。そのこともあって黒地に炎のマークのTシャツを常時着用するファッションセンスの無さを周囲から散々指摘されている。ドラマ版エピローグでは、『吠えろペン』における炎尾燃と同じラグビーのヘッドギアを着用し、プロの漫画家として活動する姿が登場しているが、本作品では週刊連載開始の時点でも未着用である。
ヒロインと周囲の人々

この節では一部実在人物のモデルがいる者を含むが、あくまでフィクション上の登場人物に限定する。実名の人物は次節「実名で登場している人物」を参照のこと。
大阪編
年上トンコ(としうえ トンコ)
芸大生時代の焔の女友達の一人で物語前半部のヒロイン。3回生。バドミントン部のマネージャー。スレンダーな体型が特徴的で、大阪府出身で
大阪弁を用いる。近眼であるが眼鏡が嫌いで、1980年当時はコンタクトレンズが高価で普及していなかったため、裸眼で生活している。作者によると実在のモデルがいる人物。マイペースな性格で、大阪時代の焔の部屋にしばしば何の気兼ねなくやって来ては、当時流行の漫画やサブカル作品を話題にし、漫画家の道を踏み出そうとしている焔を励まして自信過剰にしたり、焔の踏み込まれたくない部分をそれと知らず踏みつけたりした。彼女自身はあまり創作に熱心ではないが、そのため入れ込み気味な焔の創作への情熱を冷静に分析したり突っ込んだりすることができ、彼に大きな力を与えた。焔に想いを寄せられていたが、物語開始時はバドミントン部3回生の村上と交際しており、4回生になってからは村上と別れる一方で、焔を自分の下宿に誘ったり好意があるような描写があったものの、卒業以降は作品世界から退場した。彼女自身は津田洋美が焔に気があると考えていた。テレビドラマ版では「森永とんこ」と苗字が変更された。終盤、焔に対しては弟みたいなものとしか見ていなかったことが判明した。
津田洋美(つだ ひろみ)
芸大生時代の焔の女友達の一人で、バドミントン部員。ショートカットでスポーツウーマンタイプのボーイッシュな女子学生。焔に親しみのある態度を取るが、彼女自身はトンコと異なってオタク知識やオタクへの理解度が低く、焔とはかなり違った感性を持っている。そのため彼女とは合わないと内心で感じていた焔であったが、親しくしてくれる彼女に押されて何となく友達という関係を受け入れていた。テレビドラマ版では終盤、焔が髪の長い女性が好みであると漏らしたことから疎遠となる。焔燃の肩をずっとトントンと叩く癖が表現された。
高橋
焔の同級生で友達。仮面ライダーによく似た自作の仮面をかぶっているが、本人はオリジナルのデザインと強調している。当時は高価だったビデオデッキ・ソニーベータマックスのJ9を購入しており、可搬式ではないそれを大学や焔の下宿へと持ち運んで自慢している。食事時はさすがに仮面を外し、同席した焔に素顔を見せている。実在の人物[5]。後にレインボー企画で仮面ライダーのマスクの造型に関わっている[6]。同作者の燃えるVにも高橋ケンジの名前で登場し、ライダー風のマスクを作っている様子が描かれている。テレビドラマ版では仮面は着けていない。
きっちゃん
焔の同級生で友達。小柄で、芸大時代には常にマントを着用していた。生年月日は1961年11月3日[7]。焔と共にプロデビューをめざす仲間であり、一緒に東京へ漫画の持ち込みに向かった際にサンデーの月刊誌について話題にした。焔の上京後は、コミケットに参加するため友人と連れだって焔の自宅兼仕事部屋に宿泊したことがある。実在の人物で本名は岸本、『少年キング』の第4回キングまんが道大賞の一次選考を通過している[8]。テレビドラマ版ではマントは付けておらずごく普通の服装。身長も演者の関係上で、焔や高橋よりも背が高い。
ジョウ
焔の同級生。無精ひげを生やし、カラーシャツとネクタイを着崩して着用している。焔と同じく映像計画学科の学生でありながら漫画家を目指している。焔とはライバル関係にあり、何かと張り合う仲だが、思考パターン自体は似通っているため、同族嫌悪に近い。テレビドラマ版には登場せず、原作の彼の登場シーンは矢野健太郎が代わりを務めている。
村上
バドミントン部の先輩で3回生。トンコの恋人だったが4回生になり別れた模様。バドミントン部の1回生を鍛えることと、1回生に落語の素晴らしさを伝えることに異常な情熱を傾けているが、漫画家をめざす自分にとって部活は「しょせん片手間」と考える焔の心を動かすには至らなかった。
タムタム
特撮マニア。高橋の友達。実在の人物[5]
大学の教員の1人
名前は不明。『スター・ウォーズ・シリーズ』に登場するヨーダに似た、教壇に立つ小柄な老人として描かれている。脚本家・大阪芸術大学教授で、ヨーダの名前の元になったのではないかと噂されたことがある[9]依田義賢がモデル。
横山
小学館の『週刊少年サンデー編集者まんがカレッジを担当している。焔の持ち込んだ原稿に速読で対応した上にその内容には評価らしい評価をせず、焔を驚愕させる。後に焔が横山に気づかれないようにペンネームを使用して投稿した新人賞作品『必殺の転校生』を審査員に回す前の下読みとして目を通し、「ぼくの感性に合わない」という理由で落選作品の入ったダストBOXに放り投げてしまう[10]。その原稿を後輩の三上が拾い上げた際には焔の担当をあっさり譲るも、審査員に回した『必殺の転校生』が佳作受賞したため、後輩に取られるのが嫌で、焔の漫画を全く評価していないにもかかわらず担当に復帰した。だが、やっぱり感性が合わないという理由で三上に担当を再び押し付けた。雑誌掲載分と単行本では2014年現在「小学館の偉い人」となっている「奥山」となっているが、後に島本の勘違いと発覚[11]。発覚以降の雑誌掲載分は「横山」に修正され、さらに単行本増刷分、コンビニ用単行本では発覚以前の分も誤植扱いで訂正している[12]ゆうきまさみ青山剛昌北崎拓などの担当編集者で、後に『週刊少年サンデー』『週刊ヤングサンデー』編集長を経て小学館クリエイティブの社長となった奥山豊彦がモデルだが、上記の理由で曖昧にされている。
MADホーリィ
SA社の編集者。『北斗の拳』の登場人物のような容姿をしている上、劇画調のタッチで描かれている。焔達は原稿持ち込みのため彼と会う約束をしていたが、彼が担当している江口寿史の原稿が遅れているために数時間待たされ、しかも彼は横山同様に焔たちの持ち込み原稿にはまともに評価を示さなかった。横山とMADホーリィのこうした態度から、焔達は大きな無力感と挫折感を味わうことになる。しかし、横山とは違って一応の評価はしており、後に焔に新作原稿を送付することを依頼する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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