アウディ・TT
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TT(ティーティー)は、ドイツ自動車メーカー、アウディがかつて製造していたスポーツカーである。「TT」の名称は、イギリスマン島で開催されていたレースイベント「ツーリスト・トロフィー」に由来する。
初代(1998-2006年)タイプ8N

アウディ・TT
8N型
クーペ

ロードスター
概要
販売期間1998年 - 2006年
ボディ
乗車定員クーペ:4名
ロードスター:2名
ボディタイプ2ドア クーペ/ロードスター
駆動方式FF/4WD
パワートレイン
エンジン1,800cc I4 ターボチャージャー
3,200cc VR6型エンジン
最高出力250PS/6,300rpm
最大トルク32.70kgf・m/2,800-3,200rpm
変速機5速MT/6速MT/6速DSG
車両寸法
ホイールベースFF:2,422mm
4WD:2,428mm
全長4,041mm
全幅1,764mm
全高1,346mm
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ロードスター リア

アウディが1995年に発表した「TT デザイン・スタディ・モデル」を、ほぼそのままの形で市販化したモデルである。TTのデザインの方向性はその後のアウディ車に反映されただけでなく、他社のデザインにも影響を与えた。

プラットフォームA3フォルクスワーゲン・ゴルフなどと共通である。発売当初はバックハッチを持つTTクーペのみのラインナップだったが、2000年には電動ソフトトップを備えたTTロードスターが追加された。

初代TTのデザインはドイツ系アメリカ人のフリーマン・トーマスによるもので、Audi DKW Monzaのオマージュであるともいわれる。円のモチーフをエクステリア、インテリアともに反復表現していることが特徴である。内装ではアルミニウム製パーツを用いて質感を高めたり、オーディオをワンタッチで隠せる蓋を設けるなど、プレミアムスポーツを感じさせる演出がなされている。クーペは後部座席を持つが、大人が座るには非常に窮屈である。ただし、後部座席の背もたれを前方に倒すことで荷室を拡大することができる。また、ロードスターにはアルミ製のロールバーが取り付けられる。内装では野球のグローブをモチーフとしたモカシンの本革シートとドア内張りのほか、ステアリング、サイドブレーキ等にも同色の革をあしらっており、日本に輸入されるモデルは原則としてこれが標準装備となっていた。

発売当初、180 km/h以上の高速域において、TTのフォルムがもたらす過大なリフトによる横転死亡事故が発生したため、急遽リアスポイラーの追加およびサスペンションの設計変更が行なわれ ⇒[1]、すでに販売された車については無償での追加と交換が実施された。このリアスポイラーの装着に関しては、トーマスが頑なに反対したという逸話がある。

日本国内への導入当初は、左ハンドルのMT車のみだったが、最終的には右ハンドルのAT車のみとなった。

モデルライフを通じてマイナーチェンジが1度実施されており、外観ではヘッドライト周囲が黒から銀黒色へ、フロントグリルが水平基調から格子柄となったほか、アルミホイールのデザインも変更されている。

初代TTはアウディとして初めて2つの工場で工程を分けて製造され、ドイツ・インゴルシュタット工場で製作されたボディシェルを鉄道でハンガリー・ジェール工場に輸送、ジェール工場で最終組立が行われた。ジェール工場ではTTやA3向けのエンジンも製造していた。

グレード構成は以下の通り。

日本国内正規導入
1.8T Quattro(型式:GF-8NAPXF, GF-8NBAMF)
日本に最初に導入されたモデル。全て左ハンドル・6MTであった。当初の色はシルバー・ブラック・ブルーメタリックの3色。225PSの1,800cc直4DOHC5バルブターボエンジン搭載の4WDモデル。1,800ccターボエンジンモデルはすべて5バルブである。FFモデルよりも大きなツインインタークーラ付ターボを装備することで、出力に差が出ている。1,800ccの排気量で225PSの出力は1Lあたり125PSというハイチューンエンジンであった。極初期モデルはリアスポイラーもESPも未装着であった。FFモデルとの外観上の識別点はマフラーカッターが2本であること・フロントとリアにクアトロエンブレムが装着されている点が挙げられる。
1.8T(型式:GF-8NAUQ)
2001年1月に発売された180PSの1,800cc直4 DOHC 5バルブ ターボエンジン搭載、5MTのFFモデル。1.8T Quattroより約100万円安い390万円(ロードスターは400万円)で発売され、初の右ハンドルモデルとなった。2002年11月にはアイシンAW(現:アイシン)製6ATが搭載され、入れ替わる形で5MT車は廃止された。
3.2 Quattro S-line(型式:GH-8NBHEF)
フォルクスワーゲン・ゴルフ R32S3などにも搭載される3.2 L VR6エンジンを搭載し、DSGと呼ばれるセミATを組み合わせたTTのトップグレード。エアロパーツ、サスペンションジオメトリ、アンダーパネルが専用設計とされている。バッテリー位置がトランク内に移動されており、フロントブレーキはRS4から流用するなど1.8Tモデルとはフロント周りの互換性が全く無い。
1.8T S-line(型式:GF-8NAUQ, GH-8NBVR)
アウディTTのラインアップの中で最販グレードであった1.8Tクーペと、オープンエアドライブを満喫できる1.8Tロードスターにスポーティな「S-line エクステリアパッケージ」を標準装備し、2005年8月より発売。専用フロントスポイラー、専用リヤディフーザー、ドアシルにS-lineプレート、サイドにS-lineエンブレム、6スポーク17inアルミホイール、225/45R17タイヤ、キセノンヘッドライト)を標準装備することにより、TTの精悍なスポーティ性をさらに強調した。2005年11月発売モデルよりエンジンが改良され、出力・トルクが、それぞれ190PS、240N・m(24.5kgf・m)にアップした。
1.8T S-line Limited(型式:GH-8NBVR)
全国限定250台で2006年3月に発売。1.8T S-lineをベースとし、人気のオプションであるキセノンヘッドライト・パッケージと本革シート(ファインナッパ)のほか、厳選された素材を使用したアイテムを用意したプログラム「アウディ エクスクルーシブ」で設定されている9スポーク18inアルミホイールと、225/40R18タイヤを標準装着とする。ボディカラー×インテリアカラーの組み合わせは、2つの新規設定を含む全6通りが設定された。価格は434万円と、ベースモデルに58万円相当の特別装備を施しながらも、15万円高に抑えられた。S-Lineリミテッド特別限定車のカラーバリエーション(ボディーカラー&シートカラー)は以下の通り。シルバーメタリック + シーブルー (30台) シルバーメタリック + ブラック  (40台)ファントムブラックメタリック + クリムゾンレッド(60台)ファントムブラックメタリック + ブラック(83台)モーリシャスブルーパールエフェクト + アニスイエロー(7台)ブリリアントレッド + ブラック(30台)
1.8T Quattro-Sport(型式:GH-8NBFVF)
クワトロ誕生25周年を記念し、S-lineをベースにクワトロGmbHがチューニングしたスポーツモデル。発売時には既に1.8Tクワトロはカタログ落ち(2004年8月)し、1.8TはATのFFのみであったが、当モデルにて1.8Lエンジンのクワトロモデルが復活した。直4・1.8Lターボエンジンは専用チューンが施され最高出力240ps(176kW)、最大トルク320N・mとなり、排気量はそのままに実に+60ps(44kW)、+85N・mの性能向上を果たした。エンジン以外の変更点としては専用サスペンションを装着、また、ハンドリングを向上させるためにTT3.2のリヤフロアパンを使用し、バッテリーを後部に移動している。軽量化のため、後部座席とエアコンを排除し、エアコンはオプションとして設定した。また、後部座席を排除した事による剛性低下に対してリヤタワーバーを設けることで剛性を確保している。これらの軽量化によって75kgの軽量化とCd値を0.02下げることに成功している。キセノンヘッドライト、アルカンタラの3スポークスポーツステアリング、アルカンタラのハンドブレーキグリップ、アルミシフトノブを標準装備。ルーフ、サイドミラー、リヤスポイラーがパールがかったブラックに塗装されているのが特徴。日本では150台限定で左ハンドル+6速MT仕様のみ発売された。これらの装備を備え、3.2クワトロSラインの535万円とほぼ同じ529万円で販売された。
2代目(2006年-2015年)タイプ8J

アウディ・TT
8J型
クーペ

ロードスター
概要
販売期間2006年 - 2015年
ボディ
ボディタイプ2ドア クーペ/ロードスター
駆動方式FF/4WD
パワートレイン
エンジン1,800ccI4 筒内噴射 ターボ
2,000cc I4 筒内噴射 ターボ
2,500cc I5 筒内噴射 ターボ
3,200cc VR6型エンジン
2,000cc I4 噴射ポンプ ディーゼル
最高出力250PS/6,300rpm
最大トルク32.60kgf・m/2,500-3,000rpm
変速機6速MT/6速DSG/7速DSG


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