この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。
出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2018年12月)
アイルランド音楽(アイルランドおんがく)とは、アイルランドに住む人々、ならびにそれ以外の国に住むアイルランド系の人々がアイルランド音楽と認識して作曲あるいは演奏する音楽である。また本稿では、地域共同体において、セッションやダンス伴奏として弾き継がれている一群の音楽を伝統音楽と呼ぶ。
アイルランドの音楽は、アイルランド民族の海外流出やイギリスやアメリカから受けた影響などがあるものの、その伝統的な側面はいまだ強く残されており、むしろアイルランド音楽自身もまた多くの音楽に直接的・間接的に影響を与えてきたと言える。20世紀のロックはアメリカのカントリー・ミュージックから強い影響を受けているが、カントリー・ミュージックもアイルランド音楽を起源のひとつとして持っている。伝統音楽だけでなく現代音楽の分野でも非常に豊かであり、その中にはアイルランド旧来の音楽性に執着しようとする動きもある[要出典]が、アイルランドの国内ですらあまり強い注目を受けておらず、それゆえに伝統音楽および伝統音楽風音楽ほどには海外に伝播してはいない。
また、アイルランド伝統音楽が直接ロックやパンク、その他と結びついて現代化された物がアイルランド内外で大ヒットする事もある。実際、70年代から80年代にかけては、伝統音楽とロックの境界線は不鮮明なものであったが、その際に多くのミュージシャン達がこの2スタイルの垣根を超えて融合しようとする創作を当然のように行ってきた(この傾向は、近年でもU2やホースリップス
、クラナドなどに見受けられる)。しかしながら、ことアイルランド音楽の場合は、結局は新しいものに取って替わるよりもその原点へと回帰しようという動きも非常に活発であった。日本では他のケルト圏の音楽と共にケルト音楽とまとめて呼ばれることも多いが、アイルランド人のアイデンティティーや文化に強く由来しているものも多く、こうした「ケルト」という括りを忌避する向き“も”あることは念頭に置いておくべきである。特に、アイルランド伝統歌にはイングランドによる支配に対する抵抗戦争を歌ったものが多くあり、イングランド音楽と混同しないよう配慮するのが望ましい。アイルランド北部の伝統曲には、交流があったことや、民族的なルーツを共にすることからスコットランド音楽と共通するレパートリーが多くある。よって、アイルランドのアイデンティティと強く結びついたもの(イングランド抵抗歌や土地の言い伝えを扱う歌など)をアイルランド音楽と呼び、スコットランドをはじめ他のケルト国家と共有するもの(ジグやリールなど)をケルト音楽と呼ぶことが誤解を招かない呼び方となる。 アイルランドにおける伝統音楽は、16世紀頃から流行したリールやジグなどのダンスと、そのための舞曲、無伴奏の叙事詩歌や抒情詩歌、子守唄などの古いジャンルと、アイルランドから他国へ移民する者たちが歌った歌、民族紛争時代に歌われた反戦歌、イギリスへの抵抗戦争を歌った歌などの新しいジャンルから構成されている。中でもダンス曲は大きなウェイトを占めている。 伝統音楽は古くから口承で伝えられてきており、18世紀あるいはそれ以前の譜面も一部の楽曲収集者の手により数多く存在するが、楽譜などの形で書き下ろされることはあまりない。口承という性格上、同じ曲でもそのメロディは地域によって、また演奏者によって微妙に異なっていることが多い上に、同じ演奏者であっても、演奏する場所、状況によって、あるいはその時の気分によってメロディは異なる。これは、曲の根本的なメロディは、おおまかなアウトラインであり、それをどのように解釈するかは個人に任せられていることを意味している。 アイルランドでは伝統音楽は生活と密接に結びついており、路上や家庭など至る所で音楽の演奏が聴ける。特に今日ではパブでのセッションが広く愛好されている。地元のパブでは、夜になると自分の楽器を持ち寄ってセッションを行う。2人以上集まれれば、そこは音楽の場となる。そこでは、お互い知っているレパートリーや有名な曲を合奏し、一般的に1つ曲を3ループくらいすると、それだけではおわらせずに同じ形式の曲を大抵2つほどつなげて演奏する。元来、セッションは個人宅などで行われていたが、20世紀後半のフォーク音楽ブームにより、セッションを歓迎するパブが出現した。現在においてはパブが主要なセッションの場であり、パブは多くの優秀なミュージシャンを輩出した下地である。 アイルランド伝統音楽は単線のメロディーから構成される音楽であり、本来和声の概念を持たない。したがって、和声はシンプルなものが奨励されるが、大半のアイルランド音楽のメロディーの構造関係上、コード進行が常に「I-IV-V」などの単純なものになるという訳ではない。基本的にメイン楽器を追従する形で完全1度
目次
1 概要
2 ダンスとダンス曲
3 歌曲
4 楽器
5 アイルランドの代表的なアーティスト
6 関連項目
概要
今日、パブでセッションを行なうという行為は多くの国で人気があり、アイルランド人のみならず、それぞれの国のミュージシャンたちによって愛好されている。 ジグの曲の例。The Mist Covered Mountain/The Cliffs of Moher 今日、アイルランドの伝統音楽を演奏するための楽器として好まれるものはあっても、特定されているものはない。演奏するために必要な音階を備えた楽器であれば、どんなものでも参加を認められるし、また実験の対象になる。アイルランド伝統音楽は主として台所やパブなどの室内で演奏されることが多いため、過度に音量が大きくなく、かつ音量が小さすぎないこと、及び、ダンス曲が好んで演奏されるため歯切れのよい演奏が可能であること、などが適した楽器の条件となる。以下に挙げる楽器は代表的なものであるが、ピアノやジェンベ、サックスなどが取り入れられる例もある。ギターやブズーキなどは1930年代?1960年代後半にかけて実験的に導入された新参の楽器であるが、ティン・ホイッスルやアコーディオンといった代名詞的な楽器ですら、19世紀頃から導入されたものである。最も古くから取り入れられている楽器はイリアン・パイプスやフィドルなど。それでも、17世紀頃からである。 アイルランド伝統音楽においてもっとも古くから使用されていた楽器は、現在アイルランドの国章になっているハープ、およびイリアン・パイプスである。その他の楽器はイリアン・パイプスの演奏を模して装飾音が付されることが多い。 イリアン・パイプス バウロン
ダンスとダンス曲
この音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。
リール
ジグ
スリップ・ジグ
シングル・ジグ
スライド
ホーンパイプ
ポルカ
ストラスペイ
フリング
ジャーマン
セットダンス
マズルカ
ワルツ
シャン・ノース
歌曲が望まれています。
楽器
弦楽器(擦弦、撥弦
フィドル(ヴァイオリン)
ギター
ブズーキ(4コースのアイリッシュ・ブズーキが一般的である)
マンドリン(フラットマンドリンの方がより広く使われる)
バンジョー(テナーバンジョーの方がより広く使われる)
ハープ
管楽器
アイリッシュ・フルート
ティン・ホイッスル
ロー・ホイッスル
イリアン・パイプス (バグパイプ)
リード楽器
アコーディオン(ダイアトニックのボタンアコーディオンが好まれる)