アイヤーヴァリ(Ayy?va?i, [?j?a?v??i] ( 音声ファイル), タミル語: ????????, マラヤーラム語: ????????, 英語: Ayyavazhi[1])は、19世紀に南インドで興った単一神教的[2]宗教である[3]。独自の一元論的[4]宗教であるとして[5]、新聞報道[6][7][8]、政府等官公庁の報告書[9][10]、雑誌[11]、学術研究者[12][13][14][15]に言及されているが、インド政府が実施するセンサスにおいては、信者の大多数が「ヒンドゥー教徒」と回答するため、ヒンドゥー教の一宗派であるとも思われている[16][17][18]。なお、「アイヤーヴァリ」は 文字通りには「尊師への道程」「グルになる方法」を意味する[19]。
宗教運動としてのアイヤーヴァリは、ヒンドゥー教の枠組み内での宗教改革として始まった[20]。創始者はアイヤー・ヴァイクンダル(英語版)[19]。ヴァイクンダルの活動と、その信奉者の増加は当時のトラヴァンコール王国の人々に社会改革と精神的な革命をもたらし[21]、タミル社会にも波及した[22]。このことは南インドの封建的な社会システムに驚きを与えた[23]。ヴァイクンダルのアイヤーヴァリ運動は、その後に、ナーラーヤナ・グル(英語版)や ラーマリンガ・スワミガルの運動など、数多くの社会改革運動が発生するきっかけになった[24][25]。
21世紀現在、アイヤーヴァリの信徒分布はインド全土に広がっているが[26][27]、基本的に南インド中心であり[28]、特にタミル・ナードゥ州と[29]ケーララ州に集中している[30]。アイヤーヴァリの教えを実践している信者数は、800万人[31]から、1000万人の間と推定されるが[32]、人口統計調査においてアイヤーヴァリ信者がヒンドゥー教徒と扱われるため、正確な信者数は不明である[33][34]。
アイヤーヴァリにはヒンドゥー教と共通する思想や儀礼も多いが、善悪の概念やダルマ(法)の概念についてはかなり異なっている[35]。