アイボ
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この項目では、ソニーの製品について説明しています。玉置浩二シングルについては「Aibo (玉置浩二の曲)」をご覧ください。

Aibo
AIBO(ERS-7型)で遊ぶ子供
製造ソニー
開発者ソニーのデジタルクリーチャー研究所 (空山基 ソニーデジタルデザイン)、土井利忠によって主導
開発年1999年(21年前) (1999)
用途娯楽用ロボット

AIBO(アイボ、現名称: aibo)は、ソニー1999年より販売している、ペットロボットエンタテインメントロボット)シリーズ。1999年から2006年に販売された製品は全てが大文字のAIBOであったが、2018年にデザインなどを変更して発売された分は全てが小文字のaiboとなった。名称は Artificial Intelligence roBOt の略で、AI(人工知能)、EYE(視覚)そして日本語の「相棒」(ローマ字表記: aibou, aib?)にちなむ。別名、Sony Entertainment Robot。

ソニーは本製品を「自律型エンタテインメントロボット」[1]などと公称するが、一般には「ロボット犬」[2]や「犬型ロボット」と呼ばれることが多い[3]。ソニー社内でも、新型については「これでは大きすぎる。とても犬に見えない」などと話しながら、としての外見や仕草を持たせるように開発が進められたという[4]

姉妹機として、二足歩行ロボットQRIO (Sony Dream Robot) も開発されていた。目次

1 概要

1.1 AIBO(1999 - 2006年)


2 歴史

2.1 登場

2.2 終焉

2.3 「死」と修理・供養

2.4 再登場以降


3 主な機能

3.1 AIBO(1999 - 2006年)

3.2 aibo(2017年 - )


4 AIBOの種類

5 テレビアニメ

6 脚注

7 関連項目

8 外部リンク

概要
AIBO(1999 - 2006年)

AIBOは、全長約30cmの動物型ロボットである。4足歩行ができ、子犬に似た動作をし、ユーザーとのコミュニケーションを介して成長するように設計されている。専用のメモリースティックを介して、ユーザーが自らプログラミングすることも可能である。家事を分担させるためではなく、動作させてその挙動を楽しむために供されるロボットである。

同製品の成功により、現在ではエンタテインメントロボットと呼ばれる市場も発生し、玩具メーカーや他の家電メーカーにより、様々な同用途向けの製品が発売されるきっかけとなった。
歴史
登場

発売前、AIBOのようなエンタテインメントロボットのマーケットが顕在化していなかったため、ソニー内部でも「ソニーはおもちゃを作る会社ではない」などの冷ややかな意見が多数派であった。プロジェクトは、当時の土井利忠常務を責任者として組織され、現場のリーダーとして、ソニーを退職しゲーム会社ナムコ(現・バンダイナムコエンターテインメント)にて要職に就いていたエンジニアの大槻正を呼び戻すことによって遂行された。当初より家庭向けロボットを目標に開発、試作品発表の段階で製品化による販売を望む声も多く、開発側はヒットを確信したとも言われている。開発の経緯はNHKの『プロジェクトX』でも取り上げられた(2003年7月22日放送 第122回 「復活の日 ロボット犬にかける」)。

生産は長野県南安曇郡豊科町(現・安曇野市)にあるソニーデジタルプロダクツ株式会社(後のソニーイーエムシーエス長野テック→VAIO本社)で行われた[5]

1999年5月に製品第1号「ERS-110」の7月発売を発表し、ソニーWebサイト(ソニーマーケティング)限定で予約を受け付ける形となった[6](2000年3月発売のPlayStation 2でもSCE公式サイトで先行予約する形態が採られた)。

定価25万円にもかかわらず、1999年6月1日の開始から僅か20分で日本向け3,000台の受注を締め切る盛況ぶりであった[7]。当時のVAIOや大型テレビジョン「WEGA」と並ぶ価格であったが、ソニーファイナンスによる専用のショッピングクレジットが用意されたり、ボーナスシーズンに差しかかる時期であった事から購買意欲をかき立てられたようだ。同年11月に、同社Web上での限定予約販売から受注生産制へ移行し、市中のソニーショップ家電量販店にもお出ましした。2000年モデルからは通常生産品となった。
終焉 ロボカップにおけるAIBO達の活躍の様子。2005年に大阪で開催された第9回世界大会より。

製品第1号「ERS-110」を1999年に発売して以降、高機能化や廉価仕様 「ERS-31L」 のモデルの発売が毎年行われ、ソニーマーケティングによるデモイベント等も実施されてきた。しかし、出井伸之会長は2004年の経営会議でロボット事業からの撤退を命令[8]、2005年に就任したストリンガーCEOによるエレクトロニクス機器部門のリストラ策として、CLIE電子辞書と共に生産終了となった[9]

AIBOそのものは製造中止になってしまったが、その後もAIBOユーザーの活動は活発に続いた。例えば ⇒AIBOブログ(So-net blog AIBOカテゴリー)では、ユーザー達によってAIBOとの生活が綴られている。

2007年度までのロボカップの四足ロボットリーグでは、AIBOのワンメイクゲームになっており、ロボットの技術的な興味だけでなくAIBOたちの活躍が大人気になっている[10]。AIBO製造中止によって公式戦への参加は難しくなったが、ロボカップ参加大学などがエキシビションとして全国各地で活動を続けている。

しかし、ペットロボットというジャンルを確立した意義は大きい。それまでにも類似の商品がなかったわけではないが(ファービーなど)、受け身ではなく自律稼働する個体として家庭に持ち込まれた「ペット」であるという点が革命的だった。また、「電気製品の日本」「ロボット大国日本」のイメージを世界に向けて強く発信したという面も功績の一つだといえる。

2007年にはPlayStation 3と連携する構想があったが、実現しなかった[11][12]
「死」と修理・供養

ソニーによる修理対応が2014年3月末で打ち切られたため[13]、故障したAIBOの修理は困難となり、皮肉にも「死なないペット」であったはずのAIBOに実質的なが訪れることとなった。

2014年7月1日、ソニーのPC事業が譲渡され、VAIO社が発足。VAIO社の本社になった長野県安曇野市の工場はAIBOの生産拠点でもあった。その後、VAIOはAIBOの生産ノウハウを活かしてロボット事業に参入した。

ただし、ソニー元社員を中心とする有志の活動により、ソニーからの委託などではなく自主的に、2018年時点もなおバッテリー寿命を迎えるなどした初代AIBOへの修理対応を続ける会社がある[13][14][15]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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