アイスランドの軍事
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このページでは、アイスランドの軍事(アイスランドのぐんじ)について解説する。 アイスランド沿岸警備隊の哨戒艦「トール (ICGV Tor)(英語版、アイスランド語版)」。

アイスランドアメリカ合衆国首都ワシントンD.C.ロシア連邦首都モスクワを結ぶ最短直線経路の真下に位置しているが、アイスランドは独自の軍事力を保持していない。過去に徴兵制度も施行したことがなく、近代的軍事力を保持した経験はない。

沿岸警備隊などを保有しているが、現在のアイスランドにおける安全保障政策の基礎は、アメリカ合衆国を中心とする北大西洋条約機構(NATO)への依存にあり、国際連合(UN)や欧州安全保障協力機構(OSCE)の活動にも積極的に参加している。目次

1 歴史

1.1 前史

1.2 第二次世界大戦

1.3 20世紀後半以降


2 アイスランド危機対応部隊

3 防衛庁

4 沿岸警備隊

5 警察特殊部隊

6 脚注

7 関連項目

8 外部リンク

歴史 アイスランドの防衛・武装組織の一覧
前史「アイスランドの歴史」も参照

西暦870年頃から、アイスランドに定住が進められると、初期の時代には部族ごとに武装し闘争が繰り広げられていた。13世紀にはノルウェー王の支配下となり、14世紀にはデンマークの支配下に入っている。

1874年にアイスランドはデンマークからの自治を開始し、1904年には自治領へと発展、1918年にデンマーク王国と連合するアイスランド王国として独立した。デンマーク軍はアイスランドから撤退したが、その際も沿岸警備部隊を除き、アイスランドでは近代的軍事力を設立しなかった。
第二次世界大戦

第二次世界大戦に際しては中立を宣言し、戦火に巻き込まれないことを方針とし、武装勢力としては国家警察の拡充を図った。1940年までに国家警察は60名に軍事訓練を施している。しかし、1940年5月イギリス軍アイスランド侵攻を行い、全土が占領された。これは北大西洋通商路保護のため、ドイツ軍の先手を打って、要衝の地であるアイスランドを確保するものであった。1941年からはイギリス軍に代わりアメリカ軍が駐留するようになった。戦争後、連合国軍は撤退している。この間、1944年にアイスランド共和国としてデンマークとの連合を解消、完全独立している。
20世紀後半以降

第二次世界大戦後もアイスランドは軍の設立を行なわなかった。1949年には北大西洋条約機構の原加盟国となり、1951年から2006年までは、アメリカ軍を中心とするアイスランド防衛隊ケプラヴィークに駐留していた。このケプラヴィーク基地はイギリスを含む西側諸国のソビエト連邦に対する最重要拠点であり、集団安全保障体制による外国軍の駐留を受け入れていた。北大西洋にあるアイスランドは、NATOにとり大西洋の通商路を防衛する良好な拠点であり、そのために対潜哨戒機戦闘機を中心とした部隊が配備された。冷戦終結後は、ソビエト連邦の脅威がなくなったことにより、アイスランド防衛隊の規模について、2001年よりアメリカと二国間交渉が行われた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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