アイアンマン
Iron Man
監督ジョン・ファヴロー
脚本マーク・ファーガス
ホーク・オストビー
アート・マーカム
マット・ホロウェイ
原作スタン・リー
ラリー・リーバー
ドン・ヘック
『アイアンマン』(英: Iron Man)は、マーベル・コミックの同名キャラクターをベースにした、2008年のアメリカのスーパーヒーロー映画。マーベル・スタジオが製作し、パラマウント・ピクチャーズが配給する、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の第1作目である。監督はジョン・ファヴロー、脚本はマーク・ファーガスとホーク・オスビー、アート・マーカムとマット・ホロウェイが務め、トニー・スターク/アイアンマン役のロバート・ダウニー・ジュニアのほか、テレンス・ハワード、ジェフ・ブリッジス、ショーン・トーブ、らが出演している。
MCUのフェーズ1の最初の作品として、2008年4月14日にシドニーでプレミア上映され、5月2日に米国で公開された。興行収入は5億8,500万ドルを超え、2008年の興行収入の第8位となった。本作は批評家から高い評価を受け、特にダウニーの演技が高く評価された。また、第81回アカデミー賞では、音響編集賞と視覚効果賞の2部門にノミネートされた。2010年には『アイアンマン2』、2013年には『アイアンマン3』の2作の続編が公開されている。 巨大軍需産業“スターク・インダストリーズ”の社長であるトニー・スタークは、自身が開発したクラスターミサイル“ジェリコ”のプレゼンテーションの為に、アフガニスタンにいる親友のジェームズ・“ローディ”・ローズ率いるアメリカ空軍を訪問した。しかし、車で移動中にテロ組織“テン・リングス”がトニーを襲撃、助けを呼ぼうとするトニーにミサイルを撃つ。命中の瞬間、トニーはミサイルに刻まれた自社のロゴマークを目撃し、爆風で吹き飛ばされ意識を失う。 気がつくと、トニーはテン・リングスの拠点である洞窟に拉致されており、胸には車載用バッテリーに繋がった電磁石が取り付けられていた。爆発の際飛び散ったミサイルの破片がトニーの心臓周辺に突き刺さり、電磁石で破片を引き留めておかなければ1週間で命を落とすという。テン・リングスの拠点には横流しされたスターク社製の武器が所狭しと並んでいた。トニーは解放の条件としてジェリコの組み立てを強要される。 やむなくトニーは、同じく捕虜で彼に電磁石を取り付けて救命措置を施したホー・インセン博士と一緒にエネルギーを生み出す熱プラズマ反応炉“アーク・リアクター”の小型版を、ジェリコ製作に見せかけて開発する。胸に接続して生命維持を可能にする小型アーク・リアクターを完成させたトニーは、続いてアーク・リアクターと連動するパワードスーツ“マーク1”を開発。インセンが自らの命を引き換えにして時間を稼ぎ、その間にアーマーを起動させたトニーは、圧倒的なパワーでゲリラを退けて脱出した。その後、マーク1が壊れてアフガニスタン辺境の砂漠に墜落したトニーは、ローディ率いる米軍の捜索隊に保護されてアメリカに帰還した。 トニーは自社製品がゲリラの手に渡り、それが人命を目の前で奪った事から、帰国後の記者会見で軍需産業からの撤退を宣言する。スターク社副社長のオバディア・ステインが役員会でトニーの解任要求を提出するも、彼は犯罪者やテロリストと戦うために私費と技能を投じて新たなアーマーの開発に着手した。試作品の“マーク2”を経て完成品のマーク3”を完成させ、トニーはローディや秘書のペッパー・ポッツ以外の誰にも正体を明かさず、1人でテン・リングスとの戦いを始める。 だが、トニーは自身が撃退したゲリラが、軍需産業からの撤退を宣言したはずのスターク社製の兵器を未だに使用していることに、社内の誰かがゲリラに内通し、裏で私腹を肥やしていると睨む。トニーの指示を受けたペッパーが内偵した結果、ペッパーはスターク社の乗っ取りを目論むオバディアがテン・リングスと繋がっていることを掴み、以前から自身に接触してきていた戦略国土調停補強配備局の捜査官、フィル・コールソンと共にオバディアの計画を阻止するため、行動を開始する。 トニーとペッパーに計画を知られたオバディアは、トニーへの復讐に燃えていたゲリラ達が回収したマーク1の残骸を元に自分用のパワードスーツ“アイアンモンガー”を開発する。またトニーを不意打ちし、彼の胸部のアーク・リアクターを彼が死ぬと分かって持ち去った。トニーは瀕死の中、マーク1で使用した旧型のアーク・リアクターを装着し復活。暴れまわるオバディア/アイアンモンガーに戦いを挑み、会社にある巨大なアーク・リアクターのエネルギーをオーバーロードさせて撃退する。 この事件を機に、謎のアーマーを着たヒーローはマスコミにより“アイアンマン”と名付けられ、一躍有名になっていた。マスコミからの記者会見でトニーは、ローディやコールソンの「正体を秘密にするように」との要請をあえて断り「私がアイアンマンだ」と公表し、彼は社長としてだけではなくスーパーヒーローとしても一躍有名になるのだった。 その後、S.H.I.E.L.D.の長官、ニック・フューリーが、トニーを訪ね「君にアベンジャーズの話をしに来た」と告げる。
ストーリー
登場人物
トニー・スターク / アイアンマン
スターク・インダストリーズのCEOである大富豪の天才発明家にして慈善家。無類の遊び人でもある一方、軍需産業で世界平和の実現を望んでいた。だがスターク社製兵器が、悪用されていた事実を目のあたりにし、価値観を改め、償いと真の世界平和のために、自らパワードスーツを身に纏って、兵器を悪用する輩と戦うことを決意する。
ジェームズ・“ローディ”・ローズ
スターク社とのパイプ役を担当する、アメリカ空軍武器開発部の中佐。トニーとは互いに「偉大な師であり長年の友人」「心を許せる親友」として認め合う仲であり、トニーが彼がパワードスーツを用いて活動していると知ってからは、自身の立場を活かしてサポートする。
オバディア・“オビー”・ステイン/アイアンモンガー
スターク・インダストリーズの重鎮にしてNo.2。ハワード・スタークの盟友で、スターク社の創設期から経営に尽力し、ハワードの死後は暫定的にCEOも務め、トニーにCEOの座を譲渡してからは取締役会の一員となり、トニーを支えてきた。だがトニーを追い落としてスターク社を完全に掌握しようと密かに狙う野心家でもあり、テン・リングスへ彼の殺害依頼とスターク社製兵器の横流しを行ない、やがて自分専用のパワードスーツ“アイアンモンガー”を製造させ、トニーに挑む。