わるいやつら
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この項目では、松本清張の小説について説明しています。韓国映画については「悪いやつら」をご覧ください。

わるいやつら
小説の病院は東京・中野の一等地にある設定となっている(写真は中野区内・桃園川緑道周辺)
著者松本清張
発行日1961年11月
発行元新潮社
ジャンル小説
日本
言語日本語
ページ数507
コードISBN 4101109087
ISBN 978-4101109084(文庫本)

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『わるいやつら』は、松本清張長編小説[1]。『週刊新潮』に連載(1960年1月11日号 - 1961年6月5日号、全73回、連載時の挿絵は御正伸)、加筆訂正の上、1961年11月、新潮社から単行本として刊行された。後に電子書籍版も発売されている。

医者の社会的権威を利用して犯罪に手を染めてゆく医師と、その人間関係を描く、長編ピカレスク・サスペンス。

1980年に松竹で映画化、また4度テレビドラマ化されている。
あらすじ

戸谷信一はある病院の院長、病院の経営は苦しく、赤字は毎月増えるばかりであったが、妻・慶子との別居中に作った愛人から、金を巻き上げては赤字の穴埋めに充てていた。最近新たにデザイナーの槙村隆子を知った戸谷は、彼女に強い興味を持ち、結婚に持ち込みたいと思うようになった。そのためさらに多額の金が必要になったが、その金も愛人から絞り取ることで乗り切れると戸谷は考えていた。しかし、愛人の一人である横武たつ子の病夫の急死に、思わぬ関わりを持った[2] ことから、戸谷とその周囲の人間の運命は狂い出し…。
出版

単行本刊行後、1962年に新潮社ポケット・ライブラリ版、1966年に上下巻に分冊した新潮文庫版が刊行された。1970年光文社カッパ・ノベルスから上下巻の分冊版が刊行され、1971年には文藝春秋の『松本清張全集』第14巻に収録された。
登場人物

以下は原作における設定を記述。
戸谷 信一
東京・
中野のとある病院の院長。高名な医者であった亡父・信寛の病院を継ぐが、医療への情熱はとうに失っている。
槙村 隆子
若くして銀座で一流洋装店を経営するデザイナー。美貌と資産を兼ね備えている。
藤島 チセ
銀座の高級洋品店「パウゼ」の経営者。戸谷の3年越しの愛人。
横武 たつ子
大きな家具店の妻女。戸谷の愛人。
藤島 春彦
藤島チセの夫。
横武 常治郎
横武たつ子の夫。
横武 二郎
横武たつ子の義弟。
寺島 トヨ
看護婦長。表には出さないが、蒼い情念を持っている。
下見沢 作雄
弁護士。奇妙に世間のいろいろな事情に通じる男。
エピソード

本作執筆のきっかけとして、著者の母が
1955年に死んだ際、埋葬許可証を発行する区役所の手続きが非常に簡単で、係員が死亡診断書を発行した医者に問い合わせることをせず、診断書の記載がそのまま形式的に通過していくことに驚き、創作のヒントを得たと著者は述べている[3]

本作は連載中から読者の反響が大きく、当時、著者がバーや料亭に行くと、ホステスや女中から、次の展開をよく訊かれたという[4]

雑誌連載時は原稿用紙1460枚であったが、単行本化時には1200枚分に圧縮された。一例として、戸谷が藤島チセと皆生温泉へ行き、チセと関係を持つ場面が描写された連載第4回は、単行本化時にすべて削除されている。また、連載時の物語は冬に始まる設定となっているが、単行本では夏に変更されている[5]

映画版

わるいやつら
Bad Sorts
監督
野村芳太郎
脚本井手雅人
製作野村芳太郎
野村芳樹
出演者松坂慶子
音楽芥川也寸志


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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