わたしは、ダニエル・ブレイク
I, Daniel Blake
監督ケン・ローチ
脚本ポール・ラヴァーティ
製作レベッカ・オブライエン
製作総指揮
パスカル・コシュトゥー
『わたしは、ダニエル・ブレイク』(I, Daniel Blake)は、ケン・ローチ監督、ポール・ラヴァーティ脚本による2016年のイギリス・フランスのドラマ映画である。出演はデイヴ・ジョーンズ、ヘイリー・スクワイアーズ(英語版)、ディラン・マキアナン、ブリアナ・シャンらである。
第69回カンヌ国際映画祭でパルム・ドール、第69回ロカルノ国際映画祭で観客賞(英語版)を獲得した[4][5][6]。 舞台はニューカッスル。仕事に就けない老齢の男性とシングルマザー家族の交流を軸に、社会から取りこぼされた人々が、非人間的かつ非効率的な国の制度によって人間としての尊厳を奪われ、押し潰される様を鋭く描く。 老齢を迎えたベテラン大工であったダニエルは、あるとき心臓発作が原因で倒れてしまう。職を失い、医師からは休職を命じられたため、役所に行き、失業給付金申請の為カウンセラーと面談をするものの、職務可能と判断されてしまい、給付金は下りずにいた。 そんな時にロンドンから引っ越して来たばかりのシングルマザー一家であるケイティ達と出会う。彼女達も道に迷って面会時間に遅れたために、非人間的で融通の効かない公務員たちの対応で、4週間ほど給付金の交付が降りない事が決まってしまう。 ダニエルは得意の大工仕事で、ケイティの借家を修理し、お互いに傷つきながらも家族同様に親睦を深めていく。そんな中、ケイティは子供達の為に万引きに手を染めるが事情を察した店の支配人に見過ごされる。 ダニエルも給付金交付の矛盾や、不慣れなパソコン操作前提の申請などにやきもきしながらの生活を続けるが、所々で制度への矛盾に対した怒りを発してうまくいかず、ついには家財道具をほぼ売り払わずにはいられなくなってしまう。 引き続き生活に窮したケイティは万引きで知り合った警備員の男性から紹介された売春の仕事に身をやつして糊口を凌ごうとし、ダニエルはそれを止めようとエスコートハウスに乗り込むが、ケイティはその説得を振り切る。 失業給付を得るため、架空の求職と面談を強いられることに役所の煩雑かつバカバカしい制度に茶番を感じダニエルは、役所の壁面に「私はダニエル・ブレイク、飢える前に申し立て日を決めろ!」と、落書きし、街の人々の快哉を受ける。 一人、家にこもるダニエルの元にケイティの娘、デイジーがやってくることを契機にダニエルとケイティの仲も修復される。ケイティの助けを受け、ダニエルは支援手当を受けるための不服申し立てのサポートの機会を得るが… イギリスの社会保障の非人間的な制度と貧困の現実を、リアリティで鋭く批評した作品[7]。 主要撮影は2015年10月にニューカッスル・アポン・タインとその周辺地域で始まった[8]。製作はレベッカ・オブライエンのシックステーン・フィルムズ[9]、ホワイ・ノット・プロダクションズ レビュー収集サイトのRotten Tomatoesでは、103件のレビューで支持率は92%、平均点は7.8/10となった[11]。またMetacriticでは23件のレビューで加重平均値は78/100となった[12]。 受賞とノミネートの一覧
あらすじ
キャスト
デイヴ・ジョーンズ - ダニエル・ブレイク
ヘイリー・スクワイアーズ
ディラン・マキアナン - ディラン・モーガン
ブリアナ・シャン - デイジー・モーガン
ケイト・ラッター - アン
シャロン・パーシー(英語版) - シェイラ
ケマ・シカズウェ - チャイナ
ガヴィン・ウェブスター - ジョー
製作
評価
批評家の反応
受賞とノミネート
賞授賞式部門対象結果参照
英国アカデミー賞2017年2月12日作品賞レベッカ・オブライエンノミネート[13]
助演女優賞ヘイリー・スクワイアーズ
監督賞ケン・ローチノミネート
オリジナル脚本賞ポール・ラヴァーティノミネート
英国作品賞ポール・ラヴァーティ、ケン・ローチ、レベッカ・オブライエン受賞
英国インディペンデント映画賞2016年12月4日英国インディペンデント映画賞『わたしは、ダニエル・ブレイク』ノミネート[14]
監督賞ケン・ローチノミネート
男優賞デイヴ・ジョーンズ受賞
女優賞ヘイリー・スクワイアーズノミネート
新人賞デイヴ・ジョーンズノミネート
ヘイリー・スクワイアーズ受賞
脚本賞ポール・ラヴァーティノミネート
カンヌ国際映画祭2016年5月22日パルム・ドールケン・ローチ受賞[15]