りょうけん座RS型変光星
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りょうけん座RS型変光星(RS Canum Venaticorum variable)は、変光星の種類である。近接連星であり[1]、活発な彩層を持つため大きな恒星黒点が見られる。これらの黒点は、観測光度を変化させると考えられている。黒点の変化と連星の軌道周期によって光度が変化するため、その変化は年単位である。また、食連星によって光度が変化するものもある。光度の変化は、通常0.2等級程度である。

オットー・シュトルーベ(1946年)は最初にこのグループに気付いたが、公式に最初にりょうけん座RS型変光星の観測的性質の基準を作ったのはオリバー(1974年)である。今日使われている定義は、ホール(1976年)による[1]

りょうけん座RS型変光星は、以下の5つのサブグループに分けられる。
通常型:軌道周期は1日から14日で、主星のスペクトル型はFまたはG、光度階級はVまたはIVである。食以外の時は強いCa II HとKの輝線が見られる。

短周期型:軌道周期は1日以下で、主星のスペクトル型はFまたはG、光度階級はVまたはIVである。主星、伴星のどちらか1つかあるいは両方でCa II HとKの輝線が見られる。

長周期型:軌道周期は14日以上で、主星も伴星もスペクトル型はGからK、光度階級はIIからIVである。食以外の時は強いCa II HとKの輝線が見られる。

閃光型:主星のスペクトル型はdKeまたはdMeで、強いCa II HとKの輝線が見られると言われる。

おうし座V471星型:主星は白色矮星である。伴星のスペクトル型はGからKで、強いCa II HとKの輝線が見られる。

りょうけん座RS型変光星の光度曲線は、食の他に奇妙な半規則性の構造を見せる。この構造は、光度曲線の変形波と呼ばれる。イートンとホール(1979年)は、変形波を作る最も単純な機構は、太陽黒点に相当する、光球の暗く活発な領域である「恒星黒点」であることを示した。このような黒点は、それ以来、多くの恒星系で間接的に観測されている[2]

彩層の活動は、Ca II HとKの輝線から推測され、またHα線も彩層の活動と関連付けられる。X線放射は、コロナ領域の活動の残骸として知られており、紫外線放射は、太陽からの類推で、遷移層の活動と関連付けられることが知られている。太陽のこれらの領域は強い磁場を持ち、黒点活動は磁場の強い領域の周りでより促進される。

いくつかのりょうけん座RS型変光星は、X線源や電波源であることが知られている。電波の放射はジャイロシンクロトロンによるもので、磁場の存在を示す数少ない直接の証拠となっている。X線光度はLx >> 1024の桁である。放射は、太陽からの類推で T ~ 107 Kに達する高温のコロナからであると考えられている。

りょうけん座RS型変光星の別のサブグループは、スピッツァー宇宙望遠鏡赤外超過の放射があることが知られている[3]
出典^ a b Berdyugina2.4 RS CVn stars
^ CameronEclipse movies showing spots in XY Ursae Majoris binary
^ Matranga, M., Drake, J.J., Kashyap, V.L., Marengo, M., & Kuchner, M.J. 2010, Astrophysical Journal
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Cameron, Andrew Collier. “ ⇒Mapping starspots and magnetic fields on cool stars”. University of St Andrews. 2008年8月28日閲覧。 (explains how Doppler imaging works)

Berdyugina, Svetlana V. (2005). ⇒“Starspots: A Key to the Stellar Dynamo”. Living Reviews in Solar Physics (Institute of Astronomy ETHZ, Max Planck Society) 2 (8): 8. Bibcode: 2005LRSP....2....8B. ⇒http://www.livingreviews.org/lrsp-2005-8 2008年8月28日閲覧。. 

関連文献

Eaton,J.A. and Hall,D.S. 1979, Astrophys. Jour., 227, 907.

Hall,D.S. 1976, in IAU Colloquium No. 29, "Multiple Periodic Variable Stars" (D. Reidel: Boston), p. 278-348.

Oliver,J.P. 1974, Ph.D. Dissertation, University of California at Los Angeles.

Samus N.N., Durlevich O.V., et al. Combined General Catalog of Variable Stars (GCVS4.2, 2004 Ed.)

Struve,O. 1946, Ann. d'Astrophys, 9, 1.










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RCB(かんむり座R型)

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爆発連星

RS(りょうけん座RS型変光星)

FSCMa(おおいぬ座FS型(英語版))

DPS(二重周期変光星(英語版))

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BE(Be星)

LERI(エリダヌス座ラムダ型(英語版))


GCAS(カシオペヤ座γ型

I(不規則

UV(閃光星

WR(ウォルフ・ライエ星


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CEP(ケフェイド変光星)
ケフェイド状変光星

DCEP(古典的セファイド)

(DSCT(たて座δ型))


CW(II型セファイド)

CWA(おとめ座W型変光星)

CWB(ヘルクレス座BL型(英語版))

(RV(おうし座RV型))


SXPHE(ほうおう座SX型

RR(こと座RR型

roAp(高速振動Ap星

BLBOO(うしかい座BL型

RPHS(うみへび座V361型)

青-白
早期スペクトル

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BCEP(ケフェウス座β型

PVTEL(ぼうえんきょう座PV型

SPB(低速脈動B型星(英語版))

BLAP(青色大振幅脈動星(英語版))

長周期

M(ミラ型

SR(半規則型

L(長周期で不規則

その他

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