りゅうこつ座
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りゅうこつ座Carina
りゅうこつ座の恒星
属格形Carinae
略符Car
発音英語発音: [k??ra?n?] Carina, 属格:/k??ra?ni?/[注 1]
象徴船の竜骨[1]
概略位置:赤経 06h 02m 46.5s -  11h 20m 37.4s[2]
概略位置:赤緯−50.75°- −75.68°[2]
広さ494.184平方度[3]34位
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数52
3.0等より明るい恒星数6
最輝星カノープス(α Car)(-0.74
メシエ天体数0
隣接する星座ほ座
とも座
がか座
とびうお座
カメレオン座
はえ座
ケンタウルス座
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りゅうこつ座(りゅうこつざ、Carina)は、現代の88星座の1つ。18世紀半ばにプトレマイオスの48星座の1つアルゴ座の中に設けられた小区画を起源とする新しい星座で、船の竜骨をモチーフとしている[1][4]

α星のカノープスは、全天21の1等星の中でおおいぬ座シリウスに次いで2番目に明るく見える恒星である。α星以外にも明るい星が多いが、南天の高緯度にあるため、日本など北半球の中緯度地域では星座の北端しか見えない。一方、南半球ではみなみじゅうじ座ケンタウルス座と共に代表的な星座となっている。
主な天体

ι星・ε星とほ座δ星κ星を結んでできる十字架形は、南十字星と見誤りやすいため「にせ十字」と呼ばれる[5]。また、にせ十字とみなみじゅうじ座の間にある、θ星とβ星を結んだ線分とυ星とω星を結んだ線分を組み合わせた十字形は「ダイヤモンド・クロス (: Diamond Cross)」と呼ばれる[6]

銀河面に近いθ星やη星の近辺にある星団星雲は、アマチュア天文家の観測対象とされている[7]
恒星「りゅうこつ座の恒星の一覧」も参照

1等星のα星のほか、β星、ε星、ι星の3つの2等星[注 2]がある。2023年6月現在、国際天文学連合 (IAU) によって6個の恒星に固有名が認証されている[8]

α星:見かけの明るさ-0.74 等、スペクトル型A9IIの白色の輝巨星[9]。りゅうこつ座で最も明るく見える恒星で、全天21の1等星の中でも2番目に明るく見える。「カノープス[10](Canopus[8])」という固有名で知られる。

β星:見かけの明るさ1.69 等、スペクトル型A1IIIの白色の巨星で、2等星[11]。りゅうこつ座で2番目に明るく見える恒星。2等星の中では最も天の南極に近い位置にある[11]。「ミアプラキドゥス[10](Miaplacidus[8])」という固有名を持つ。

ε星:見かけの明るさ2.01 等でスペクトル型K3:IIIのA星と3.85 等でB2VpのB星からなる二重星[12][13]。にせ十字を形作る星の1つで、1930年代に名付けられた[14]「アヴィオール[10](Avior[8])」という固有名を持つ。

ι星:見かけの明るさ2.26 等、スペクトル型A7Ibの白色超巨星で、2等星[15]。にせ十字を形作る星の1つで「アスピディスケ[10](Aspidiske[8])」という固有名を持つ。

HD 63765:太陽系から約106 光年の距離にあるG型主系列星で8等星[16]。国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoWorlds」でボリビアに命名権が与えられ、主星はTapecue、太陽系外惑星はYvagaと命名された[17]

HD 95086:太陽系から約282 光年の距離にある若いA型星[18]で、7等星[19]。2013年に太陽系外惑星HD 95086bが発見された[18]。2022年から2023年にかけてIAUが実施したキャンペーン「NameExoWorlds 2022」でギリシャ共和国からの提案が採用され、主星はAiolos、太陽系外惑星はLevantesとそれぞれ命名された[20]

その他によく知られた恒星として以下のものがある。

η星:「高光度青色変光星 (LBV, Luminous Blue Variable)」に分類される大質量星[21]。観測記録が残る16世紀から21世紀に至るまでその明るさを大きく変化させており、天の川銀河内で次に超新星爆発を起こす天体の有力候補の1つとされている[22]。変光星としては「かじき座S型変光星 (SDOR)」に分類され、約5.54年の周期で変光している[23]。19世紀半ばには Great Eruption と呼ばれる大増光が起こり、ピーク時にはカノープスを凌ぐ-1.0 等まで増光した[24]。その後急激に減光し、1870年代には肉眼で観測できなくなった[24]が、1950年代から増光が始まり、2010年代後半には4.0 等前後まで増光している[25]太陽の100倍以上の質量を持つ超大質量星であると考えられており、直接の証拠は見つかっていないものの、恒星風の衝突に起因する衝撃波によって熱せられたガスから放射されるX線の光度変化から、40 M☉程度の質量を持つ伴星が存在すると考えられている[26]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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