らーめん再遊記
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らーめん再遊記
ジャンル
青年漫画料理・グルメ漫画
漫画:らーめん再遊記
原作・原案など久部緑郎(原作)、石神秀幸(原作協力)
作画河合単
出版社小学館
掲載誌ビッグコミックスペリオール
レーベルビッグコミックス
発表号2020年5号 -
発表期間2020年2月14日 -
巻数既刊10巻(2024年4月30日現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画
ポータル漫画

『らーめん再遊記』(らーめんさいゆうき)は、原作:久部緑郎、作画:河合単による日本漫画作品。『ビッグコミックスペリオール』(小学館)にて連載中だった『銀平飯科帳』を突然休載して、2020年5号(2020年2月14日)から『らーめん才遊記』の続編として連載を開始した[1]

現代のラーメン業界とフードビジネスの事情を描く[2]。話数表記は「第〇杯」。
あらすじ

ニューウェイブ系ラーメン界のカリスマ芹沢達也は、ラーメンに対する情熱を失いつつあった。

「らあめん清流房」各店やコンサルティング業務の「清流企画」の売り上げは好調で、特に汐見ゆとりが店長を務める「麺屋なでしこ」は年間売り上げが前年度比96%増。しかし、グループ旗艦店である「麺屋せりざわ」は黒字は出しているものの、看板メニューの月替わりラーメンの不調により売り上げの減少が続いていた。

そんな中、芹沢と汐見は、ラーメン評論家から大学教授に転身した有栖涼の『ラーメン論4.0』の出版記念パーティーに招かれたが、世界的グルメガイド「ムシュロン」で二つ星を獲得したラーメン店「東京ガストロノメン」店主・米倉龍大が芹沢を批判し、これに怒ったゆとりの思いつきで芹沢と米倉による新旧天才ラーメン職人対決が企画された。

対決のお題となったラーメンは、他の料理では味の決め手に使われたりするがラーメンでは一向にメインとして使われてこなかった「お酒を使ったラーメン」。対決が正式に決まったあとも芹沢はラーメンに対する情熱を取り戻せないでいたが、「らーめん厨房どきゅん」店主・武田剛三の言葉で、自分が「好きなラーメンを好きに作りたいだけのイカれたラーメン馬鹿」であることを再認識し、情熱が再燃。

米倉が純米酒の旨味を中心としてダシやタレを補助とした塩ラーメンを出したのに対し、芹沢が出したのはスタウトインディア・ペールエールランビックの三種のビールを用いた、苦味を全面に押し出したラーメン。苦味というこれまでのラーメンには無い要素を取り入れた芹沢が対決を制する。米倉がラーメンの道へ飛び込んだ切っ掛けが芹沢であったことが発覚し、米倉とも和解する。

その夜、清流企画で祝勝会が開かれるが、ゆとりは米倉の日本酒ラーメンも芹沢のビールラーメンも凡庸な着想でそこそこと言い放つ。傲岸不遜な態度に怒った芹沢の社長命令でゆとりが製作したのは、「酒は酔うためのもの」という持論を元にオレンジワインを使ったアルコールを飛ばしていないラーメンだった。

ゆとりのラーメンに白旗を上げた芹沢は、ゆとりへの社長交代を告げるのであった。(以上、1巻)
登場人物
芹沢達也
スキンヘッドのラーメン職人。シリーズ3作目の本作において、初めて正式に主人公となる。前作、前々作では個人情報はほとんど明かされてはいなかったが、
80年代から90年代プロレス格闘技好きであることが明かされ、動画を見ているシーンもある。90年代の洋楽に対しても造詣が深く、若い頃はスラッシュメタルに傾倒していた。社長引退後は「万人の形式の探求」をテーマに掲げつつ昼からサウナや飲酒を楽しんだり、アルバイトや大学の客員講師をやる、ビジネスホテルへ長期宿泊や電動アシスト付き自転車を乗り回すなど余暇を満喫している。また本作ではチェーン店「中華屋ほりでぃ」のタンメンを凡庸な味と評しつつも好物にしていたり幼少期よりインスタントラーメンは明星チャルメラ派といったジャンクフードとしてのラーメンへの愛着も描かれる。前々作、前作でも主張していたが、一部の味覚が鋭い者以外のラーメンマニアを心底軽蔑しており、人間扱いしていない。
有栖涼
前作、前々作から継続して登場しているラーメン批評家。本作では中秀大学総合文化学部食文化コースの教授に転身。ラーメン店紹介の仕事はネット上で無料で見れるグルメサイトに譲って、食文化としてのラーメンについて研究を行っている。当人は評論家の立場を捨てた意識はなく食文化学の研究と称して食べ歩きにも熱心で、また彼も芹沢同様プロレスやサブカルに精通している一面を見せることも。
板倉和文
大学生の傍ら「グルタ」名義でラーメン系ユーチューバーとして活動している青年。実家は「大江戸せあぶら軒」。家業に対してはラーメンの味は評価していないものの経営面での苦境を気にしており、父親との確執を知らずに知り合った芹沢に再建のアドバイスを求める。店の存続がなった後も芹沢や有栖と交流を持つようになる。動画のコンセプトは「比較分析」でありアマチュアとしては芹沢も評価する水準で、味覚や知識では並みの評論家を上回っている面もある。また実家やプライベートで交流のある店は決して取り上げないというポリシーも持つ。端正な顔立ちで女性からはよく美少年、イケメンと評される。
清流企画
汐見ゆとり
前作『
らーめん才遊記』の主人公で、芹沢が経営する「清流企画」の従業員。芹沢の指名で平社員からいきなり社長に就任した。
ラーメン店関係者
米倉龍大
新世代系ラーメン店の筆頭「東京ガストロノメン」の若き店主。創作麺料理としてのラーメンを一流の食文化に高める目標を掲げ、最高峰と自負しつつも謙遜と向上心をこめて看板メニューの醤油ラーメンを「普通のラーメン」と命名している。「らあめん清流房」の淡口らあめんに衝撃を受けてラーメンの道を志したが、いつしか衰えた芹沢に失望し、暴言を吐いた。芹沢への複雑な感情を表向きは新世代系VSニューウェイブ系というアングルの演出と嘯く、権威と伝統のブランディングのため塩匠堂を源流とした創作ラーメンを「永友和平リスペクト系」という虚構の系統に位置づけようと目論むなどの計算高い面も持つ。
「中華のイサカ」店主
いわゆる
町中華の経営者。 ラーメンに対する情熱を無くした序盤の芹沢が晩酌をしに通っており、供されるラーメンはうまくもまずくもないが、芹沢には「それがいい」と言われている。「東京ガストロノメン」の「普通のラーメン」と対比し、悪い意味での「普通のラーメン」だが、芹沢が無意識に両者を比較したことが新世代系ラーメン店に対するある発見につながった。
富川剛
「富川麺堂」店主で米倉と公私にわたって交流のある新世代系ラーメン職人のひとり。他の3人とともに芹沢戦で米倉の応援に駆け付け、「永友和平リスペクト系」を提唱するネット番組にもVTRでコメントを寄せている。芹沢に憧れてラーメンの世界に参入したこともあり米倉とどちらを応援すべきか悩ませる、永友を過剰に礼賛せずあくまで過去の実績を称えるなど良くも悪くも裏表のない性格。
千葉周児
「神麺亭」の店主。前々作『ラーメン発見伝』の登場人物で、芹沢と並ぶニューウェイブ系ラーメンのカリスマと称された。店の経営は順調だったが、芹沢同様にラーメンに対する熱量を失っており、株式を総合外食グループに売却し、ラーメン界からの引退を芹沢と有栖に告げる。
武田剛三
前作、前々作から継続して登場しているラーメン店グループ「らーめん厨房どきゅん」の店主。グループの売り上げは好調で、本作でも豪快に遊び歩いている。非常識かつ横暴な言動の一方で芹沢にアイデンティティを思い出させる言葉をかけたりゆとりの社長就任を祝う一面を見せる。なお「どきゅん」のラーメンはシリーズ中「爆食ワイルド系」とされていたが本作にていわゆる二郎系に連なると明示された。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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