よもぎ
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「蓬」はこの項目へ転送されています。駆逐艦については「蓬 (駆逐艦)」をご覧ください。
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ヨモギ
ヨモギ
分類

:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 Angiosperms
階級なし:真正双子葉類 Eudicots
階級なし:キク類 Asterids
:キク目 Asterales
:キク科 Asteraceae
亜科:キク亜科 Asteroideae
:ヨモギ属 Artemisia
:Artemisia indica
変種:ヨモギ var. maximowiczii

学名
Artemisia indica Willd. var. maximowiczii (Nakai) H.Hara (1974)[1]
シノニム


Artemisia princeps Pamp. (1930)[2]

和名
ヨモギ
英名
mugwort

ヨモギ(蓬[3]・艾[4]・蕭、学名: Artemisia indica var. maximowiczii)は、キク科ヨモギ属多年草。日当たりのよい原野や道端などに集団を作って生えて、高さは1メートル前後になり、初秋に地味な花をつけて、風媒花のため多量の花粉を飛ばす。春の地表に生えた若芽は食用になり、餅に入れられることから、別名モチグサ(餅草)ともよばれる。灸のもぐさ、漢方薬の原料になるなど利用価値がある。
名称

和名のヨモギの由来ははっきりしないが、よく繁殖し四方に広がることから「四方草」と書いてヨモギと読ませるという説[5][6]、春によく萌える草から「善萌草」に由来とする説[7][6]、よく燃えるので「善燃草」と書いてヨモギと読ませる説[5][8][9]がある。ヨモギの「ギ」は、茎のある立ち草を意味する[7]

別名は、春に若芽を摘んで餅に入れることからモチグサ(餅草)とよく呼ばれていて[5][3][10]、また葉裏の毛を集めてに用いることから、ヤイトグサの別名でも呼ばれている[5][3]。ほかに、地方によりエモギ、サシモグサ(さしも草)、サセモグサ、サセモ、タレハグサ(垂れ葉草)、モグサ[3][4]、ヤキクサ(焼き草)、ヤイグサ(焼い草)、ヨゴミ[3]の方言名がある[11][12]。沖縄県ではフーチーパーとよんで、臭み消しや薬用、香草として使われる[13]。陶穀の『清異録』には「肚裏屏風」の別名がある[14]

英語では、Japanese mugwortとも呼ばれるが[12]、英語のmugwortとは異なることがある。
分布・生育地

日本在来種であるが[12]、もともとは中央アジアの乾燥地帯が原産と考えられている[15]。日本の本州四国九州小笠原に分布する[7][16]沖縄では野生化している[17]。日本国外では、朝鮮半島に分布する[17]

山野草地道ばたに自生する多年草[18][5]。繁殖力が強く、空き地、河原、畑などの日当たりの良いところでふつうに見られ[10]地下茎を伸ばして増えて群生していることが多い[19]
形態・生態

地下茎を長く伸ばして繁殖し[19][17]、まだ寒い早春(2 - 3月ごろ)のうちから、他の植物に先駆けて白銀色の産毛をまとったロゼット状の若芽(根出葉)を出して冬越しする[7]

春になると茎が生長を始めて、草丈は50 - 150センチメートルほどになり[5][19][16]は立ち上がり、多数分枝してやや木質化する[20]。早春の芽生えのころは、全体が白い産毛で覆われている[4]

互生し、幅4 cm、長さ8 cm前後で、左右が羽状に深く裂けて裂片は2 - 4対ある[21]。葉の形は変異が多い[17]葉縁はさらに切れ込むか鋸葉があって[16][20]、上部の葉は鋸葉が少なくなる[20]。葉の裏面は白い綿毛を密生して白っぽく見える[5][9]。この細かな白い毛は、ヨモギが乾燥地帯の中でも生育していくために、気孔を開いて葉呼吸する際に、水蒸気として一緒に貴重な水分が逃げてしまわないようにするためのものだと考えられている[15]顕微鏡で見ると、毛の1本が途中から2つに分かれてアルファベットのTの字に似た構造になっていることから「T字毛」と呼ばれており、根元から生える毛の数を多くしている[15]。さらに毛はを含んでいて、水分を逃がさないしくみになっている[15]

花期はからごろ(8 - 10月)にかけて、茎を高く伸ばして分枝し、小枝に淡褐色の目立たない小花を穂状に咲かせる[5][7]。茎先の花穂は円錐花序で、直径1.5ミリメートル、長さ3ミリメートルの長楕円形の頭花を下向きに多数つける[16]。頭花は管状花ばかりで、これを包む総苞クモの巣状の軟毛がある[20]。ヨモギと同じキク科の多くの植物は、植物進化の過程で風媒花から虫媒花へ最も進化したグループであるが、ヨモギは虫媒花をやめて再び風媒花に転換した植物である[22]。このため、他のキク科のような目立った花びらもなく地味で、風に任せて大量の花粉を飛ばすため、秋の花粉症の原因植物のひとつになっている[22][23][21]

花が終わると総苞が残り、中で果実が熟す[24]。果実は痩果で、長さ1 - 1.5ミリメートルほどの線形で灰白色をしており、冠毛はなく、中央に縦の稜がある[24]。風にのって種子散布すると考えられている[24]

セイタカアワダチソウと同様に地下茎などから他の植物の発芽を抑制する物質を分泌する[25]。この現象をアレロパシー(他感作用、allelopathy)と言う[25]

ヨモギが持っている独特の香りは、乾燥地帯で生える多くの植物と同様に、害虫や雑菌から身を守るために抗菌化物質などの化学物質を発展させてきたものに由来する[22]。香りのもととなっている精油成分は、さまざまな薬効成分があるので、古くから薬草として用いられてきた[7][22]。@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .mod-gallery{width:100%!important}}.mw-parser-output .mod-gallery{display:table}.mw-parser-output .mod-gallery-default{background:transparent;margin-top:.3em}.mw-parser-output .mod-gallery-center{margin-left:auto;margin-right:auto}.mw-parser-output .mod-gallery-left{float:left;margin-right:1em}.mw-parser-output .mod-gallery-right{float:right}.mw-parser-output .mod-gallery-none{float:none}.mw-parser-output .mod-gallery-collapsible{width:100%}.mw-parser-output .mod-gallery .title,.mw-parser-output .mod-gallery .main,.mw-parser-output .mod-gallery .footer{display:table-row}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div{display:table-cell;text-align:center;font-weight:bold}.mw-parser-output .mod-gallery .main>div{display:table-cell}.mw-parser-output .mod-gallery .gallery{line-height:1.35em}.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div{display:table-cell;text-align:right;font-size:80%;line-height:1em}.mw-parser-output .mod-gallery .title>div *,.mw-parser-output .mod-gallery .footer>div *{overflow:visible}.mw-parser-output .mod-gallery .gallerybox img{background:none!important}.mw-parser-output .mod-gallery .bordered-images .thumb img{outline:solid #eaecf0 1px;border:none}.mw-parser-output .mod-gallery .whitebg .thumb{background:#fff!important}

若葉

ヨモギの花

利用

特有の香りがあり、若い葉は食用され、草餅の材料になる。生葉は止血、干した葉を茶のようにして飲むと、健胃、下痢、貧血など多くの薬効があるとされる[21]。葉を陰干ししてお灸のもぐさにもなる。葉には精油約0.02%(シネオール50%、α-ツヨンセスキテルペン)、アデニンコリンタンニン葉緑素クロロフィルなどを含んでいる[26]。精油は内服すると、血液の循環を促して、発汗作用、解熱作用が働き、浴湯料としても、のどの痛み、腰痛、肩こりの痛みを和らげる。タンニンが、組織細胞を引き締める作用によって、止血や下痢止めに役立てられている[26]。ヨモギ属の属名 Artemisia は、ギリシャ神話の女神アルテミスに由来し、月経痛・生理不順・不妊に効果があるとされ、「女性の健康の守護神」の意味である[6]


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