ゆるキャラは、「ゆるいマスコットキャラクター」[注 1]を略したもので、地域おこしや名産品の紹介、イベントや各種キャンペーンなど地域全般の情報PR、企業・団体のコーポレートアイデンティティなどに使用するマスコットキャラクターのことである。特に地域のPRを目的としたものはご当地キャラとも呼ばれる。そのような可愛らしいキャラクターのイラスト全般を指す場合もある。
狭義の「ゆるキャラ」は、国や地方公共団体その他の公共機関等のマスコットキャラクターで着ぐるみ化されているものに限られるが(後述の「ゆるキャラ三か条」も参照)、広義では企業・団体のプロモーションキャラクターなど[1]、おおよそ広告としての意図や効果を持つキャラクターのことと解される[2]。 「ゆるキャラ」という名称は漫画家、エッセイストであるみうらじゅんが考案し、みうらも自分が命名者だと自認している[3][4][5][6][7][8][9]。 2004年11月26日には「ゆるキャラ」という言葉が、扶桑社とみうらじゅんによって商標登録されている(第4821202号)。これは無関係な第三者により商売に利用されたり、第三者に商標を取られ「ゆるキャラ」という言葉が自由に使えなくなることを防ぐためである[10]。また「ゆるキャラ」を使用したサイトでは「ゆるキャラRという文字は、みうらじゅん氏の著作物であるとともに扶桑社、及びみうらじゅん氏の所有する商標です」と明記されている[11]。 新語・流行語大賞では、2008年に「ゆるキャラ」がノミネート、2013年に「ご当地キャラ」がトップテン入りを果たした。 2017年現在、「ゆるキャラ」の商標管理は「ゆるキャラグランプリ実行委員会
概要
ゆるキャラの一覧は「官公庁のマスコットキャラクター一覧」を参照。
2020年10月時点で、日本ご当地キャラクター協会(彦根市)への登録は全国約230だが、実際はその何倍ものキャラクターが生まれている[3]。
2021年12月21日時点で、Twitter公式アカウントのフォロワー数を都道府県のキャラクターと知事で比較すると、20府県でキャラクターが知事を上回っている[12]。人気キャラクターの中には、経済波及効果をもたらすキャラクターも生まれている[12]。日本経済新聞が全国の47都道府県と815市区を対象にアンケート調査した結果によると、2011年度の地域キャラクターの総数は714体であったのに対し、2021年度では1553体と10年間で倍増している[12]。
歴史
1980年代の地方博覧会ブームで作られたマスコットキャラクターがゆるキャラの原点といわれる。
2000年、『第15回国民文化祭・ひろしま2000』のメインキャラクターとなったブンカッキー[13]を見て、みうらじゅんが「ゆるキャラ」という概念を思いつく[3][4][7][8][9][14][注 2]。
2000年6月、『ハイパーホビー』Vol.22(2000年7月1日号)にて、みうらのコラム「ユルキャラ民俗学」の連載開始[注 3]。
2000年12月、『ハイパーホビー』Vol.28(2001年1月1日号)の「ユルキャラ民俗学 第7回」にてケヤッキーが紹介され、ゆるキャラという言葉が現在と同じ「ゆるいマスコットキャラクター」という意味で使われるようになる。[15]
2002年11月23日、後楽園ゆうえんちスカイシアターで、みうらのプロデュースにより『第1回みうらじゅんのゆるキャラショー』が開催され、2003年に『みうらじゅんの伝説のゆるキャラショー』のタイトルでDVD化される[10]。
2003年1月、『SPA!』にて、みうらのコラム「ゆるキャラだョ!全員集合」の連載開始[6]。当時は取材を拒否されることが多かったという。みうらは当時「ゆるい」という言葉がマイナスの印象だったからではないかと推測している[10]。
2004年6月、『みうらじゅん in 東京ドーム 郷土愛(LOVE) 2004』に、全国から集まったゆるキャラ総勢70体の行進「ゆるキャラサンバ」お披露目が行われる。
2006年4月、『ゆるキャラ 日本一決定戦』(TVチャンピオン)放送、スギッチが日本一になる[16]。
2007年頃から、滋賀県彦根市で開催された『国宝・彦根城築城400年祭』のイメージキャラクター・ひこにゃんが火付け役とされる「ゆるキャラブーム」が起こる[6][10]。
2007年より、鳥取市の鳥取砂丘でゆるキャラの運動会『ゆるキャラカップ』が年に1回開催されている[17]。
2008年9月、『TVチャンピオン2 ゆるキャラ王選手権』(TVチャンピオン2)放送、わたるがチャンピオンになる[18]。
2008年10月25日 - 26日には、彦根市で『ゆるキャラまつり』が開催された[19]。翌2009年10月23日 - 25日に第2回が開催されており、主催者側では今後も定期開催化して「ゆるキャラの 甲子園 を目指す」方針を明らかにした[20](2013年より『ご当地キャラ博in彦根』に改称)。
2008年、『新語・流行語大賞』の候補となる60語に「ゆるキャラ」がノミネートされた[21]ものの、トップテン入りを逃した。