アッと驚く為五郎(アッとおどろくためごろう)は、テレビ番組『巨泉・前武ゲバゲバ90分!』でクレージーキャッツのハナ肇によって演じられたギャグ。また、番組のヒットを受けて作られた同名の楽曲(コミックソング)および喜劇映画シリーズ。
「アッと驚くタメゴロー[1]」とも表記される。電通編『広告景気年表
』においては、同番組の開始年である1969年の流行語として記録されている[1]。日本テレビの番組『巨泉・前武ゲバゲバ90分!』のコントとコントの間をつなぐVTRとして登場するものとして誕生した。
そのモデルとされた番組である米NBCの『ラフ・イン
』で同様に登場する「Wolfgang the German soldier」が面白いということで、『ゲバゲバ』でも同じようなものを作りたいという話が出たことに端を発する[2]。コンセプトとしては「わけがわからないけど、とにかく出てきて何か言う」というもので、ハナ肇に演じてもらうところまではすぐに決まったが[2]、フレーズが決まらなかった。やがてハナがふと言った「アッと驚くタメゴロー」がウケて、使われることになった。これはハナの大のお気に入りで[3]、浪曲『清水次郎長伝』の節回しで登場人物の「本座村の為五郎」を指した。
ハナがいつこれを言ったかは諸説あり、アイデアに詰まり気晴らしでやった麻雀でハナが役満を振り込んでしまい、その際に叫んだ[4]、あるいは、元々ハナが昔から使っていて仲間内で知られていた言葉で、六本木でハナ、ディレクターの齋藤太朗、放送作家の河野洋の3人で酒を飲んでいた際にその話が出て、酒の勢いで採用が決まったとする説がある[5]。
番組ではヒッピー姿で叫んでいた[6]。またハナの脇には多くの場合当時の新製品であるソニーの小型テレビが置かれていたが、これについて齋藤は「時代の最先端のテレビとヒッピーのおじさんの対比というか、新しいものと古いものを組み合わせて落差を作った」との狙いだったという[5]。
なお、ハナは80年代の『ゲバゲバ』リバイバル版『ゲバゲバ90分!+30』では、当時流行の最先端だった竹の子族の衣装で登場、舞台を歩行者天国に移している。 「アッと驚く為五郎」 あんた/ウンジャラゲ
楽曲
ハナ肇とクレージーキャッツ の シングル
A面アッと驚く為五郎
B面酒のめば
リリース1969年12月20日
ジャンル歌謡曲
レーベル東芝EMI
作詞・作曲アッと驚く為五郎 - 作詞:河野洋 作曲・編曲:宮川泰
酒のめば - 作詞:なかにし礼 作曲・編曲:川口真
チャート最高順位
26位(オリコン)[7]
ハナ肇とクレージーキャッツ シングル 年表
(1969年)アッと驚く為五郎/酒のめば
(1969年)全国縦断追っかけのブルース/おとこ節
(1970年)
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上記番組のヒットを受け、1969年12月20日に歌:植木等、コーラス:クレージーキャッツによるシングル『アッと驚く為五郎』が発売された。作詞:河野洋、作曲・編曲:宮川泰。
1コーラスごとに「アッと驚くタメゴロー」とハナ肇が叫び、間奏には同じく宮川泰作曲の『巨泉・前武ゲバゲバ90分!』のオープニングテーマのメロディーが使用されている。セルジオ・メンデス&ブラジル'66による「マシュ・ケ・ナダ」の影響を受けたとされる[8]。
なお、この楽曲には萩原哲晶が作・編曲を手がけたものの当時は未採用となったバージョン[9]もあり、1995年発売の『クレージーキャッツ レアディスク』、2010年発売の『クレイジー伝説』などのCDに収録されている。
カップリング曲は『酒のめば』。この時期ザ・ドリフターズの一連の楽曲を手がけていたなかにし礼・川口真のコンビが提供した楽曲。曲の合間にコント部分もあるものの、「戦友と酒を飲む」といったような一節もあり(クレージーのメンバーに兵役経験者はいない)、全体としてはペーソスの要素が優った仕上がりになっている。 番組や楽曲のヒットを受け、松竹で映画化された喜劇映画シリーズ。全5作が製作され、全作品のタイトルに「為五郎」と入っている。ハナ肇主演。 公開年タイトル監督主人公主な出演者併映作品
映画
シリーズ一覧
1970アッと驚く為五郎瀬川昌治大岩為五郎梓みちよ・ミヤコ蝶々新・男はつらいよ
1970なにがなんでも為五郎野村芳太郎坂東為五郎光本幸子・谷啓男はつらいよ 望郷篇
1971やるぞみておれ為五郎野村芳太郎坂東為五郎財津一郎・緑魔子男はつらいよ 純情篇
1971花も実もある為五郎野村芳太郎坂東為五郎林美智子・藤田まこと男はつらいよ 奮闘篇
1972生まれかわった為五郎森崎東坂東為五郎三木のり平・桜井センリびっくり武士道
表
話
編
歴
野村芳太郎監督作品
1950年代
鳩
次男坊
愚弟賢兄
きんぴら先生とお嬢さん
鞍馬天狗 青面夜叉
青春三羽鳥
慶安水滸伝
伊豆の踊子
青春ロマンスシート 青草に坐す
びっくり五十三次
大学は出たけれど
おとこ大学 新婚教室
亡命記
東京-香港 蜜月旅行
花嫁はどこにいる
太陽は日々新たなり
角帽三羽烏
旅がらす伊太郎
次男坊故郷へ行く
花嫁募集中
ここは静かなり
踊る摩天楼
伴淳・森繁の糞尿譚
花嫁のおのろけ
張込み
月給13,000円
モダン道中 その恋待ったなし
どんと行こうぜ
1960年代
銀座のお兄ちゃん挑戦す
黄色いさくらんぼ
鑑賞用男性
最後の切札
ゼロの焦点
恋の画集
背徳のメス
春の山脈
左ききの狙撃者 東京湾
あの橋の畔で