やおい
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この項目では、俗称について説明しています。苗字が矢追(やおい)の人物については「「矢追」で始まるページの一覧」をご覧ください。
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この項目には性的な表現や記述が含まれます。免責事項もお読みください。

やおいとは、男性同性愛ゲイ)を題材にした女性向けの漫画小説などの俗称。この意味では、やおいより「ボーイズラブ (Boys' Love, BL)」が近年よく使われる。また、それらを愛好する人[1] や、作中での同性愛的な関係・あるいはそういったものが好まれる現象の総体をやおいということもある[2]

男性同性愛を扱った女性向け作品の中で、パロディ作品をやおいと呼び、オリジナル作品と区別することもある。[3] 元々は、単に「物語性に乏しい漫画や小説などの創作物」を指す言葉だった。

また、恋愛関係・性関係にない二者間において、男女の区別なく友情以上の特別なものを感じさせる関係性を指すこともある[4]。使用する人によって、時代や場所によって意味合いに揺れがあるため、明快な定義づけは困難である。
概要

マンガ同人誌の世界から広まった言葉である[5]。やおいという言葉は次のような意味で用いられる。
物語性に乏しい漫画や小説などの創作物(初期の用法、後述の#やおいという言葉の誕生の節を参照)

商業作品・同人作品を問わず、男性キャラクター同士の絡みやそれを匂わすシーンを含む女性向けの創作物の総称

2の中でも主に既存の物語(漫画・アニメなど)の男性キャラクターを使用してその同性愛関係を描いたアニパロ(アニメのパロディ)などの二次創作作品(#パロディやおいの節を参照)

セックスをしていない、恋愛関係にない二者において、友情以上の特別なものを感じさせる関係性。なお、男性同士に限られず、女性同士、異性同士にも使われ、性別ではなく人間関係の在り方がポイントになっている。[4]

本記事では主に2または3の意味でのやおいについて解説している。

もともと「やおい」に1以外の意味はなく、男性同性愛をテーマにしたアニパロ等を指すことはなかった。「不条理ギャグや、日常系のダラダラとしたギャグ要素のある仲良し物語」を指しており[6]、アニパロとは長い間別物と考えられていた[7]

やおいは徐々に、男性キャラクター同士の絡みやそれを匂わすシーンを含む作品を指す言葉として、一部の同人誌を中心に一般化していった[3]。やおいという名称が登場するまでは、男性同士の性関係を描いたものは「美少年もの」・「ホモマンガ」「お耽美」・「薔薇もの」などの呼び方がされており[8]、やおいと言う言葉が普及してからは、広義のやおいに含まれるようになった[9]。ただし、3の意味でやおいという場合は、前述のオリジナルという意味でのボーイズラブとは明確に区別される[10]福岡女学院大学の吉田栞・文屋敬は、やおい同様に男性同士の恋愛を扱っているジャンルとして「少年愛」「JUNE」「耽美」「ボーイズラブ(BL)」といった作品群があるが、厳密にいうと両者は違うものだと指摘している[3]。やおいは「原作の物語で展開された男性キャラクターの関係を独自の視点から読み替え、ここに後から自身の願望を入れ込むことによって新たな物語を紡いでいくというパロディ作品」であり、一方「少年愛」「JUNE」「耽美」「BL」といった作品群は「初めから女性の願望を入れ込んだ形で意図的に物語を成立させているオリジナル作品」であり、異なるものであるという[3]。やおい・BLジャンルの読者にも、商業オリジナル作品は読むがやおい系同人誌は読まないという人がいる一方、逆にやおい系同人誌は読んでも商業オリジナル作品は読まないという人もいる[9]。渡辺由美子は、商業誌か同人誌かといったことだけではなく、「女性の願望が物語の成立に関与しているかどうか」をやおいとそれ以外の重要な相違としている[3]。近年では、男性の同性愛を主題とした女性向けの創作物のうち特に(二次創作でない)オリジナルの商業作品についてはボーイズラブ(BL)という呼称が使われることが多いが[9][11]、単にやおいという言葉の代替としてボーイズラブという言葉が使われることもある[12][13]。2000年代最初の10年ほどの間で、やおい・BLジャンルの総称はやおいからBLに移行し、日本国内で「やおい」という言い方はあまり使われなくなってきている[5][14]。また性的描写が主体となっているかどうかでやおいとボーイズラブを区別する例もみられた[15]。2の広義のやおいを片仮名表記の「ヤオイ」、3の二次創作を指す狭義のやおいを「やおい」と平仮名表記する使い分け[16] や、3の用法を片仮名表記して男性のオタクとの区別を意識した女性のオタクを平仮名表記するという使い分け[17] も見られる。

やおい(2、3の意味)・ボーイズラブ愛好者の大半を女性が占めており[18]、愛好者の女性は腐女子(ふじょし)と呼ばれている。以前はヤオラーとも呼ばれた。腐男子(ふだんし)・腐兄(ふけい)と呼ばれる、全体からみれば極めて少数派の男性の愛好者も存在するが、大多数の男性からはおおむね嫌悪されている[19]という意見もある。これらは愛好者の自虐的な呼称としても使われることもあった[20]

4の意味は、漫画家で長期にわたって同人活動もしていたよしながふみが、同人誌業界でよく聞く使い方であると述べており、作家の三浦しをんも同じ意味で使うと述べている[4]。最後まで平行線を保ちながらたまに交わる関係性であり、最初反発しあっているがだんだん好きになるという関係は含まれないという[4]。よしながと三浦は、やおいの本質は「孤独と連帯」で、男性同士なら何でもやおいというわけではないと述べている[4]。またよしながは、こういった関係性のキャラの間柄を妄想して二次創作でセックスさせることもやおいと言うから、世間はやおいと言うものを混同してしまっているが、性愛を含む関係性はやおいではないとしている[4]

801と表記されることもある[注 1]
歴史
やおいという言葉の誕生

坂田靖子の主宰する漫画同人会ラヴリに、会員の磨留美樹子の描いた『夜追い』(夜追)という漫画があり[5]波津彬子は、意味はよくわからないが独特の色気がある作品と評している)、真面目に付けられたタイトルだが、作者自身が後に「ヤマもオチも意味もない」とタイトルに当てはめていって言っていたという[21]。当時は同人誌の参加者はたいてい漫画家を目指しており、漫画を雑誌に投稿すると編集担当者から「ヤマがない」「オチがない」などとと批評されており[21]、編集者はストーリー構成に厳しく、書き手には山・落ち・意味をきちんと備えたものを書かなければならないという強迫観念があったといわれる[22]。こういった状況を背景に、ラヴリの仲間内でシャレとして「ヤマもオチも意味もない」という意味で「やおい」という言葉が流行った[21]。その後、ラブリのメンバーの波津彬子が他のメンバーらに声をかけ、1979年12月20日に波津彬子責任編集の同人誌『らっぽり』「やおい特集号」が発行されたが[21][注 2]、波津は『夜追い』の不思議な魅力を追求し、定義づけしようという意図で作ったと述べている[21]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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