もんじゅ訴訟
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もんじゅ訴訟(もんじゅそしょう)とは、福井県敦賀市にある高速増殖炉もんじゅの周辺住民が内閣総理大臣がおこなった核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律23条に基づき原子炉設置許可処分の無効確認を求めた訴訟である。本件においては、原子炉設置許可処分にたいする原告適格の問題や無効確認訴訟で求められる無効事由に明白性を要するかという点やもんじゅの安全性などについて争われた。いずれの訴訟も、建設・運転の差止めを求めた周辺住民側が敗訴した。
訴訟の経緯

1980年12月10日-動力炉・核燃料開発事業団が内閣総理大臣にもんじゅの原子炉設置許可の申請を行う。

1983年5月27日-内閣総理大臣がもんじゅの原子炉設置許可処分をだす。

1985年9月26日-周辺住民が福井地方裁判所に本件訴訟を提起するとともに、動力炉・核燃料開発事業団を被告として, 本件原子炉の建設・運転の差止めを求める訴えを併合提起した。

1987年12月25日-福井地方裁判所は、原告全員の原告適格を否定して訴えを却下。

1989年7月19日-名古屋高等裁判所金沢支部が、本件原子炉施設から半径20キロメートル以内に居住する原告らについては原告適格を認め、福井地方裁判所に差し戻したが、その余の原告の原告の適格を認め、控訴棄却。この判決に対し、原告、被告双方が上告する。

1992年9月22日-最高裁判所第三小法廷が、全員の原告適格を認め、第1審の福井地方裁判所に差し戻すとともに、被告の上告を棄却したことにより、審理が第1審に差し戻される。

2000年3月22日-福井地方裁判所が、原子炉設置許可処分に対し違法な点はないとして、原告の請求を棄却。

2003年1月27日-名古屋高等裁判所金沢支部が、本件原子炉設置許可処分に違法な点があるとして、もんじゅの設置許可処分が無効であることを確認する判決を出す。

2005年5月30日-最高裁判所第一小法廷は、経済産業大臣の上告受理申立てを受けて、本件原子炉設置許可処分に違法な点はないとして、第二次控訴審判決を破棄し、控訴を棄却することにより、原告の請求を認めなかった第一審判決により、最終的に原告の請求が棄却されることにより確定。

最高裁で争われた争点

原子炉設置許可処分について、周辺住民が無効を確認する訴えを提起することができるか(原告適格)(争点1)。

人格権に基づき原子炉の建設や運転の差し止めを求める民事訴訟が提起できるのに、改めて原子炉設置許可処分についての処分の効力を争う行政訴訟を提起することができるのか。(争点2)

もんじゅの原子炉設置許可処分の審査について違法な点はなかったか。(争点3)

「2次冷却材
漏えい事故」に係る安全審査について問題がなかったか。(争点3-1)

蒸気発生器伝熱管破損事故」に係る安全審査について問題がなかったか。(争点3-2)

「1次冷却材流量減少時反応度抑制機能喪失事象」に係る安全審査について問題がなかったか。(争点3-3)


もんじゅ第一次上告審判決

最高裁判所判例
事件名原子炉設置許可処分無効確認等請求事件
事件番号平成元年(行ツ)第130号、第131号
1992年(平成4年)9月22日
判例集民集46巻6号571頁、1090頁
裁判要旨

一 設置許可申請に係る原子炉の周辺に居住し、原子炉事故等がもたらす災害により生命、身体等に直接的かつ重大な被害を受けることが想定される範囲の住民は、原子炉設置許可処分の無効確認を求めるにつき、行政事件訴訟法三六条にいう「法律上の利益を有する者」に該当する。
二 設置許可申請に係る電気出力二八万キロワットの原子炉(高速増殖炉)から約二九キロメートルないし約五八キロメートルの範囲内の地域に居住している住民は、右原子炉の設置許可処分の無効確認を求めるにつき、行政事件訴訟法三六条にいう「法律上の利益を有する者」に該当する。
第三小法廷
裁判長貞家克己
陪席裁判官坂上寿夫 園部逸夫 佐藤庄市郎 可部恒雄
意見
多数意見全員一致
意見なし
反対意見なし
参照法条
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(平11法160号改正前)23条、24条1項、行政事件訴訟法36条、3条4項
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原告適格について(争点1)

行政事件訴訟法9条は、取消訴訟の原告適格について規定するが、同条にいう当該処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」とは、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうのであり、当該処分を定めた行政法規が、不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず、それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解される場合には、かかる利益も右にいう法律上保護された利益に当たり、当該処分によりこれを侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者は、当該処分の取消訴訟における原告適格を有するものというべきである。そして、当該行政法規が、不特定多数者の具体的利益をそれが帰属する個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含むか否かは、当該行政法規の趣旨・目的、当該行政法規が当該処分を通して保護しようとしている利益の内容・性質等を考慮して判断すべきである。

 行政事件訴訟法36条は、無効等確認の訴えの原告適格について規定するが、同条にいう当該処分の無効等の確認を求めるにつき「法律上の利益を有する者」の意義についても、右の取消訴訟の原告適格の場合と同義に解するのが相当である。

原子炉設置許可の基準として、右の3号(技術的能力に係る部分に限る。)及び4号が設けられた趣旨は、原子炉が、原子核分裂の過程において高エネルギーを放出するウラン等の核燃料物質を燃料として使用する装置であり、その稼働により、内部に多量の人体に有害な放射性物質を発生させるものであって、原子炉を設置しようとする者が原子炉の設置、運転につき所定の技術的能力を欠くとき、又は原子炉施設の安全性が確保されないときは、当該原子炉施設の従業員やその周辺住民等の生命、身体に重大な危害を及ぼし、周辺の環境を放射能によって汚染するなど、深刻な災害を引き起こすおそれがあることにかんがみ、右災害が万が一にも起こらないようにするため、原子炉設置許可の段階で、原子炉を設置しようとする者の右技術的能力の有無及び申請に係る原子炉施設の位置、構造及び設備の安全性につき十分な審査をし、右の者において所定の技術的能力があり、かつ、原子炉施設の位置、構造及び設備が右災害の防止上支障がないものであると認められる場合でない限り、主務大臣は原子炉設置許可処分をしてはならないとした点にある。そして、同法24条1項3号所定の技術的能力の有無及び4号所定の安全性に関する各審査に過誤、欠落があった場合には重大な原子炉事故が起こる可能性があり、事故が起こったときは、原子炉施設に近い住民ほど被害を受ける蓋然性が高く、しかも、その被害の程度はより直接的かつ重大なものとなるのであって、特に、原子炉施設の近くに居住する者はその生命、身体等に直接的かつ重大な被害を受けるものと想定されるのであり、右各号は、このような原子炉の事故等がもたらす災害による被害の性質を考慮した上で、右技術的能力及び安全性に関する基準を定めているものと解される。右の3号(技術的能力に係る部分に限る。)及び4号の設けられた趣旨、右各号が考慮している被害の性質等にかんがみると、右各号は、単に公衆の生命、身体の安全、環境上の利益を一般的公益として保護しようとするにとどまらず、原子炉施設周辺に居住し、右事故等がもたらす災害により直接的かつ重大な被害を受けることが想定される範囲の住民の生命、身体の安全等を個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含むと解するのが相当である。

 そして、当該住民の居住する地域が、前記の原子炉事故等による災害により直接的かつ重大な被害を受けるものと想定される地域であるか否かについては、当該原子炉の種類、構造、規模等の当該原子炉に関する具体的な諸条件を考慮に入れた上で、当該住民の居住する地域と原子炉の位置との距離関係を中心として、社会通念に照らし、合理的に判断すべきものである。

そのうえ、最高裁は原子炉の規模性質等に照らして、もんじゅから58キロメートル離れている住民まで原告適格を認めた。
無効確認訴訟の訴えの利益(争点2)

行政事件訴訟法36条によれば、処分の無効確認の訴えは、当該処分に続く処分により損害を受けるおそれのある者その他当該処分の無効確認を求めるにつき法律上の利益を有する者で、当該処分の効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができないものに限り、提起することができると定められている。処分の無効確認訴訟を提起し得るための要件の一つである、右の当該処分の効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができない場合とは、当該処分に基づいて生ずる法律関係に関し、処分の無効を前提とする当事者訴訟又は民事訴訟によっては、その処分のため被っている不利益を排除することができない場合はもとより、当該処分に起因する紛争を解決するための争訟形態として、当該処分の無効を前提とする当事者訴訟又は民事訴訟との比較において、当該処分の無効確認を求める訴えのほうがより直截的で適切な争訟形態であるとみるべき場合をも意味するものと解するのが相当である。

本件についてこれをみるのに、被上告人ら(原告ら)は本件原子炉施設の設置者である動力炉・核燃料開発事業団に対し、人格権等に基づき本件原子炉の建設ないし運転の差止めを求める民事訴訟を提起しているが、右民事訴訟は、行政事件訴訟法36六条にいう当該処分の効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えに該当するものとみることはできず、また、本件無効確認訴訟と比較して、本件設置許可処分に起因する本件紛争を解決するための争訟形態としてより直截的で適切なものであるともいえないから、被上告人らにおいて右民事訴訟の提起が可能であって現にこれを提起していることは、本件無効確認訴訟が同条所定の前記要件を欠くことの根拠とはなり得ない。


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