まんが_水戸黄門
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まんが 水戸黄門
アニメ
監督岡迫和之、
新田義方(チーフディレクター)
シリーズ構成伊東恒久(脚本構成)
脚本伊東恒久、荒木芳久、水野均、吉田進、
吉田喜昭、藤まさとし、市川靖 他
キャラクターデザイン森下圭介(キャラクター設定)
音楽羽田健太郎
アニメーション制作ナック(現:ICHI
製作テレビ東京(第5話以降)
ナック(現:ICHI)
放送局東京12チャンネル→テレビ東京他
放送期間1981年9月3日 - 1982年7月15日
話数全46話
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータルアニメ

『まんが 水戸黄門』(まんが みとこうもん)は、1981年9月3日から1982年7月15日までテレビ東京(放送開始当初は東京12チャンネル)にて放送された、ナック(現:ICHI)製作のテレビアニメ。全46話。
解説
制作面

タイトルの通り、時代劇『水戸黄門』のテレビ漫画=アニメ版である。内容も一般的な『水戸黄門』の形式を踏襲しており、ほぼ毎回「旅先で悪徳役人や悪代官、盗賊が民衆を困らせようと悪事を働く→黄門一行が懲らしめる」という、多くの水戸黄門作品と同様のストーリー展開だった。それまで多く製作された各種映画・ドラマ版とは直接の関連はないが、ストーリーの様式や徳川家紋入りの印籠を見せて平伏させるなど、パナソニック ドラマシアター(旧ナショナル劇場)版の水戸黄門からの強い影響が見られる。

一方で、随所にヒロイックアニメ的な演出が盛り込まれている。アップテンポの主題歌や、「流星十文字斬り」や「葵三ツ葉返し」などの必殺技を持つ助さんと「力だすき」というアイテムで百人力になる格さん、そして印籠を出すシーンの派手な演出などにそれが見られる。その他、「実写で出来ない事をする」というコンセプトの元、人語を話す犬の鈍兵衛を登場させるなどの自由な発想も組み込まれている[1]。時には時代考証をせず登場人物に横文字を使わせ、いずれも変装や幻覚による偽物ながら妖怪などを懲らしめる回も見られた。また、悪を懲らしめてハッピーエンドという基本の形式のみならず、第29話のように悲劇的な結末を迎えるエピソードも存在する。

黄門様が印籠の葵の御紋のアップをバックに立ち、助さんと格さんの口上が流れるシーンなどで流れるBGMは、『宇宙戦士バルディオス』と同じモチーフである[要出典]。

脚本構成の伊東恒久は「『水戸黄門』というと、大人のもの(年齢層高めの視聴者中心)。アニメならではのリアリティを出すため、この企画はまずそのイメージを崩すところから始まった」と話している[2]

放送開始当初は、キー局の東京12チャンネルが現社名に変更する直前だったことなど諸々の事情で「製作・ナック」とクレジットされていたが、社名変更した1981年10月以降は「製作・テレビ東京、ナック」とクレジットが変更されている。
放映状況・視聴手段

当時テレビ東京系の放送局があったのは関東・大阪(1982年3月、テレビ大阪が開局)のみで、それ以外の地域では系列外の局で放送された。サンテレビ兵庫県域)や北海道テレビの他、長崎放送テレビ熊本でも放送されていた。その後、サンテレビや北海道テレビでは編成の都合上、1982年春に放送を打ち切った模様。サンテレビの場合はテレビ大阪が本放送を開始したことも、打ち切りの理由とされる。

東海地方では放送当時テレビ愛知開局前(1983年9月開局)で、他の在名局での放送も行われず、テレビ愛知開局後にマンガのくに枠で放送されていた。

視聴率6%を超えれば成功と言われた当時、シリーズを通して10%前後を維持する人気を有していた[1]イタリアへの輸出も行われており、『L'invincibile Shogun(無敵の将軍)』というタイトルで放送された。

権利切れ後に一部の地方局、ケーブルテレビ局、スカパーのアニメ専門チャンネルAT-Xにて全話再放送がされるも、全話を収録した映像ソフトも発売されていなかったため、長い間「幻のテレビアニメ」という扱いをされていた不遇な作品だった。

その後、2004年フジテレビの番組『トリビアの泉 ?素晴らしきムダ知識?』にて「水戸黄門」のアニメがある[1]として取り上げられた。2006年10月22日からは時代劇専門チャンネルにて全46話の放送が開始(同チャンネルでは2022年9月15日からも全46話を放送[3])。2008年10月12日テレビ朝日の番組『大胆MAP』でも紹介され、出演者やスタジオの観客を驚かせた。

村西とおるが代表を務める「ニューシネマジャパン」というアダルトビデオを中心に製作しているメーカーから子供向け廉価DVD“アニメの王国”シリーズの一環として、第1・第2話収録の第1巻と第3・第4話収録の第2巻が発売された。しかし、権利元に無断で発売していた海賊版だったために問題になり、回収騒ぎになっている。このためAmazonでは購入できないほか、会社公式サイト上にもこの作品に関する情報は一切掲載されていない。

TV番組で紹介されたことで人気に火が付き、ラインコミュニケーションズより全話収録のDVD‐BOXが全3BOXにて発売された。DVD発売に伴い、TSUTAYAなどのレンタル店ではDVDレンタルされている。オリジナルフィルムは保存状態が悪く使用不可能なために、一部の話数を権利元が初回放送で録画した、シブサン(四分の三インチ)と呼ばれるU規格ビデオテープからDVD化している。その結果、エンドタイトルなどの部分も収録されている。現在の再放送も、シブサンテープからデジタルベーカムに変換して使用しているため、著しく画質が悪かったり、一部BGMが重なって聴こえる箇所などがある。

2021年4月30日、放送40周年を記念して、TCエンタテインメントから初のBlu-ray化が実現した。オリジナルネガフィルムを修復し、HDネガテレシネによりHDリマスターを作成してBlu-ray化。映像特典として「まんが水戸黄門・パイロット版」、「日本の民話・パイロット版(笠地蔵、一寸法師)」を収録[4]
登場人物

水戸黄門、助三郎、格之進以外はアニメオリジナルキャラである。回によって-八兵衛弥七と言ったゲストキャラが登場する事はあるが、名前が同じだけでドラマ版の登場人物との関連性は無い。
水戸黄門 / 黄門様
- 杉田俊也キャラクターの設定は、時代劇のものを踏襲している。普段は好々爺だが、一度事件に巻き込まれればその頭脳で真相を導き出し、悪党に裁きを下す。悪党に利用されたり、やむを得ない理由でも過ちを犯した者は叱責し、正しい道を歩むように促す(但し、番組後期には盗みを働いた親子や盗賊団に加担していた少女を特に咎めないシーンも見受けられる)。殺陣シーンでは、格さんに「力だすき」を投げる役目もし、稀に自ら戦う事もある。助さんや格さんのような派手なアクションシーンが殆ど無い為、表情で存在感を出さなければならないキャラであった[1]
助三郎 / 助さん
声 - 鈴置洋孝剣術の達人。超人的な身のこなしで、隠密に近い役割も果たす。「七ツ星一刀流」と言う流派の使い手であり、「流星十文字斬り」「葵三ツ葉返し」 「葵真空斬り」と言った必殺技を持つ。格さんや捨丸をからかったりなどの茶目っ気もあるが基本的に真面目な性格で、ドラマ版のような女好きな一面は見られない。本作では印籠を出すのは助さんの役割である。
格之進 / 格さん
声 - 池田勝怪力の大男。普段でも十人力を誇るが、黄門様から受け取った「力だすき」を身につけることで百人力となり、大木を引き抜いて振り回したり、山の向こうへ相手を投げ飛ばしたりするほどの怪力を発揮する。しかし「力だすき」が無いと空腹で力が出せなかったり敵の罠に嵌められたりなど、今一つ活躍出来ないシーンもしばしば見られる。刀も使えない訳ではないが、基本的に素手で戦う。豪胆で義理人情溢れる好漢だが、短気な一面もあり[5]、生真面目で堅物だったドラマ版とは性格が大きく異なっている。また、食いしん坊で女性に弱いなど、うっかり八兵衛の要素も兼ね備えている。
捨丸
声 - 松岡洋子忍者の少年。名前の通り孤児であり、盗みで生計を立てていたが、格さんのおにぎりを盗んだ事で黄門様一行と関わりを持つ。盗みについては黄門様に叱られるも、その行動が結果的に悪党の悪事を暴いた事で不問とされ、もう盗みはしない事を誓ってお供としてついて来る。しかし以降も事件に巻き込まれるトラブルメーカー的な役割が多いため、格之進と同様にうっかり八兵衛に近い立場の存在である。捨丸中心の展開や捨丸と鈍兵衛の視点で進むシーンも少なくなく、捨丸が旅先の子供と知り合った事が切っ掛けで一行が関わる事件が多い。


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