まぼろしの市街戦
Le Roi de C?ur
監督フィリップ・ド・ブロカ
脚本ダニエル・ブーランジェ
フィリップ・ド・ブロカ
原案モーリス・ベッシー
『まぼろしの市街戦』(まぼろしのしがいせん、Le Roi de C?ur)は、1966年のフランス映画。英題は『King of Hearts』(ハートのキング)。 第一次世界大戦末期、1918年10月。イギリス軍に追撃され敗走していたドイツ軍は、占領地である北フランスの小さな田舎町から撤退する際に、やって来るイギリス軍を全滅させて再占領するため、村のある場所に大型の時限爆弾を仕掛けて去っていった。町の人々も逃亡し、町はもぬけのからになる。取り残されたのは精神病院の患者たちと、サーカス団の動物たちだけであった。 町の諜報員の連絡を受けた大佐は、たまたまフランス語が出来るというだけの理由で通信兵(伝書鳩の飼育係)のプランピック二等兵に、単身町へ向かい、爆弾の時限装置の解除をするよう命じる。町に潜入したプランピックは、残留していたドイツ兵と鉢合わせになってしまい、たまたま開門していた精神病院に逃げ込む。そこでは、老若男女の患者たちが戦争をよそに、楽しげにトランプ遊びをしていた。彼らに名前を聞かれたプランピックは適当に「ハートのキング」と自称したことから、患者たちの「王」として迎え入れられる。 ドイツ兵が去ったあと、彼らは町中に繰り出し、司教、軍人、貴族、美容師、娼館のマダムなど、思い思いの役を演じる。プランピックはひとときの祭りのような、リアリティのない奇妙な日常生活に取り込まれていき、徐々に彼らに親しみを覚え始める。そんな中、プランピックの「戴冠式」が取り行われ、彼は美しい少女・コクリコを「王妃」として迎え入れる。 爆弾のありかがわからないまま数時間経ち、焦りを感じ始めたプランピックは、患者たちを救うために演説をぶって、町の外へ連れ出そうとするが、彼らは町の城壁で立ち往生し、それ以上は一歩も動かなかった。患者たちは口々に「町の外には怖いものがたくさんあるから」と告げる。プランピックは彼らを見捨てられず、また町へ戻る。 かつて諜報員が知らせてきた爆発予定時刻の午前0時を迎えようとしていた。プランピックは爆弾探しをあきらめ、コクリコと最期のひとときを楽しむことに決めた。だがコクリコが町のシンボルである時計台のからくりの存在を教えたことで、プランピックの直感が働いた。その時計台は機械仕掛けの騎士人形が数時間に1回鐘を打つ仕掛けで、時限爆弾の起爆装置はその鐘に仕掛けられていた。プランピックは人形の振る打棒と鐘の間に入り背を打たれることで爆発を防ぎ、辛くも装置の解除に成功する。患者たちは「ハートのキング」の勇敢さをほめたたえる。 そこへ、爆発の回避を確認した大佐たちイギリス軍の偵察隊が到着する。患者たちの大歓迎を受け、彼らは町の解放および、プランピックとコクリコの「結婚」を祝う花火の代わりに、空に大砲を打ち上げる。それを遠くから見たドイツ軍の部隊は爆発が成功したと勘違いし、進軍を開始する。 翌朝、プランピックはイギリス軍に戻ろうとするが、患者たちに引き止められ、教会の見晴らし台に縛り付けられる。それに気づかずに退去しようとしたイギリス軍は、ドイツ軍と町の広場で鉢合わせし、白兵戦となった結果、双方とも全滅してしまう。それを見晴らし台から眺めていた患者たちは、あまりの狂気の沙汰に言葉を失う。 避難していた町の人々がフランス軍に連れられて戻って来始めていた。患者たちは「芝居は終わった」と告げ、それぞれの扮装を解いて病院に戻った。解放されたプランピックはフランス軍から勲章を受け取り、イギリス軍の別の進駐部隊に赴任する。彼は次の任務に向かう車上で、遠ざかっていく町を哀しげに見つめたのち、部隊を離れ町へと駆け戻る。靴も軍服も脱ぎ捨てて、素っ裸になり病院の門を叩く。「患者」のひとりとなったプランピックは、再び「仲間たち」とともにトランプ遊びに興じるのだった。 役名俳優日本語吹替[5]
あらすじ
キャスト
NETテレビ版
チャールズ・プランピック二等兵 /
ハートのキングアラン・ベイツ富山敬
ゼラニウム将軍
(患者)ピエール・ブラッスール雨森雅司
トレフル公爵
(患者)ジャン=クロード・ブリアリ広川太一郎
コクリコ
(患者→「王妃」)ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド信沢三恵子
アレクサンダー・マクビベンブルック大佐
(イギリス軍)アドルフォ・チェリ大平透
公爵夫人
(患者)フランソワーズ・クリストフ
マルグリット大司教
(患者)ジュリアン・ギオマール(フランス語版)上田敏也
エグランティーヌ夫人