まほろ駅前番外地
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まほろ駅前多田便利軒
著者
三浦しをん
イラスト下村富美
発行日2006年3月25日
発行元文藝春秋
日本
言語日本語
形態四六判仮フランス装
ページ数336
次作まほろ駅前番外地
公式サイト ⇒http://www.bunshun.co.jp/mahoro/
コードISBN 978-4-16-324670-3

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『まほろ駅前多田便利軒』(まほろえきまえただべんりけん)は、三浦しをんによる日本小説。第135回直木三十五賞受賞作品。文藝春秋より出版されている。また、それを原作とした漫画・映画・テレビドラマも作られている。

本項では、続編『まほろ駅前番外地』(まほろえきまえばんがいち)、『まほろ駅前狂騒曲』(まほろえきまえきょうそうきょく)についても扱う。
概要

便利屋を営む男性と、その友人の1年間を描いた作品。

別冊文藝春秋』(文藝春秋)第255号から第260号にかけて連載され、2006年3月に単行本として出版された。原作のイラストは下村富美。2009年1月に文春文庫として出版された。

『別冊文藝春秋』第274号から第280号にかけて、連作短編「まほろ駅前番外地」が掲載され、2009年10月に単行本として出版された。

週刊文春』2010年10月28日号から2011年9月15日号にかけて、続編となる「まほろ駅前狂騒曲」が掲載、2013年10月に単行本として出版された。イラストは下村富美。

山田ユギが作画を担当する漫画版が『ピアニッシモ』(ポプラ社)にて2008年1月発売のVol.1から連載され[1]、同誌の休刊により中断した後、『MELODY』(白泉社)に掲載誌を移し、2010年2月号から[2]2016年12月号まで連載された。コミックスは同社の『花とゆめコミックススペシャル』レーベルより4巻で完結(1巻は『ピアニッシモ』での連載分)。

本作は瑛太松田龍平主演で映像化されシリーズ作品となっている。第1作『まほろ駅前多田便利軒』は2011年に映画化され、続編『まほろ駅前番外地』は2013年1月からテレビ東京系「ドラマ24」において同キャストでテレビドラマ化された。2014年10月には、シリーズ第3作の『まほろ駅前狂騒曲』が映画化された[3]
あらすじ

まほろ市の駅前に位置する便利屋、「多田便利軒」。その経営者である多田啓介、そして彼の元へ転がり込んできた行天春彦。二人の下へ舞い込んでくる、どこか奇妙で、きな臭い依頼に係わっていくうちに、さまざまな人間模様が見えていく。痛快便利屋物語。
舞台設定

物語の舞台となっている「まほろ市」は、神奈川へ張り出した東京都南西部最大の街という設定であり、著者である三浦が在住している町田市がモデルとなっている。

東京都南西部最大の住宅街であり、歓楽街であり、電気街であり、書店街であり、学生街であるがゆえに、スーパーマーケットデパート商店街映画館といった施設は軒並み揃っている。そのため、生涯を通して大凡のことがまほろ市内だけで済み、街から出て行く者が少なく、たとえ出て行ったとしても、また戻ってくる者が多い。

作中に登場する「ハコキュー」、「小山内町」と言った地名や風景の多くは、町田市内に実在する地名や建造物をモデルとしている。
登場人物
多田 啓介(ただ けいすけ)
まほろ駅前にて「多田便利軒」という名の便利屋を営んでいる三十半ばの男。十数年ぶりに再会した行天と生活を共にすることとなる。
バツイチであるほか、結婚していた当時、生まれたばかりの息子を亡くしている。
行天 春彦(ぎょうてん はるひこ)
多田の中学校時代の同級生。十数年ぶりに多田と再会し、彼の下で生活を共にすることとなる。中学在学中に右手の小指を切断した過去がある。ある経緯によって小さい子供が大嫌い(由良は例外)で、『狂騒曲』にてその理由が明らかになる。多田と同じく、バツイチ。
ルル / ハイシー
まほろ駅の裏通りの風俗店で働いている娼婦たち。
田村 由良(たむら ゆら)
多田が、学習塾への送り迎えの依頼された小学4年生の男児。年齢の割りになかなかの食わせ物。家庭は両親とも共働きであり、本人曰く自分には興味ないと述べている。
三峯 凪子(みつみね なぎこ)
行天の元妻である医者。「はる」と言う名の娘がいる。同性愛者。『狂騒曲』では様々な理由により、本来行天の子供嫌いを考慮して小さい子供に関する依頼を受け付けない多田便利軒にはるを一定期間預けざるを得なくなる。
星(ほし)良一
まほろ市の裏の世界で幅を利かせている男。麻薬の密売等を行っているが、未成年。私生活では、玄米を主食に栄養バランスに気を使った食生活を心がけ、毎朝のランニングを日課とし、タバコを吸わず、酒もほとんど飲まないなど、健康志向の生活を送っている。潔癖症で凝り性・几帳面で器用、料理上手でもあり、交際相手の新村清美の為に作ったサンドイッチを、紆余曲折の末、食べた行天は「あんた、料理うまい。キュウリの塩加減が絶妙」と絶賛している。まほろ市に暮らしている両親は、星の`本業`を知らず輸入家具の会社に勤めていると思っている。父親は普通の会社員で、星が勝手に就職先を決めた事をまだ怒っているが、母親からはしばしば呼び出され食事をともにするなど関係は良好。ただ、あまりにマイペースな母親と接すると、星は疲労困憊になる。
岡(おか)
まほろ駅前から車で数十分ほどの家に住む老人。利用しているバス路線の間引き運転を疑っており、一定の季節にて多田に近所のバス停で間引き運転の証拠をつかませるなど、風変わりな依頼を行うリピーター。現在はかつて畑であった土地にアパートを建て、そこからの家賃収入により生活費には困っていない様子。
柏木亜沙子(かしわぎ あさこ)
『番外地』から登場する、まほろ市の飲食チェーン店「キッチンまほろ」の会社社長。年齢差の大きい夫を亡くしており、多田便利軒に数年前より別居した夫が生前に住んでいたアパートの遺品整理を依頼する。『狂騒曲』では多田は「キッチンまほろ」のリピーターとして通っていたが、様々な経緯により次第に互いに惹かれあっていく。
書籍

まほろ駅前多田便利軒

単行本:2006年3月、文藝春秋、
ISBN 978-4-16-324670-3

文庫:2009年1月、文春文庫、ISBN 978-4-16-776101-1

「〇 曽根田のばあちゃん、予言する」(『別册文藝春秋』第255号)

「一 多田便利軒、繁盛中」(『別册文藝春秋』第255号)

「二 行天には、謎がある」(『別册文藝春秋』第256号)

「三 働く車は、満身創痍」(『別册文藝春秋』第257号)

「四 走れ、便利屋」(『別册文藝春秋』第258号)

「四・五 曽根田のばあちゃん、再び予言する」(『別册文藝春秋』第259号)

「五 事実は、ひとつ」(『別册文藝春秋』第259号)

「六 あのバス停で、また会おう」(『別册文藝春秋』第260号)

まほろ駅前番外地

単行本:2009年10月、文藝春秋、ISBN 978-4-16-328600-6

文庫:2012年10月、文春文庫、ISBN 978-4-16-776102-8

「光る石」(『別册文藝春秋』第274号)

「星良一の優雅な日常」(『別册文藝春秋』第275号)

「思い出の銀幕」(『別册文藝春秋』第276号)

「岡夫人は観察する」(『別册文藝春秋』第277号)

「由良公は運が悪い」(『別册文藝春秋』第278号)

「逃げる男」(『別册文藝春秋』第279号)

「なごりの月」(『別册文藝春秋』第280号)

まほろ駅前狂騒曲

単行本:2013年10月、文藝春秋、ISBN 978-4-16-382580-9

文庫:2017年9月、文春文庫、ISBN 978-4-16-790918-5

シリーズ初の長編作品。

文庫版のみ「サンタとトナカイはいい相棒」(『ダ・ヴィンチ』2013年2月号)併録。

単行本未収録短編

「まほろに撮影隊がやってきた」(2011年11月 Blu-ray&DVD『まほろ駅前多田便利軒 プレミアム・エディション』に封入)

「サンタとトナカイはいい相棒」(『ダ・ヴィンチ』2013年2月号)まほろ駅前狂騒曲文庫本

「多田便利軒、探偵業に挑戦する」(『サイドストーリーズ』2015年3月 角川文庫)

漫画版

山田ユギ三浦しをん(原作) 『まほろ駅前多田便利軒』 白泉社〈花とゆめコミックススペシャル〉、全4巻
2009年12月18日発売、ISBN 978-4-592-19831-4

2011年3月4日発売、ISBN 978-4-592-19832-1

2014年10月3日発売、ISBN 978-4-592-19833-8

2017年2月3日発売、ISBN 978-4-592-19834-5


映画 まほろ駅前多田便利軒

まほろ駅前多田便利軒
監督
大森立嗣


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