まおゆう魔王勇者
ジャンル異世界ファンタジー[1]、経済[1]、群像劇[2]
小説
著者橙乃ままれ
イラスト水玉螢之丞
(キャラクター原案、本文イラスト)
toi8(カバー・本文イラスト)
出版社エンターブレイン
刊行期間2010年12月29日 - 2012年12月22日
巻数全8巻(本編5巻+外伝3巻)
漫画
漫画:まおゆう魔王勇者
「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」
原作・原案など橙乃ままれ
作画石田あきら
出版社角川書店
掲載誌月刊コンプエース
レーベル角川コミックスエース
発表号2011年6月号 - 2016年6月号
発表期間2011年4月26日 - 2016年4月26日
巻数全18巻
漫画:まおゆう魔王勇者 -丘の向こうへ-
原作・原案など橙乃ままれ
作画峠比呂
出版社秋田書店
掲載誌チャンピオンRED
レーベルチャンピオンREDコミックス
発表号2011年7月号 - 2014年10月号
発表期間2011年5月19日 - 2014年8月19日
巻数全8巻
話数全39話
漫画:まおゆう魔王勇者
原作・原案など橙乃ままれ
作画浅見よう
出版社エンターブレイン
掲載サイトファミ通コミッククリア
レーベルファミ通クリアコミックス
発表期間2011年6月24日 - 2016年11月11日
巻数全8巻
話数全61話
漫画:まおゆう4コマ 向いてませんよ、魔王様
原作・原案など橙乃ままれ
作画七積ろんち
『まおゆう魔王勇者』(まおゆうまおうゆうしゃ、Archenemy and Hero)は、橙乃ままれによる日本のファンタジー小説作品。2ちゃんねるに投稿された即興小説をほぼそのまま書籍化するという形式で、エンターブレインより2010年12月から2012年12月までシリーズ刊行が行われた。2013年1月時点で原作書籍の累計部数は60万部を[3]、関連コミカライズを含めたシリーズ累計部数は220万部をそれぞれ突破している[3][4]。
原作小説(ウェブ / 書籍)をもとにした、アニメ、漫画、ドラマCDなどメディアミックス展開がなされている。 人間と魔族が長く戦争を続けている世界……。強大な力を持つ「勇者」は、魔王を倒して人間世界を救うべく魔王の城に乗り込んだ。だが、そこで彼を待っていたのは、人間の女性そっくりの「魔王」であった。 彼女は勇者と戦おうとはせず、勇者に自分のものとなるよう契約を求めてきた。あくまで魔王と戦おうとする勇者に、魔王は冷静に人魔間の状況を語り、現在の社会秩序や経済活動が戦争に依存しており、魔王を倒しても根本的解決にならないことを説く。彼女の願いが終戦による破局でも戦争の引き伸ばしでもない、争いや飢えのない新たな可能性であること、そのために勇者の協力を求めていることを理解した勇者は、彼女の契約を受け入れる。 ふたりは「紅の学士」「白の剣士」と身分を偽り、「丘の向こう」を目指して改革に着手する。馬鈴薯の栽培にはじまり四回転式の畑の利用法、風車による灌漑など、冬の国はみるみる国力を高めていった。また、極光島奪還など、軍事面でも目覚ましい活躍を見せる。 しかし、それを快く思わない国もある。聖王国を始めとする中央諸国だ。南部諸王国をいつまでも中央の鎖につないでおきたい勢力は、紅の学士を異端であるとして処断しようとした。折悪く、紅の学士(魔王)は歴代魔王の霊を鎮めるために魔界へと赴いており、メイド姉が代理を務める。その異端告発の壇上で、メイド姉は「精霊さまがくだされた自由を手放すな」と訴える。 「自然権」「基本的人権」につながるメイド姉の言葉は「異端告発する教会にどう対処するか」を超えて「解放を求める農奴たちに、国としてどう向き合うか」に変わっていった。そして南部諸王国は農奴解放を宣言する。解放を望んで流入する元農奴たちも受け入れて、南部三国は飛躍的に強化されていった。 それに呼応するように、青年商人は各地の領主、貴族たちに小麦の先物取引を仕掛け、かつ買い煽り 順調に発展する南部三国の流れに取り残された国もある。南部の国でありながら中央に媚を売ることで力を蓄えていた白夜の国である。農奴逃亡によって国力が著しく衰えてきている現状を打破するため、中央連合軍が南部三国に侵攻するのに合わせて鉄の国に奇襲をかけるが、軍人子弟の知略の前に大敗、さらに国力をすり減らすこととなる。 女騎士の智謀と勇猛の前にほとんど戦わず軍を引いた中央連合軍だが、聖王国は魔王が作らせたマスケット銃の試作品を入手、その有用性を確認した王弟元帥は量産を開始すると同時に農奴を銃兵として訓練すべく策謀を巡らせ始める。あわせて、大主教は第三次聖鍵遠征軍を招集、魔界侵攻の準備を始めた。 その頃、歴代魔王の霊に汚染されつつあった魔王を勇者が救い、とりあえずは一安心という状態となった。その後、魔王は忽鄰塔(クリルタイ)を招集し、会議によって停戦維持を目指した。しかし戦争を望む蒼魔族の陰謀によって、あわや廃位という事態に追い込まれてしまう。 それを救ったのは、衛門族の長として名乗りを上げた「東の砦将」であった。彼は忽鄰塔に関する記述がある「典範」を調べ上げ、蒼魔族の暴走を食い止めるために大氏族会議に出席する権利を獲得した。 結果として魔王廃位は阻止されたが、直後蒼魔族の刺客によって魔王は重傷を負う。しかしこれが結果として魔王のもとに蒼魔族以外の大氏族が結束するきっかけとなり、蒼魔族は孤立した。 その頃、メイド姉は館に暇乞いをする。あの日、自由を叫んだ責任をとるため、叫んだ者としてやるべきことをやるため。魔王もメイド長も、その気持ちを尊重して、温かく送り出すのだった。 魔王率いる八大氏族との戦いは自滅を招くだけと悟った蒼魔族は、人間界への侵攻を決意。早々に白夜の国を陥落させた。 旅の途中で奏楽子弟と出会ったメイド姉。戦いを止めるため、「争いの源流」を知ろうとする。 蒼魔族は白夜の国を滅ぼした余勢をかって鉄の国に進軍するも、南部三国連合軍の前に停滞をよぎなくされ、後背にあらわれた聖鍵遠征軍のマスケット隊の威力の前に全滅した。蒼魔の刻印王の両眼は大主教に献上され、大主教の陰謀は前進を始める。 蒼魔族を壊滅させ、白夜の国だった地域を占領する聖鍵遠征軍。魔族との通商を模索する「同盟」は後手に回ってしまったが、マスケットの整備補修を妨害するため木炭の供給に工作を始める。 蒼魔族が残した物資、特にブラックパウダーの原料となる硝石を探す遠征軍。この頃、傭兵たちの生き残りと接触したメイド姉は傭兵隊長代行として硝石を焼却処分する。その時メイド姉は「選択肢が決まっていると思ってはいけない。提示されている選択肢の両方を選ぶこともできるはず」と傭兵たちに諭した。 その時奏楽子弟は、遠征軍の農奴部隊にまぎれこんでいた。この戦いの結末を見届けるため、自分の足で故郷へ帰るために。 そしてついに、遠征軍は魔界への侵攻を始める。総勢20万人とも称される人の波は、怒涛のごとくゲート跡の大穴へ殺到、占拠した。遠征軍は勢いを落とすことなく魔界の荒野を進軍、開門都市へと迫っていく。その頃、遠征軍追撃のため、獣牙の民も南部の地を離れ魔界へと戻った。 都市を戦場としないため、都市の外に布陣する魔族の軍。遠征軍とついに激突。だが、圧倒的な物量差とマスケットの前に、脆くも蹂躙される。追撃してきた銀虎公率いる部隊も加勢に入るものの、劣勢を覆すに至らず、大きな痛手を負った魔族軍は都市へと撤退、銀虎公も討ち取られてしまった。 遠征軍追撃のために出立する南部連合軍。それとは別に、メイド姉も遠征軍の補給船を奪って魔界へとやってきた。策をもって火竜大公と面会するメイド姉。彼女が大公に求めたのは、竜族の至宝である「ひかりのたま」。 その頃、組織も指揮系統も統一されていない遠征軍は、戦略方針の不一致による混乱を見せていた。このまま進軍して開門都市を陥落させるか、周辺地域から物資を集めて地歩を固めるか。進軍と占領、略奪、そして新たな恩貸地しか見ていない貴族たちは、物資調達を王弟元帥に押し付ける。戦力を分散させる愚を知りながらも、元帥は蒼魔族の領地へと向かった。
あらすじ
第1巻 「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」
第2巻 忽鄰塔(クリルタイ)の陰謀
第3巻 聖鍵(せいけん)遠征軍
第4巻 この手でできること
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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