マイタケ
分類
マイタケ(舞茸、学名:Grifola frondosa、英:Hen of the Woods)は担子菌門トンビマイタケ科のキノコ。食用として馴染み深いキノコである。中国語名は「灰樹花」「舞磨vなどと呼ばれている。 マイタケは世界中の暖温帯から温帯北部にかけて分布し、ナラ類、カシ類、シイ類といったブナ科樹木の大木の根株で心材に寄生して白色腐朽を引き起こす木材腐朽菌である。白色腐朽を起こした宿主心材にはオレンジ色の幅1-2mm幅の縞模様が生じる。 子実体は塊を形成し成長する。しばしば直径50cm以上、重さ10kg以上にも達する巨大なものも見られる。日本列島では秋(9月下旬から10月上旬)頃に宿主樹木の根元に毎年ではないものの、幾年にも亘って繰り返し発生する。子実体の形状は太い柄から何回にも亘って分枝し、その先端にへら状の小型の傘を群生するマイタケ型と呼ばれるタイプである。傘の裏には白色の細かい管孔が群生し、その内面に非アミロイド型の胞子をつける。 旨みが強く、また歯切れも良く、基本的に生食以外ほとんどの調理法でおいしく食べられる。炒め物・鍋料理・天ぷらなどによく利用される。ただし、マイタケプロテアーゼ
目次
1 生態
2 食材としての利用
2.1 歴史
2.2 栄養価
3 医学的実験と活用
4 栽培と流通
4.1 原木栽培
4.2 菌床栽培
4.3 流通
5 近縁のキノコ
6 脚注
7 関連項目
8 外部リンク
生態
食材としての利用
煮物・吸い物や卵とじなどには、料理そのものの色に影響を与える(黒っぽい色になる)ことから、料理店では慎重に取り扱いが行われる。また、少量のマイタケをごく少量の塩をまぶして炙り熱燗の日本酒に入れて、マイタケのエキスを引き出して飲む「マイタケ酒」なるものもある。
歴史 ソイの塩焼き、舞茸(左上)と葱に柚子を添えて
今日の日本では非常になじみ深い食用キノコの一つとなっているが、人工栽培が盛んになる前は南関東の照葉樹林地帯以南では食習慣は一般的ではなかった。
落葉広葉樹林帯では古くから貴重な食用菌であり、子実体発生木の希少性と食味の良さのみならず、一旦得られた時の収穫量の多さ、発生木さえ把握していれば時をおいて何年にも亘って確実に収穫できる性質が相まって、このキノコの価値を高めた。周期的に子実体が発生するミズナラなどの大木は採集者によって秘密にされ、家族にもその場所を明かさなかったと言われる。そのため北国の深山のキノコのイメージが強いが、暖地においてしかも都会の公園のシイの大木にも発生することが知られている。名前の由来は、野生の大きく育った子実体の姿がまるで人々が集まって群舞しているようであるからだという説と、野生の子実体を発見した人々がその喜びのあまり舞いあがったからという説がある。
『今昔物語集』にキノコを食べて舞い踊った女性たちから、そのキノコを舞茸と呼んだとの記事が見られるが、これは今日言われるところのマイタケではなく、フウセンタケ科のオオワライタケやシロシビンを成分に持つオキナタケ科のワライタケなどの幻覚性キノコであろうと考えられている。『今昔物語集』においても「今日のマイタケではそういう事は起こらない」と記しており、物語中のマイタケと当時の今日のマイタケが混同されている。「マジックマッシュルーム」も参照
岩手県の一地方では、山の神の祭事の折に収穫しその際に三度舞を舞って採るという慣わしがあった。 栄養学的にはビタミン類やミネラル、食物繊維に富み、特に亜鉛、ナイアシン、ビタミンDを多く含む。食物繊維を構成する多糖類βグルカン、マイタケDフラクションの一部は身体の免疫力を高めるなど、さまざまな効果があるとする研究もなされている。
栄養価