ぼっち_(落花生)
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千葉県香取市のぼっち

ぼっちは、収穫した落花生乾燥させるために作られる、円筒状の塊[1][2]。ボッチ[1][3]、ボッチ積み[2]、豆ぼっち[4]、落花ぼっち[5]、落花生ぼっち[6][7]とも称する。落花生は千葉県を代表する作物であり、の収穫期には畑に多くのぼっちが並び、特徴的な農業景観を作り上げる[4][2]

ぼっちという言葉は千葉県における呼称・俗称であり[2][3][8]共通語では野積みと言う[3][9][10]。ぼっちを使った乾燥は、産地での長い栽培経験から生み出された日本独自のものである[11]
ぼっち作り

収穫(掘り取り)を行ったばかりの落花生は実の半分ほど(40 - 50 %[2])を水分が占め、そのままでは腐ってしまう[12]。落花生は掘りたての状態で茹でて食べることもでき、美味とされるが[12][13]、生の落花生は1日で味や硬さが変化するので、冷凍食品以外では一般の流通に乗せることができず[13]、通常は乾燥を行う必要がある[12]。栽培面積が小さければ、収穫してすぐさやから実を取り出して(むしろ)に広げて干す[10]、掛け干しにする[10]、網袋に入れて風通しの良い軒下などで吊るし干しにする[14]という方法を採れるが、栽培面積が大きい場合は労力や資材の面でこれらの方法を採ることは困難である[10]。そこでぼっちを作って干すという作業が行われる[10]
予備乾燥「地干し」

ぼっちを作る前に「地干し」と呼ばれる予備乾燥を1週間ほど行う[2][11][12][15]。地干しは落花生を3 - 5株ほど束にし、さやを上向きにして畑で干すという作業である[2][10][16]。さやが乾燥したらひっくり返し、茎や葉を乾かす[17]。地干しは腰を曲げて作業するため、人手は多い方が良い[18]。地干しをすることで全体の水分が低下し、ぼっちを作ることができる[2][10]。ただし、暖地や早掘りの産地では、地干し後の気温・湿度がまだ高いため、ぼっち作りには不向きである[19]。千葉県農業試験場の竹内重之らの調査によると、晴天下での5 - 7日間の地干しにより茎や葉の水分は50 %以下に、さや実の水分は30 %程度まで低下する[10]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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