ぼくらの七日間戦争
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ぼくらの七日間戦争
著者
宗田理
発行日1985年4月
発行元角川書店
ジャンル小説
日本
言語日本語
ページ数38
次作ぼくらの天使ゲーム
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ISBN 978-4-04-160201-0(文庫本)

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『ぼくらの七日間戦争』(ぼくらのなのかかんせんそう)は、1985年4月に発行された宗田理文庫書き下ろし小説。『ぼくらシリーズ』の第1作。

映画化もされ、映画の続編『ぼくらの七日間戦争2』も製作された。

この項目では、実写映画・アニメ映画など原作を元にした関連作品についても述べる。

第2作の『ぼくらの天使ゲーム』以降、通称『ぼくらシリーズ』全45作が刊行された。詳細は「ぼくらシリーズ (宗田理)」を参照
ぼくらの七日間戦争(角川文庫)

1学期の終業式の日、東京下町の中学校に通う、菊地英治ら1年2組の男子生徒達が突如として行方不明となる。親たちは懸命に英治らを探すが、彼らの消息はつかめず全く見つからない。

実は英治らは、荒川河川敷の廃工場に立てこもって、外にいる橋口純子ら女子生徒と、体罰によって大怪我を負った谷本聡と協力し、廃工場を日本大学全学共闘会議をまねた「解放区」とし、校則で抑圧する教師や勉強を押し付ける親に対し、反旗を翻していたのだ。

だが、1年2組の男子生徒の柿沼直樹は、それに参加する前に誘拐されてしまう。英治たちは廃工場で出会った老人・瀬川卓蔵と共に彼を救出しに奮闘すると同時に、突入してきた教師に様々な仕掛けで対抗し、隣町の市長の談合を生中継するなど、悪い大人たちをこらしめる。
主な登場人物

『ぼくらの七日間戦争』以後の続編の状況も記述している。
菊地英治
詳細は「
菊地英治」を参照本シリーズの主人公。奇抜な発想で、いたずらを考える。思いやりとアイディア豊富で行動的。サッカー部(一時期は剣道部)所属。中学卒業後にひとみに告白する。
相原徹
詳細は「相原徹」を参照「解放区」をやろうと提案し、その後もリーダーとして仲間をまとめる。英治とは中1からの親友。クールで思慮深い。サッカー部(菊地と同じく、一時期は剣道部)所属。
天野司
大のプロレス好き。古舘伊知郎を尊敬し、将来はアナウンサー志望で、実況の天才。実家は化粧品屋。角川つばさ文庫版では、名前が「司郎」となっている。
柿沼直樹
産婦人科医院の息子で、あだ名は「カッキー」。キザな性格。ミステリー好き。医者を目指している。佐織と交際している。
安永宏
大工の息子。友情に熱い、ケンカの達人。久美子と交際している。中学卒業後は就職。その後大学検定を取り、大学に入った。
宇野秀明
小柄ですばしっこい。臆病な性格で、当初は「シマリスちゃん」と呼ばれていたが、「七日間戦争」を経て勇敢になり、「コブラ」というあだ名になった。が、今でも暗がりは苦手だそうだ。電車や路線に詳しい。
日比野朗
食いしん坊で料理も得意な肥満児。おっとりとした性格。将来の夢はコックで、高校入学後は、後輩の足田貢の家であるレストラン『フィレンツェ』でアルバイトをする。
立石剛
花火師の息子。星にも詳しい。あだ名は「星の王子様」。いたずらに使う火薬の調達、設営を行う。
中尾和人
メガネが目印。学習塾には通っていないが、成績が抜群に良い。サッカー部に所属しているが、運動神経は決してよくない。頭の良さを活かし、暗号の解読やいたずらの考案に力を貸す。
谷本聡
電気工作ならまかせろの、エレクトロニクスの天才。あだ名はエレクトロニクスの天才という意味の「エレキング」。いたずらの仕掛けには欠かせない存在。「七日間戦争」前に、体育教師の酒井敦から体罰を受け骨折。外部でFM放送を担当した。その後も、機械が関わってくる問題で力を発揮する。
佐竹哲郎
剣道部。弟の俊郎、愛犬のアメリカン・ピット・ブル・テリアのタローと共に、ぼくらを助ける。
橋口純子
中華料理屋「来々軒」の娘。明るくおおらか。兄弟が多く、面倒見が良い。英治のことが好き。
堀場久美子
スケ番。得意技は蹴り。姉御肌で頼りになる。父親は建設会社の社長でPTA会長だったが、後に逮捕される。
中山ひとみ
料亭「玉すだれ」の娘。水泳で学校一の実力を持つ美少女。実はけっこうお転婆。英治とは両想い。
三矢麻衣
父親がアルコール依存症だったのを仲間に助けてもらう。後に交通事故で死亡。リメイク版では生存している。
朝倉佐織
おとなしいが大胆なところもある。実家は「銀の鈴幼稚園」。経営難から「銀の鈴老稚園」に改める。
滝川ルミ
優しい性格。父親・為朝は元プロの泥棒。銀鈴荘でさよと暮らしていたことがある。相原に憧れて妹にしてもらう。
瀬川卓蔵
ぼくらの最大の味方となる、浮浪者の老人。『ぼくらのコブラ記念日』で死去。息子がいるらしい。リメイク版では生存している。
石坂さよ
いたずらが大好きな老婆。銀の鈴幼稚園の隣にある永楽荘アパートの住人。『ぼくらの修学旅行』で死去。
矢場勇
テレビリポーター。通称「ヤバイ・サム」で、芸能人は矢場によるスキャンダルを恐れている。七日間戦争では単なるリポーターとして登場し、英治たちに好き勝手言われたものの、いまやぼくら最大の理解者で、後にぼくらの捜査に協力するようになる。『ぼくらの怪盗戦争』では、みんなのリーダー的な役割を担っている。
映画

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プロジェクト 映画

ぼくらの七日間戦争

ぼくらの七日間戦争
監督
菅原比呂志
脚本前田順之介
菅原比呂志
原作宗田理
製作角川春樹
出演者菊池健一郎
宮沢りえ
工藤正貴
金田龍之介
大地康雄
佐野史郎
賀来千香子
室田日出男
出門英
浅茅陽子
音楽小室哲哉
主題歌TM NETWORK
SEVEN DAYS WAR
撮影河崎敏
編集板垣恵一
製作会社角川春樹事務所
配給東宝
公開1988年8月13日
上映時間94分
製作国 日本
言語日本語
配給収入3億3000万円[1]
次作ぼくらの七日間戦争2
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角川映画作品。1988年8月13日から東宝系劇場にて公開された。宮沢りえの女優デビュー作[2][3]。同時上映は『花のあすか組!』。
概要

管理教育に抑圧された中学生が、学校教師や大人に「戦争」を挑む[注 1]。原作にはない戦車なども登場する一方、原作のポイントとなっている「全共闘関連の説明」「柿沼直樹の誘拐事件」「外部との通信・外出による各種工作」「学校教師に対する社会的攻撃」などが削除され、立てこもる生徒が「クラスの男子ほぼ全員」から「クラスの一部生徒」に変更されるなど廃工場での攻防に重点が置かれている。

2011年に角川映画35周年記念としてデジタル・リマスター版が発売され、2012年には「角川ブルーレイ・コレクション」の一作品としてブルーレイディスク化された。
あらすじ(映画)

青葉中学では横暴な教師が理不尽な校則や暴力で生徒を縛っていた。1年A組の菊地英治他計8人の男子生徒は家出すると、食料や生活用品を廃工場に持ち込んで立てこもる。母親達は学校側に捜索を訴え、学校のやり方に問題があるのではないかと指摘するが、学校側は家庭内での躾が悪いせいと決めつけ取り合わない。

近所の住人の知らせで生徒達の居場所を見つけ、教頭の丹羽、生活指導の野沢、体育教師の酒井、担任の八代、副担任の小柳の教員5名と生徒の親達が詰めかけて生徒を連れ出そうとするが、英治達に砂や水で追い払われた。翌日、工場を探索していると最深部に1輛の戦車が放置されているのを見つけ、生徒の宇野と天野が動かせないかと弄りだした。同日、工場に中山ひとみら3人の女子も加わるが、誰が女子にこの場所を教えたかで一悶着が起きた。何とか和解し、立てこもりを続行する事に。

更に次の日の早朝、先日の面子に校長の榎本も加わり、酒井に丸ノコで扉に切り込みを入れさせて工場内部に乗り込む。反撃を掻い潜って生徒達の大半を捕らえたが、宇野と天野が戦車を動かし工場奥から飛び出す。思わぬ隠し球に驚いた榎本は一目散に逃げ出し、他の教師と親達も為す術無く退散した。ひとみは戦車に「エレーナ」と名付け、皆で勝利の記念に工場前の広場で乗り回すが、工場内部に戻った所でエンジンが故障し、走行不能になってしまった。その頃、学校まで逃げてきた教師達は警察に通報。その夜、今回の一件を警察に一任すると親達に通達した。

次の日、報道陣や野次馬が見守る中、機動隊が工場に突入。生徒達は前日に工場内部に仕掛けたトラップで機動隊員を翻弄、激昂した榎本は「殺せ!」と口走った事で野次馬に来ていた他の生徒達の怒りを買い、追い回される。後から侵入した野沢は檻に閉じ込められ、酒井は網でつるし上げられ、八代も薬缶をぶつけられて倒れた所に張り子の巨大福助を乗せられる。生徒達は下水道を通って工場を脱出。夜の工場にエレーナに仕掛けた花火が次々と打ち上げられ、生徒達は勝利の歓声を上げるのだった。
撮影

主たる撮影は東京大泉東映東京撮影所[4]。宮沢は「東映撮影所はりえのもう一つの学校の思い出がつまってるところです。『ぼくらの七日間戦争』は東映東京撮影所で撮ったからです」と話している[4]。宮沢は当時の自宅がこの近所で[4][5]、中学校を卒業するまで大泉に住んでいた[4]。ひざ付近に5ヵ所も青たんを作る大変な撮影だったが「さいこう楽しかったもん。スタジオの重い重い扉の裏に『ぼくらの七日間戦争』は永遠です」と話し[4]、『月刊明星』1989年5月号の取材で撮影所を訪れ、当時正門の左手の塀に掛かっていた「東映株式会社 東京撮影所 株式会社 東映美術センター」の木製の看板に鉛筆で「『ぼくらの七日間戦争』は不滅だ。チョココルネパン命!」といたずら書きをしたことを明かし[4]、「ごめんなさい..だけど消さないで下さいね。青春の記念なの。楽しかった思い出のしるしなの!一生のおねがい!」と切望していたが[4]、2019年現在そこに看板はない。

廃工場のシーンは千葉県館山市平久里川河口近くにある、市民運動場の道路を挟んだ向かいにあったボウリング場跡地で撮影された[6]。建物はその後取り壊されたため、現存していない。2015年時点では医療関連の施設が建っている。

前記宮沢の証言から、話のメインとなる中学生たちが廃工場に立てこもるシーンは、表側を館山のボウリング場跡地で、屋内シーンは東映東京撮影所のセットでの撮影と見られる。

本作には防衛庁(当時)は撮影協力はしておらず、登場した戦車は1979年の映画『戦国自衛隊』で製作された61式戦車を模したレプリカである。この車両は映画マニアの間では「角川61式」「戦国61式」の名で呼ばれており、『戦国自衛隊』や本作以外でも数々の作品に出演している[7]

なお、生徒達が立て籠った廃工場の地下に、なぜ自衛隊の戦車があったかの理由は作中でも明確になっていない。廃墟が関東財務局の管理する国有地であることだけが劇中から読み取れる。

撮影の河崎敏は長年CMを撮っていた人で、アメリカで映画を勉強してきた菅原比呂志監督が河崎のコカ・コーラのCM(日本で流されるコカ・コーラのCMはアメリカのものは使わず、全て日本で製作されている)に共感して撮影を依頼した[8]。撮影当時56歳[8]。「思ったことの半分もやれなかった」と話している[8]。劇映画の撮影は本作一本のみである。
備考

劇中に出てくる「アリアハンの城」というのは、同年に発売されたファミコンのゲーム『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の中に出てくる城の名前である。
キャスト
青葉中学校1年A組

男子生徒
菊地英治
演 -
菊池健一郎生徒たちのリーダー的存在。立てこもりをすることを提案した人。サッカー部のレギュラーでキャプテン候補。中山ひとみと相思相愛。
相原徹
演 - 工藤正貴菊地英治の相棒。陽気な性格だがおっちょこちょいな所がある。橋口純子と相思相愛。菊地英治と同じくサッカー部所属で補欠。
安永宏
演 - 鍋島利匡ケンカの達人で、空手などをやっている肉体派。熱い性格だがカナリアを飼っている。中山ひとみに片思いしており、恋敵の菊地英治と時々衝突することがある。
柿沼直樹
演 - 田中基あだ名は「カッキー」。産婦人科医の息子。オシャレ好きで大量の服を持ち込む。潔癖症で服が汚れることは苦手。
日比野朗
演 - 金浜政武スーパーの息子。食いしん坊で食べることが好きだが料理するのも好き。
中尾和人
演 - 大沢健優等生。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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