ぼくは王さま
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ぼくは王さま
ジャンル児童文学
小説
著者寺村輝夫
イラスト和歌山静子など
出版社理論社など
刊行期間1959年 - 1996年
巻数31巻(理論社公式サイト)
OVA
原作寺村輝夫
監督高木淳
キャラクターデザイン入好さとる
アニメーション制作日本アニメーション
製作東映ビデオ
発売日1996年10月21日
話数全1話
アニメ
原作寺村輝夫
監督堀内隆
キャラクターデザイン山ア真央
音楽村松健
アニメーション制作グラフィニカ
製作ぼくは王さま製作委員会2013
放送局BS11
放送期間2013年4月6日 - 6月22日
話数全12話
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータル文学アニメ

『ぼくは王さま』(ぼくはおうさま)は、理論社から発売されている寺村輝夫の長編童話

続編と併せて「王さまシリーズ」の名(理論社の広告では「王さまの本」)で知られるため、当稿ではシリーズ全体を紹介する。児童文学ということもあり、正式な表記は「王様」ではない。挿絵については、特筆していない部分は全て和歌山静子によるが、本の形態が変わるたび、同じ話のために和歌山がほとんど毎回違う挿絵を描き直している。出版社については、特筆していないものは理論社による。理論社以外の出版社から出た理由としては、理論社がシリーズとしてまとめる前に各出版社で執筆したか、理論社の人気シリーズとなった後他社にライセンスされたか、どちらかである(詳細は後述)。
作品誕生のきっかけ

デビュー後の寺村の作品はしばらくの間、お世辞にも面白いと言えない堅いものだったが「幼児のための童話集」編集長の松居直から二度も没をくらい「あなたが面白いと思うものを書いていいんですよ」の一言で開眼。三度目はたった一晩の約2時間で、規定ページ数が5ページだった所を8ページまでオーバーしつつ、ほとんど書きなぐりだった。この「ぞうのたまごのたまごやき」は、1959年に『母の友』に掲載され、業界の前評判は大変悪かったが、一度出版された後はたちまち子供の心をつかみ、以後寺村のライフワークとなった。

この作品の誕生の瞬間を、早大童話会時代から生涯の親友だった大石真は、「寺村輝夫という人が、なんと妙な作品を書いたものだ」「自分だけの鉱脈を掘り当てた作家は幸せである」と評している。
概要

どこかの国に住む、どこかの王さまが主人公。城や衣装は中世ヨーロッパ風だが昔話ではなく、テレビ、コンピューター、近代兵器なども登場する。国の中には町が2つ、村が3つある。この国にはゾウライオンがいるが、隣の国にはいない。この作品世界の雪は雲で作られるのでなく、ヤンコ星という星で作られる。ヤンコ星にもヤンコ星の王さまがいる。

作品の舞台が、お城からいきなりアフリカに飛ぶことがよくある。これは寺村がアフリカ好きであるためで、動物別ではライオンもよく出るが、ゾウのほうが出番が多い。ある話の設定が別の話には用いられないなど、その話限りの設定が用いられることが多い。エピソードにより長さが大きく異なるのも当シリーズの特徴である。本の体制によりページ数は微妙に異なるが、一番長いのは『魔法使いのチョモチョモ』で約200ページ(これだけ長い理由は後述)、一番短い話では約4ページである。また寺村は執筆中のページ数も把握しており、作品集として出す時にキチンと計算していたという。
お城

王さまのスケジュールは全て「朝ごはんの時間」「べんきょうの時間」など細かく割り当てられており、王さまはいつも大臣にせかされて何とか毎日を暮らしている。そのスケジュールの知らせは、ラッパによる「テレレッテ、プルルップ、トロロット、タッター」(書かれるたび微妙に異なる)。当シリーズで最も有名な文言であり、寺村も独特の擬音には凝っていると語っていた。寺村の葬式でも和歌山が悼辞で読み上げている。

他に昼の鐘は「じゃらんぽ、がらんぽ、じゃらんぽ、がらんぽ」または「ごわーん、ほろんほろんほろん」、夜のチャイムは「チャーイム、チャーイム」。兵士の出動時にはサイレンも鳴る。時計台はこの国の標準時となっており、時間を確認するには電話で聞く手間が必要。時計台が壊されると時間がわからない。国民全員は7時に起きねばならず、違反すると投獄。就寝は見張りの兵士を除き8時(エピソードによっては9時もある)。時計台の中には、王さまと大臣しか知らない秘密の宝物庫があるはずだったが、後のシリーズでは王さまでも近寄ったらダメと大臣が言っていた。

池があり、外を流れる川と繋がっている。「ウソとホントの宝石ばこ」「モルト星の石」では、ストーリー展開に重要なアイテムが城に入ってくる原因となった。また電話もあり、隣の国と繋がっているが、ある時は電話機自体が大臣の部屋とコックの厨房にしかなかったり、別の話では王さまの目前にあったりする。

図書室もあり、何か調べるときに博士がよく使う。王さまも調べ物をしたことがある。ただし『王さまゆめのひまわり』でまた城の隣に図書館が作られた。王さまが大の玉子好きであるため、にわとり小屋もある。にわとり小屋からにわとりやヒヨコが逃げ出して王さまを追っかけたり、別に不思議な出来事も起きていないのに王さまがにわとりと会話したこともある。この他城内に動物園もあり、国民も利用可能。
登場人物

カッコ内は声優、および特記。
王さま(OVA:
坂本千夏、TVアニメ:チョー

本作の主人公。年齢と姿は確かに王さまだが、どう見ても子供としか思えないわがままぶりである。初期の前書きは、例えば「どこのおうちにもこんな王さまが ひとりいるんですって」「あっ!だれかさんに、そっくり」等。この前書きで、のぞきこむ王さまの向こうが子供になっている挿絵を和歌山が描いたことがある。口癖は「わしは世界じゅうでいちばんえらい王さまだぞ」「いうことをきかないと、ろうやにいれるぞ」。返事をする時は「あ、うん」。第一シリーズ末期からは一人称が「ぼく」に変わるが、これは読者の質問・苦情や出版社の要望の影響である。卵は毎日食べるほど大好きだが、野菜が大嫌い(ただし話の展開上卵をしばらく食べなかったり、野菜を食べたこともある)。「針より細いにんじんスナック」をつくれ、などとムチャな注文をすることもある。チーズも嫌いなようである。また何かするたびにチョコレートを一粒食べる癖があり、チョコレート工場が、これまで不当に食べたトラック三台分のチョコを回収していったことがある。「パクパクとバタバタ」によると「何でも(数が)多い方が好き」。注射が嫌いなため、病気になっても甘い飲み薬しか飲まない。勉強嫌いでもある。「にんぎょうはおれがぬすんだ」を「にんぎうはおれがねすんだ」と書いたことがある。動物ではライオンなども猛獣だから怖いが、直接嫌がる筆頭はネズミ。ネズミのおしっこが入ったたまごやきを食べてしまったり、駆除のために国で一番偉い猫を雇ったことがある。王冠にはドンモヤイダという、世界に一つしかない宝石がつけられている。「ウソとホントの宝石ばこ」では、ウソをしまっておける宝石箱を持っていた。車は運転出来る。これは「ニセモノばんざい」でオートバイの練習をさせられたため。本を読むときは眼鏡をかけるが、忘れやすいので結局ほとんど使わない。秘密の宝として、金の卵を持っている。特定の職業にあこがれ「大臣、わしも○○○をやるぞ」とだだをこね、結局疲れるのでやめてしまうのは、第一シリーズによく見られたパターン。こうした話のサブタイトルは大体「王さま○○○」である。いつも城で暮らしているので貨幣価値を知らず、サーカスやタクシーに料金が必要だということで、もめごとになったことがある。その反面、「めだまやきの化石」で、となりの国の大臣からもらった百万円をポンと渡していた。裁判は王さまが行うことになっているが、王さまが被疑者の場合は大臣に裁かれる。博士の作った薬により透明人間になったことが二度ある。一度目は「とうめいにんげんの10時」で自らの意思により30分。二度目は『魔法使いのチョモチョモ』で魔法と科学の連鎖反応により、本人の意思と無関係に幽体離脱、2度目はなかなか戻れなかった。両親は『王さま魔法ゲーム』の冒頭で少し触れられており、毎年正月の朝にしか会えず、兄弟姉妹が5人いるという。
大臣(OVA:田の中勇、TVアニメ:松山鷹志。OVAではワン大臣、TVアニメではホウ大臣)

「ぞうのたまごのたまごやき」ではワンさん(TVアニメ:佐々健太)、ツウさん(TVアニメ:山本兼平)、ホウさん(TVアニメ:松山鷹志)(one,two,threeの語呂が悪いので飛ばしてfourがネーミングと思われる)が登場したが、以後一人に。和歌山の挿絵では白髪のおかっぱ頭である。王さまの面倒を見ているが、上記の通りの性格の人物であるだけに命令もできないので、いつもお願いを聞いてもらおうと苦労している存在。大臣の部屋は王さまの部屋の隣。ただしこの部屋がコック(いつものコックでなく宇宙人の暗殺者)や手のひらサイズのゾウのものになったことがある。結婚しており、子供がいる。「電話にでるのやめた」によると、ケーキが大嫌い。「ちいさな王さま」シリーズでは直接出てくるだけでなく、朝起きるシーンではテレビ画面に出ることもある。
コック(OVA:塚田正昭、TVアニメ:佐々健太。 OVAではツーコック)

王さまのために毎日玉子料理を作るため、食事のシーンが多いことから、大臣に次ぐ最重要レギュラー。ヒゲがない他は、王さまとそっくりの顔をしている。ただし後のシリーズではヒゲがついたり、髪を後ろで縛るなど外見が変化した。自らバイクで材料の買出しに出かけるくらい、城で一番運転がとくい。顔立ちが似ているため、王さまの身代わりを務めたこともあったが、オートバイレースの時は思いあがって本物の王さまを追放してしまう。にわとりが卵を産まなかったために卵料理が作れなくなったり、王さまの嫌いな野菜を食べてもらおうと細かく刻んだら、混ぜ込んだのを全部取り除いた上に数を数え上げられ、怒った王さまに投獄されたこともある。料理人でありながら大臣同様タバコを吸う。
博士(OVA:茶風林、TVアニメ:長克巳。 OVAではホー博士)

城の隅に研究室を持ち、日夜研究に明け暮れている。本人および王さまいわく「世界一頭がよい」とのこと。作品設定が非現実であるためか、第一シリーズの初期から中盤にかけては出番がかなり多い。王さまの無茶な要求や、無茶な要求によるとばっちりを何とかしたい大臣たちの依頼を受けるが、科学者ゆえの好奇心のためか、依頼に対してはほとんど反発せずに発明してくれる。人間そっくりのロボットを作ったこともあるが、一体は作るけど二体以上は手間がかかるので嫌だとのこと。劇中最も困難と思われる発明は前述の透明人間になる薬で、調合に百年もかかる物質まで使い、三日間かけて作り出した。『魔法使いのチョモチョモ』では当初魔法を否定していたが、「まほうのレンズ」では魔法を科学として使っている。王さまの理科の先生でもある。大臣と博士は、挿絵が和田誠から和歌山に交代した時も基本的外見が受け継がれ、以後和歌山の絵では全シリーズを通して、外見が全く変わらなかった。
お医者さん(OVA:水谷優子 OVAではドクター・リー)

朝の健康診断を担当。体調をくずすことも頻繁な王さまに対し、診断結果が少しでも悪いと注射をするため、やはり王さまに敬遠されている。コックや博士同様、最古参レギュラーだが、和歌山の挿絵では外見が頻繁に変わっている。
先生(OVA:井上喜久子 OVAではテン先生)

勉強の時間に王さまに勉強を教え、問題の答えを間違えると怒る怖い先生。エピソードによっては教科別に先生がいる。
隊長(OVA:玄田哲章 TVアニメ:佐々健太。 OVAではベン隊長)と兵隊(TVアニメ:山本兼平)

近代兵器まで持っている軍隊であるにもかかわらず、昔ながらのプレートメールのような鎧を着ている。隊長だけはヒゲづらで貴族のような格好。約100人の兵隊たちと共に毎日お城を守っているはずであるが「ウソとホントの宝石ばこ」によると、一度も戦ったことがなく弱い。夜はみんなで酒を飲んで宴会モードになっている。
そうじのおばさん(OVA:堀越真己、TVアニメ:新井里美(ナレーションと兼任) OVAではおそうじおばさん)
名前通りの外見と役目を背負っている。出番は「ちいさな王さま」シリーズやアニメの方が多い。
床屋

王さまの髪がのびると散髪を担当。男性で、結婚しているらしい。散髪中に眠っていた王さまが飛び起きたため、ヒゲをそり落としたことがあるが、見ていた夢がひどいものであったために「これくらいなら」とお咎めなしであった。「消えた二ページ」では大臣達と共に重要なキャラの一人となった。
王子

「ぞうのたまごのたまごやき」の冒頭で誕生したことになっているが、以後「ウソとホントの宝石ばこ」で少し言及された以外は出番なし。王さまが結婚して授かった可能性もあるが、これを踏まえると「ちいさな王さま」シリーズの王さまも、王子であるといえる可能性もある。
となりの国のお姫さま

『王さまびっくり』からセミレギュラーとして登場。王さまは淡い恋心を抱いているが、むしろ女友達に近い。「めだまやきの化石」では一緒に活躍。『王さまかいぞくせん』ではさらわれてしまったため、王さまが奪還に出かけ、結局結婚することになった。挿絵の外見が第一シリーズではおとなしめ、第二シリーズではやや活動的に変更されている。
となりの国の王さま(TVアニメ:稲田徹

主人公の王さまとは対照的にきちんとした王さまで、となりの国のお姫さまの兄にあたる。こちらの王さまに対し、前述のドンモヤイダを狙って軍事侵攻したり、優れた性能のオートバイが出来た時はバイク競争を挑んで来たりした。また六つの金の卵の一つは、となりの国の王さまにあげている。
一部のシリーズのみ登場
チョモチョモ(OVA:
渕崎ゆり子

小人のサイズをした魔法使いで、年齢は28972歳。『ヘンゼルとグレーテル』と世界観が繋がっており、かまどで焼かれたおばあさん魔女は326900歳だと説明している。火が大嫌い。呪文は「ズーダラ、ビーダラ、ローズル、ロー」で、人に憎まれたら魔法使いとして一人前だと言う。当初は『魔法使いのチョモチョモ』のみのメインゲストだったが、『王さままほうが大すき』で何と26年ぶりに再登場した。またその直前に『王さま魔法ゲーム』にもサラーマという魔女が登場。呪文もほとんど同じだが微妙に違う。ネーミングは、長男が幼いころ自分の本名を上手く言えず、「チョモ」となまったのが由来(王さま以外の作品によく登場する「トムくん」も長男の名のもじり)。
警察署長、消防署長、図書館長、動物園長

第二シリーズのみの新レギュラーで、何故かみな城におり、会議にも出てくる。レギュラーと言っても警察署長が犯罪捜査に出てくる程度で、コックや博士ほどの活躍はしない。
洗濯係のおねえさん

「ちいさな王さま」シリーズに登場。演出の関係上、そうじのおばさんの次に出てくることが多い。
エミちゃん

「ちいさな王さま」シリーズに登場。王さまのクラスメイト。
シリーズ

ここで使用しているシリーズ名は「王さまの本III」「ちいさな王さま」シリーズ以外は便宜上つけたもので、理論社やファンの慣例ではない。表題作のタイトルは、第一シリーズ新版以外はほとんど言い回しが統一されており、区別しやすくなっている。かっこ内は個々の短編の発表年月でなく、作品集としての発行年月。フォア文庫版は第一シリーズ旧版・第二シリーズ・ちいさな王さまシリーズの3シリーズを基本に作られているため、この3シリーズに対し、表題作や収録形態が一部変更されている所のみ解説する。他の作家と共にアンソロジーとして収録されているケースは非常に多いので、原則として略した。またそうした場合、作品名の表記が「ハアト星のはな」「魔法使いのチョモチョモ」など、微妙に変更されることが多い。
第一シリーズ旧版

シリーズの初期は順序と発行年がそろっていないものがあるが、これは長い年月をかけてシリーズがそろえられたためである(事情の一部については後述)。
ぼくは王さま(作品集初版
1961年→シリーズ化1974年

前述の『ぞうのたまごのたまごやき』が発表された後、これを読んだ今江祥智が理論社初代社長の小宮山量平に掛け合い、刊行が実現する。続編を何本か収録し、第一シリーズ旧版で最初の作品集として出版された。挿絵は初代画家の山中春雄が43歳で他界(殺人被害)してしまったため、シンプルな直線が目立つ和田誠が担当、寺村の知人の教師の教え子にあたる(和田は他にも寺村の初期作品『ノコ星ノコくん』を担当)。さらに初版ではこのシリーズは寺村以外もすべて、表紙のみ長新太だった。小宮山は自社書籍の出版記念パーティーには出席しないポリシーだったが、当時としては極めて奇抜な内容の作品だったため、業界の批判に対してのフォローをする目的でパーティーに出席したが、幸運にも杞憂に終わった。この時藤田圭雄は「この作品は不思議だ。読むと面白いが、閉じると忘れてしまう。しかしまた開くと、面白さが沸いてくる」と語っている。以降のシリーズに対し当巻だけは和田の挿絵が続いたが、旧版の末期増版から和歌山に交代している。ぞうのたまごのたまごやき - 『母の友』に掲載しゃぼんだまのくびかざり - 『日本児童文学』に掲載ウソとホントの宝石ばこ - 『日本児童文学』に掲載サーカスにはいった王さま
王さまばんざい(小学生文庫版1961年→シリーズ化1975年

基本設定はほぼ固まっている。和歌山の挿絵はこの時が初めてで、デッサンが異なる、王さまの髪の毛などベタ(黒い部分)が塗られていないといった違いがある。この小学生文庫版は旧版と比べ約二倍の厚さがあり、後に旧版として作り直す際に『王さまばんざい』と『王さまロボット』に分割された。フォア文庫版の表題作は当初、人気エピソードである『おしゃべりなたまごやき』を使ったが、表題作からシリーズ全体の一貫性が判りにくいため、1998年版からは『王さまばんざい おしゃべりなたまごやき』に改められた。台湾でも台湾英文雑誌社から1995年に発売されている。おしゃべりなたまごやき 福音館書店版が初出。最も人気の高いエピソードの一つで、シングルカットやアニメ化の対象にもなっている。またラストシーンの小道具が目玉焼きであるため、「おしゃべりなめだまやき」という題名で出た本も存在する。木の上にベッドクジラのズボンきんのたまごが6つあるなんでもほしいほしがりやパクパクとバタバタ - アンソロジー「新編童話教室」(1967年、実業之日本社)では「ぱくぱくとばたばたのはなし」の題で収録。


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