ぼうえんきょう座Telescopium
ぼうえんきょう座の恒星
属格形Telescopii
略符Tel
発音英語発音: [?t?l??sk?pi?m]、属格:/?t?l??sk?pia?/
象徴望遠鏡
概略位置:赤経 18h 09m 14.2s - 20h 29m 50.1s[1]
概略位置:赤緯−45.09° - −56.98°[1]
広さ252平方度[2] (57位)
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数13
3.0等より明るい恒星数0
最輝星α Tel(3.477等)
メシエ天体数0
隣接する星座さいだん座
みなみのかんむり座
インディアン座
けんびきょう座(角で接する)
くじゃく座
いて座
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ぼうえんきょう座(ぼうえんきょうざ、Telescopium)は、現代の88星座の1つ。18世紀半ばに考案された新しい星座で、望遠鏡をモチーフとしている。南天に位置しており、日本では九州南部以南でしか全域を見ることはできない。
主な天体
恒星「ぼうえんきょう座の恒星の一覧」も参照
2022年4月現在、国際天文学連合 (IAU) が認証した固有名を持つ恒星は1つもない[3]。
α星:見かけの明るさ3.463等のB型準巨星で3等星[4]。ぼうえんきょう座で最も明るく見える恒星。
PV星:B型特異星に分類される青色超巨星[5]。脈動変光星の分類の1つ「ぼうえんきょう座PV型変光星」の代表星[6]。
由来と歴史19世紀イギリスの星座カード集『ウラニアの鏡』に描かれたぼうえんきょう座(右下)。
ぼうえんきょう座は、18世紀中頃にフランスの天文学者ニコラ・ルイ・ド・ラカーユによって考案された。1756年に刊行されたフランス科学アカデミーの1752年版の紀要『Histoire de l'Academie royale des sciences』に掲載されたラカーユの星図の中で、望遠鏡の星座絵とフランス語で望遠鏡を意味する le Telescopeという名称が描かれたのが初出である[7][8][9]。のちの1763年にラカーユが刊行した著書『Coelum australe stelliferum』に掲載された第2版の星図では、ラテン語化された Telescopiumと呼称が変更されている[7][10]。
ラカーユがモチーフとしたのは、当時主流であった非常に長い鏡筒を持つ屈折望遠鏡である。当時の望遠鏡は精度の低いレンズを用いていたため、焦点距離を延ばすことにより色収差を低減させる必要があった[7]。そのため、ラカーユが考案した当初の Telescopium は、現在のぼうえんきょう座よりも大きく細長い領域を持っていた。たとえば、現在のいて座η星はβ、さそり座G星はγ、へびつかい座45番星はθとギリシア文字の符号が付けられるなど、他の星座の間を縫うように細長い領域が考えられていた[7]。その後、イギリスの天文学者フランシス・ベイリーが1845年に刊行した『British Association Catalogue』やアメリカの天文学者ベンジャミン・グールドが1879年に刊行した『Uranometria Argentina』でその領域が切り取られたことで、現在のぼうえんきょう座はβ星やγ星のない星座となっている[7]。
1922年5月にローマで開催されたIAUの設立総会で現行の88星座が定められた際にそのうちの1つとして選定され、星座名は Telescopium、略称は Tel と正式に定められた[11]。