ふしぎ駄菓子屋_銭天堂
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ふしぎ駄菓子屋 銭天堂
小説
著者
廣嶋玲子
イラストjyajya
出版社偕成社
刊行期間2013年5月 -
巻数既刊18巻(2022年9月現在)
映画:映画 ふしぎ駄菓子屋 銭天堂 つりたい焼き
原作廣嶋玲子、jyajya
監督富岡聡
脚本小林雄次
音楽未知瑠
製作2020東映まんがまつり
製作委員会
配給東映
封切日2020年8月14日
上映時間9分
アニメ
原作廣嶋玲子、jyajya
監督富岡聡→小野勝巳
シリーズ構成小林雄次
キャラクターデザイン関厚人→渡辺はじめ
音楽未知瑠
アニメーション制作東映アニメーション
カナバングラフィックス
ぎゃろっぷ
製作銭天堂製作委員会
放送局NHK Eテレ
放送期間2020年9月8日 -
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータル文学アニメ

『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』(ふしぎだがしや ぜにてんどう)は、廣嶋玲子による日本の児童小説。偕成社より2013年5月から刊行されている。挿絵はjyajya。全国学校図書館協議会・選定図書。2022年、第3回「小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙」で第1位[1]

2020年6月にアニメ映画化及びテレビアニメ化が報道され、同年9月から放映された[2]。2022年8月時点でシリーズ累計発行部数は400万部を突破している[3]
あらすじ

叶えたい望みがある人の前に現れ、不思議な駄菓子「ふしぎ駄菓子」を売る謎の駄菓子屋・銭天堂を訪れた客たちを主役に据えたオムニバス。店主の紅子が勧める駄菓子はどれも食べると様々な効果が得られるが、食べ方や使い方を間違えたり客が調子に乗り始めたりすると恐ろしい事態を招いてしまう。

更にはライバル店舗・たたりめ堂のよどみや紅子に勝負を挑む男・怪童、そして銭天堂の駄菓子を調査する六条教授等とも交錯し、物語は進んでいく。
主な登場人物
銭天堂

悩みを持つ人だけが辿り着ける不思議な駄菓子屋。商品の値段は全て硬貨1枚分。建物は2階建てで1階が店舗、2階が紅子と招き猫の居住スペース、地下が招き猫たちの働く工房となっている。
紅子(べにこ)
声 -
池谷のぶえ[4]訪れる客に不思議な駄菓子を与える「銭天堂」の主人。大きくふくよかな体つきの女性。真っ赤な口紅をつけ、古銭柄の赤紫色の着物を着ている。「?でござんす」といった独特な言い回しで喋る。店を訪れた客たちのことは「幸運のお客様」と呼ぶ。代金を受けとる際、「○○(硬貨の発行年)年の○円」と言う癖がある。代金はくじ引きで選び、「人間がどのようにお金を使うのかが楽しみ」というポリシーを持っている。しかし怒ると非常に怖く、銭天堂の商品を悪用しようとしたり盗み出して勝手に売りさばいたりする相手や、金色の招き猫に危害を加える者には容赦しない。第5巻では銭天堂のカプセルトイや飲み物が勝手に街中にばらまかれる事件の解決に乗り出す。その際、「本当に銭天堂を潰したかったら犯人は金色の招き猫を狙うはず」という考えから、調査を「分身ガム」の分身に任せ自身は「変化ヒゲ」で金色の招き猫に変身して店内に待機する。そして分身が実行犯の江代を捕まえている間に、金色の招き猫たちをさらいに来たよどみが来店したことで、よどみの逮捕へのきっかけとなった。
墨丸(すみまる)
声 - 片山福十郎[4]紅子の飼っている黒い猫。普段は「ニャー」としか鳴かないが、普通に言葉を話すことができ紅子と言葉が通じる。とても賢く、客を銭天堂に導いたり、紅子の不在時に店番をしたりする。毛皮のマフラーに変身し、紅子の首に巻き付いて移動することも可能。書籍版では巻末に絵日記を書いていて、そこでは紅子のことを「ご主人さま」と呼んでいる。
金色の招き猫(きんいろのまねきねこ)
声 - 片山福十郎(モブ個体)店の地下でお菓子作りや箱の組み立てをして働く招き猫。銭天堂の駄菓子が客に幸せをもたらすと、小瓶に入った小銭がこの招き猫になる。墨丸と同じく、普段は「ニャー」としか話さないが、普通に喋ることも可能。個体名と担当は15巻巻末に記載されている。
こがね
声 - 高木渉銭天堂の菓子工房の工房長。丸い模様が頬に2つ、額に3つあり、細目で眼鏡をかけている。皆の頼れるリーダー的存在。2021年度からは本編終了後、その回に登場したふしぎ駄菓子の解説をしている。『マスク・メロンパン』(TV版第49話)では黒い招き猫を捕獲した紅子の肩に乗っかっていた。
こはく
声 - ファイルーズあい飴担当。丸い模様が頬に2つ、額に1つある。一人称は「僕」。元気一杯な性格。こがねと同様、2021年度からは本編終了後、その回に登場したふしぎ駄菓子の解説をしている。『マスク・メロンパン』(TV版第49話)では銭天堂の駄菓子の材料に「悪意エキス」が混ぜられていたことを見抜いた。
こばん
声 - 坂本千夏煎餅担当。顔の中央に1つ、両頬に2つ人魂のような模様が、目の上に丸い模様が1つずつあるつり目の招き猫。めんどくさがり屋。
まめ
声 - 木野日菜三日月のような模様が両頬に1つずつある細目の招き猫。他の招き猫よりも小さい。やんちゃな性格。
つぶ
声 - 木野日菜三日月のような模様が額に1つ、両頬に2つずつある。他の招き猫よりも小さい。臆病な性格。
しらたま
こがねの右腕ポジション。雫のような模様が両目と両頬にそれぞれ2つずつあり、細目で眼鏡を掛けている。
おと
両目と両頬の上にそれぞれ1つずつ丸い模様がある細目の招き猫。食いしん坊だが蛙が苦手。
ちゃちゃ
声 - 宮本充お茶担当。両目の上に丸い模様が2つずつ、両頬に雫のような模様が2つずつある。よく気がつくタイプ。
かき
フルーツ担当。炎のような模様が額と頬にある。気が強い。
きなこ
声 - かぬか光明餅担当。花びらのような模様が額と頬にある細目の招き猫。まろとは双子でよく間違えられる。
まろ
声 - かぬか光明チョコレート担当。模様や顔つきは双子の兄弟であるきなこと同じ。
杉田 健太(すぎた けんた)
声 - 村瀬歩第10巻収録の『やりなおしおこし』から登場。母親が失踪し、祖母と同居している少年。本来は銭天堂に辿り着いた客の1人であり、紅子から「やりなおしおこし」を勧められるが購入を断った。その後は母親を待ちつつ銭天堂に住み込みで働いている。アニメでは『ふしぎなお客様』(テレビアニメ版第62話)に登場。つぶとまめが福引を回してしまい幸運のお客様としてやって来たが、彼の望みは駄菓子ではなく銭天堂で働くことだったので住み込みで働くことになった。だが、その際にジュエリージェリーを見つけて、その駄菓子のために母親が不幸になってしまい失踪する原因になったと思い、その瓶を落として割った。これがもとで紅子から怪しまれ、その上焼却炉から悪意エキスの罹った「アドベン茶?」を持ち出して、たまたま来た少年に渡した結果その効果で牢に閉じ込められてしまう。だが、そこから逃げ出して、「もう一度やり直したい」と言う願いを聞いた紅子から「やりなおしおこし」を勧められ、それを買った後口にして…。
たたりめ堂

悪意の宿る駄菓子を売る銭天堂のライバル店舗。客は同じく悩みを抱える者たちである。代金を支払う必要は無いが、駄菓子を食べた者は紅子の助けが無い限り必ず破滅する上、あとでよどみに代償を支払うこととなる。
よどみ
声 -
榊原良子第3巻収録(テレビアニメ版第11話)の『獏ばくもなか』?第11巻に登場。紅子のライバルで、悪意の入った駄菓子を売る「たたりめ堂」を経営する。見た目は真っ赤な彼岸花が描かれた着物を着た7歳ほどの少女だが、しわがれた声で喋る。客から悪意を吸い取りエネルギーにしている。第5巻では同じく銭天堂に恨みを持つ江代と結託する。銭天堂のカプセルトイ商品を町中にばらまいた他、彼には自動販売機から盗み出したジュースを売りさばくよう指示した。しかし、彼は逮捕された上に自販機やカプセルだけでなく金色の招き猫も盗んだため、自身もとうとう常闇横丁警察に逮捕されてしまった。紅子を憎むようになったきっかけは約30年前、学生時代の三河を客として狙ったが、迷子と間違われた挙げ句銭天堂の駄菓子を食べていたために断られたので、恥をかかされたと思い込んだこと。収監後、「悪鬼の型抜き」を後で渡すことを条件に怪堂をけしかけ、銭天堂に勝負を挑む。そして得た小銭から黒い招き猫を生み出し、本気で銭天堂を潰すことを目論む。しかし、自ら悪意エキスをかけた「ヒヤヒヤキャンティ」を食べたことで凍り付いた。そのため、紅子の気が向くまで冷凍室に閉じ込められることになったが、住み込んでいた健太が誤って冷凍室の扉を開けっぱなしにしたことにより解凍し、脱走する。その後は、銭天堂の菓子を買った人に手当たり次第自分の菓子を売り付け、一旦生まれた金色の招き猫を不幸虫に変えることに全力を注ぐ。しかし、自らが売った「引き裂きイカ」が紅子の手に渡り、紅子がそれを使って自分とよどみの縁を切ったため、よどみは二度と銭天堂や紅子に関われなくなる。
不幸虫(ふこうむし)
金色の招き猫とは対照的に、銭天堂の駄菓子が客に不幸をもたらしたり客が後悔したりすると生まれる。紅子は「紅子の負けでござんす」と言いながら瓶から逃がしているが、よどみはこの虫を虫籠に集め、邪悪な駄菓子の材料としている。
黒い招き猫
声 - 佐々木義人初登場は『因縁のはじまり』(テレビアニメ版第45話)。銭天堂との勝負で得た小銭を元によどみが生み出した。小銭から生まれる点は金色の招き猫と同じだが、こちらは凶悪な表情をしている。「ほしいイモ」や「泣かんパイ」に「悪意エキス」を混ぜてたたりめ堂のふしぎ駄菓子と同質のものに改変したり、「おっかさん仮面」の注意書きの部分を引っ掻いて判読不可能にしたりするといった悪事を働いていたが、『マスク・メロンパン』(テレビアニメ版第49話)で紅子とこがねに捕まってしまった。
その他
ヨガラス宅配便(よがらすたくはいびん)
第2巻のプロローグと『しっぺがえしメンコ』(テレビアニメ版第23話)に登場。銭天堂に荷物を届けている。配達員は黒い羽を縫い付けたマントを被った奇妙な身なりをしている。
鬼火堂(おにびどう)
第2巻収録の『しっぺがえしメンコ』に登場。おもちゃ屋さんらしく、紅子はこの店からカプセルトイを購入した。
宵闇横丁警察(よいやみよこちょうけいさつ)
声 -
佐々木義人第5巻収録(テレビアニメ版第30話)の『銭天堂、危機一髪』に登場。黒い布を頭に被った男たち。紅子に呼ばれて銭天堂に待ち伏せし、営業妨害だけでなく金色の招き猫の誘拐未遂までも犯したよどみを逮捕した。
怪童(かいどう)
声 - 竹中直人[5]第7巻収録(テレビアニメ版第38話)の『怪堂、現る』?第8巻に登場。遊園地「天獄園」を経営する男[5]。一人称は「あたし」、語尾は「?でやんす」。第5巻の一件で収監されていたよどみに依頼され、第6巻で「紅子の体調を崩させる」「間違った商品を客に渡させる」等といった妨害行為を行っていた張本人。その後彼女に果たし状を送り、「1ヶ月間銭天堂にたたりめ堂の商品を置いてほしい、どちらがより売れたかで勝敗を決める」と勝負を申し込む。


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