ひじき
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ヒジキ
ヒジキ
分類

ドメイン:真核生物 Eukaryota
階級なし:ストラメノパイル Stramenopiles
:オクロ植物門 Ochrophyta
:褐藻綱 Phaeophyceae
:ヒバマタ目 Fucales
:ホンダワラ科 Sargassaceae
:ホンダワラ属 Sargassum
:ヒジキ S. fusiforme

学名
Sargassum fusiforme
(Harvey) Setchell, 1931[1]
シノニム


Cystophyllum fusiforme Harvey1860[1]

Turbinaria fusiformis (Harvey) Yendo, 1907[1]

Hizikia fusiformis (Harvey) Okamura1932[1]

和名
ヒジキ、ヒジキモ[2]、ヒズキ[2]、ヒズキモ[2]、ミチヒジキ[2]

ヒジキ(鹿尾菜[2]、羊栖菜[2]学名: Sargassum fusiforme)は、ヒバマタ目ホンダワラ科ホンダワラ属に属する褐藻の1種である。ときに長さ1メートル以上になる大型の海藻であり、棍棒状の葉をつける。波の荒い海岸の岩礁域潮間帯下部に繁茂し、春から初夏に生殖器を付けて成熟、夏になると大部分が消失するが、繊維状の付着器が残ってそこから芽を出して生長する。日本を含む東アジア沿岸域に分布し、日本では北海道南西部以南に分布するが、日本海側北部にはほとんど見られない。

日本では古くから煮物などの食材とされ、総菜として極めてふつうに使われている。一般的に健康食・長寿食とされていることから、旧敬老の日にちなんで9月15日を「ひじきの日」としている[3]。日本で流通しているヒジキの多くは中国韓国産の養殖品であるが、日本産のヒジキの多くは天然品である。
特徴

付着器は繊維状根であり、そこから直立する短い円柱状の茎から数本の主枝が伸びている[4][5][6]。主枝は先端成長を行い、円柱状、直径3?4ミリメートル、長いものでは長さ1メートルを超えることもあり、また長さ5?10センチメートルの側枝を羽状に互生する[4][5](右上図1)。主枝や側枝には多数の葉がついており、下部の葉は扁平なへら状で鋸歯があり(右上図3?5)、上部の葉は円柱状であるが(右上図2)、地域による葉の形態変異が大きい[5][6]日本海側では、上部の葉も扁平で幅広くなることがある[7]。気胞は葉腋に生じ、紡錘形で葉よりも短い[5][6]。藻体の質は多肉質、色は黄褐色であるが乾燥すると黒くなる[5][7]

雌雄異株であり、初夏に雄性または雌性の生殖器床を葉腋に数個ずつつける[4][5][6]。生殖器床は長楕円形から円柱状、雄性生殖器床の方が雌性生殖器床よりも細長い[4][6]。雄性生殖器床の生殖器巣中の造精器で精子がつくられ、放出される[4]。雌性生殖器床の生殖器巣中の造卵器で形成されたは放出され、雌性生殖器床を覆う粘液質中に留まり、そこで受精する[4][6]。受精卵は発生を開始して幼胚となり、発生開始後1日ほどで粘液質から解離して水底に着生する[4][6]。発芽体は仮根を発達させて岩に付着し、初期葉を形成して幼体となり、茎や繊維状根を伸ばす[4]。幼体は翌年の初夏にかけて生長、成熟し、有性生殖後の夏にはほとんどの藻体は流出・消失するが、繊維状根の新しい部分は残存し、新芽を形成して新たな藻体を形成する[4][6][7]

葉緑体DNAとミトコンドリアDNAの全塩基配列、およびゲノムのドラフト塩基配列 (おおよその塩基配列) が報告されている[8][9][10]
分布・生態

日本(北海道南西部、本州四国九州および沖縄本島)、韓国中国南部に分布する[4][5][6]。ただし潮汐差の小さい日本海側北部(青森県から能登半島)では粟島を除いて分布しておらず、日本海側南部でも散在的にしか見られない[4][6]。タイプ産地は静岡県下田[1][5]

潮間帯下部の岩上に密生し、早春から初夏にかけて岩上を覆うように群落を形成する[4][5][6][7][11]。垂直分布の範囲は比較的狭く(30?50センチメートル)、上限と下限の境界は明瞭である[6]
保全状況評価

日本全体では絶滅危惧種等には指定されていないが、沖縄県レッドデータブックでは絶滅危惧U類に指定されている[12]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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