ひかりレールスター
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ひかり (列車) > ひかりレールスター

新幹線700系電車 > ひかりレールスター

ひかりレールスター
走行中のひかりレールスター
概要
日本
種類特別急行列車新幹線
現況運行中
地域山口県広島県岡山県
前身新幹線「ウエストひかり
運行開始2000年平成12年)3月11日
後継新幹線「さくら」(一部)
運営者西日本旅客鉄道(JR西日本)
路線
起点新下関駅
終点岡山駅
営業距離355.8 km
運行間隔上り1本のみ
列車番号2590A
使用路線山陽新幹線
車内サービス
クラス普通車
座席普通車自由席
普通車指定席
4人用個室(普通車指定席)
技術
車両700系E編成
(JR西日本博多総合車両所
軌間1,435 mm
電化交流25,000 V・60 Hz
最高速度285km/h
備考
2023年3月18日ダイヤ改正時点のものを示す。
テンプレートを表示
ロゴマーク

ひかりレールスター(Hikari Rail Star)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)が山陽新幹線で運行する「ひかり」の一種の車両および愛称である。

本項では、同列車用に開発された新幹線700系電車7000番台についても記述する。
概要ひかりレールスターロゴ
(2008年9月26日 博多駅先頭部分のひかりレールスターロゴ
(2019年4月13日 岡山駅700系E編成
(2009年5月21日 姫路駅

東海道新幹線に比べると輸送人員が低い山陽新幹線を引き継いだJR西日本にとって、最も売り上げの見込まれる京阪神北九州市福岡市間の輸送では、両都市とも比較的空港へのアクセスが良く、1995年阪神・淡路大震災後は、しばらく山陽新幹線が不通状態にあったことも重なって航空会社が優勢だった。

このためJR西日本は、発足当初から山陽新幹線の乗客を増やす目的で、0系を12両に短縮して普通車座席の横2列+2列化など、車内を大幅にリニューアルし、新大阪 - 博多間を最速2時間59分(途中岡山駅・広島駅・小倉駅に停車)、平均3時間10分足らずで結ぶ「ウエストひかり」を投入し、沿線主要都市間を結ぶ速達列車を増発した。しかし、「のぞみ」の山陽新幹線直通運転開始後は、「のぞみ」を待避する必要があるため、所要時間が3時間10 - 30分程度にまで延びていた。このように車両性能の限界やのぞみを待避する時間などにより所要時間短縮が望めない0系を使い続けることには限界があり、また運行コストの削減も急務であった。そこで当時最新の700系を投入して抜本的な改善を図るため、2000年平成12年)3月11日に「ひかりレールスター」が運行を開始した[1]

「ひかりレールスター」という列車名は、走行する姿を「レール上を駆け抜ける流星の様なイメージ」で表現したことが由来である[1]。また、当時は「インテリジェント・サルーン」という呼び名があった[1]

従来の「ひかり」や「のぞみ」とは別の扱いを受けている。企画・開発にあたってはマーケティングリサーチをもとにして行われた。その結果、利用者の大きな支持を得ることができ[注釈 1]、京阪神 - 福岡間において航空からシェアを奪還することに成功した。

2011年(平成23年)3月の九州新幹線鹿児島ルート全線開業に合わせて運転が開始された直通列車は別途「さくら」の愛称が付与され、停車パターンは「ひかりレールスター」を踏襲する形で運行を開始。これに伴って「ひかりレールスター」は「さくら」に置き換わる形で本数が半減された。その後もN700系(S編成8両)の増備が進むにつれて「ひかりレールスター」の愛称が付与されない「ひかり」への置き換えが進み、この「ひかり」も2012年(平成24年)3月17日のダイヤ改正ではN700系(S編成8両)の増備完了に伴う「さくら」の増発によって同列車に置き換えられた。2023年(令和5年)3月18日時点では、山陽新幹線区間で完結する「ひかり」の定期列車は下り1本、上り2本のみとなり、そのうち「ひかりレールスター」は上り列車1本まで縮小された。「ひかりレールスター」は通過駅が少なく、厚狭駅のみ通過する。繁忙期には、「さくら」並の停車駅数の臨時列車が設定されることもあるが、それについても列車によっては待避が多く、新大阪 - 博多間通しで3時間半に迫る列車もある。
運行概況「さくら (新幹線)#運行概況」も参照

2023年(令和5年)3月18日時点で、山陽新幹線区間のみで完結する定期「ひかり」は下り1本と上り2本のみで、このうち新下関発岡山行き列車が「ひかりレールスター」として運転されている。このほか、新大阪 - 博多間の臨時「ひかり」[注釈 2] と姫路 - 博多間の臨時「ひかりレールスター」(後述)の運転がある。

停車駅での案内放送や車内放送は、「ひかり○○○号 レールスター」と案内される。JR東海が管理する新大阪駅では「ひかり○○○号」と、「レールスター」とアナウンスされないが、発車標には「レールスター」の表示がある。

市販の時刻表では「ひかりレールスター。8両編成(グリーン車マーク)なし」(交通新聞社版)、「〔ひかりレールスター〕で運転」(JTBパブリッシング版)という注釈が記載される。

ながらく毎時1 - 2本の運行であったが、九州新幹線全線開業にあわせた2011年3月のダイヤ改正で、半数以上を九州新幹線直通列車の「さくら」(N700系7000・8000番台)に差し替えたため、本数は従前よりほぼ半減し、毎時1本程度運転となった。その後N700系S編成の増備が進んだことから、ダイヤ改正を待たずに順次N700系S編成に置き換えられ、同年12月1日以降の700系E編成での「ひかり」運用は2往復にまで減少、2012年3月17日のダイヤ改正で現行の上り1本のみの運転となった[2][3][4][5][6][7]。なお、かつては「ひかりレールスター」と「さくら」は通しの列車号数を使用していたが(列車番号は「ひかりレールスター」が号数+2000で区別されている)、2012年のダイヤ改正より「ひかりレールスター」が使用していた540 - 580号台は「さくら」専用の号数となり、「ひかり(レールスター)」は440・442・ 443号の号数が付与された。2022年3月12日のダイヤ改正で「ひかりレールスター」は,上り列車2本のみの運転となった。また、上り列車1本は小倉駅始発となった[8][9][10][11][12]

かつて新大阪駅では、大半の列車が南端にある20番線に発着していた。そのため東海道方面への乗り換えは同じホームで乗り換えが可能な新神戸駅岡山駅を推奨されることが多かった。また博多駅でも大半の列車は旧11・12番のりば(現在の13・14番のりば)から発車し、ホーム上には「ひかりRail Star(ロゴマーク)のりば」と車体のカラーリングをあしらった電照看板が設置されていた。そのほかの停車駅にも「Rail Star(ロゴマーク)停車位置」と、ダークグレーとサニーイエローの帯を配した乗車目標が記されていた(新大阪駅では単に700系8両とのみ表示)。2011年3月以降はN700系8両編成と共用の乗車目標となっている。

2018年(平成30年)6月2日から9月29日にかけて、週末を中心に姫路 - 博多間で1往復の臨時「ひかりレールスター」が運転された。博多行きは577号・姫路行きは576号で、停車駅は岡山駅・広島駅・新下関駅・小倉駅であった。
停車駅「ひかり (列車)#停車駅」も参照

2023年3月18日ダイヤ改正時点。新下関駅新山口駅徳山駅新岩国駅広島駅東広島駅三原駅新尾道駅福山駅新倉敷駅岡山駅

2023年3月18日時点、山陽新幹線内完結ひかりの運転本数(定期列車)と停車駅[11][12]
厚狭駅は以下の全列車とも通過のため省略運行号数\駅新大阪駅新神戸駅西明石駅姫路駅相生駅岡山駅新倉敷駅福山駅新尾道駅三原駅東広島駅広島駅新岩国駅徳山駅新山口駅新下関駅小倉駅博多駅備考
下り591号●●●●●●●●→●●●●●●●●●N700系(16両)で運転
上り590号     ●●●●●●●●●●●  「レールスター」として運転
上り592号●●←●←●←●←←←●←←●←●●N700系(16両)で運転

凡例
● : 停車← →:通過
使用車両

700系7000番台(E編成)が使用されている。E編成は東海旅客鉄道(JR東海)所有のC編成およびJR西日本所有のB編成と仕様が大きく異なる点が多数存在するため、山陽新幹線内限定運用として区別されている。車両自体は行先表示器などには東海道新幹線内の駅名表示も準備するなどして走行可能であるが、JR東海側が16両貫通編成以外の旅客営業運転での入線を認めない方針から鳥飼車両基地への回送以外での入線実績はない。

700系E編成を充当する「こだま」が新大阪 - 博多間に1日下り3本、上り7本、新大阪 - 広島間に1日下り3本、1日に下り24本、上り20本の計44本が運行されている。元々は間合い運用的に少数のみ運行されていたが、「さくら」の増発による「ひかりレールスター」の削減に伴い、運用に余力が発生した700系7000番台を「こだま」への運用に振り向けることとなったもので、これに伴い「こだま」で運用されていた100系を運用から離脱させ、2011年3月にはK編成(6両編成)の新大阪?岡山間運用とP編成(4両編成)が運行終了、2012年3月にはK編成(6両編成)が運用を終了した。
「ひかり」以外での運用

現在700系E編成の定期「ひかり」運用は1日1本のみで、大半が「こだま」および博多南線で運用されている。また、東海道区間で大幅な遅れが見込まれるときは、東海道新幹線からの直通列車を新大阪始発として「のぞみ」などに充当することがある。

700系E編成が「こだま」で運用される場合、当初は指定席は8号車のみの設定であり、4 - 7号車の「サルーンシート」は自由席だった。2012年3月17日のダイヤ改正より、指定席が8号車から5・6号車に変更されたことで8号車が自由席になった。さらに、2014年(平成26年)3月15日ダイヤ改正より、4号車も一部の列車を除き指定席となった。このため「こだま」では8号車コンパートメント席部分は灯りが消されている。コンパートメント席の扉の開閉はできるが利用はできない。また、全般検査を施行する際に、順次外部から施錠できるように改造されている。そのため夜間走行時は車両内後部は薄暗くなっている。乗降の扉は従来通り開閉されているのでコンパートメント席付近の通路の通行は可能である[13]。2020年の途中から一部の「こだま」の7号車、8号車が指定席となり、この場合は普通個室を使用できるようになった[14][15]。博多南線では「サイレンスカー」の設定は当初から行われていない。

E編成は8両編成であることから、最繁忙期には16両編成である500系W編成、700系3000番台B編成が、また故障や車両検査時には500系V編成がそれぞれ代用運転されることがあった。
車両性能レールスターの運転台レールスターの連結部

台車は500系と同一品を装着し、これはのちに登場した16両のB編成も踏襲している。東海車C編成用の台車と歯車比(C編成2.96に対しE編成2.79)が異なるため、制御装置の特性を変更して起動加速性能を合わせている。

700系の動力性能により、最高速度はB編成・C編成運用の「のぞみ」と同一の285km/hで、かつ途中停車駅での後続列車の待避は一部を除き原則行われていない。新大阪 - 博多間の標準所要時間は2時間45分で「のぞみ」と比べて6 - 22分の差でしかなかった。そのため、「さくら」が登場する前の山陽新幹線の指定席利用者は座席の快適性や指定席特急料金が「のぞみ」よりも安かったこともあって「レールスター」を指名する客が多く、座席数の少ない「レールスター」の指定席は常に満席に近い状態で「のぞみ」よりも先に売り切れることもあった。

走行速度が285km/hに達すると、車内案内表示器に「Rail Star(ロゴマーク) ただいまの速度は285km/hです。We are now travelling at 285 km/h.」と表示される。


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