はんだ
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左: 無鉛はんだ
右: 有鉛はんだ

はんだ(半田、盤陀、英語: solder)とは、はんだ付けに利用されるスズを主成分とした合金である。金属同士を接合したり、電子回路で、電子部品をプリント基板に固定するために使われる。材質にも依るが、4 - 10K程度で超伝導状態へと転移する。

2003年RoHSなど環境保全の取り組みにおいて、鉛をほとんど含まない鉛フリーはんだ(無鉛はんだ)が使われることが多い。
名称と語源

「はんだ」という名称は仮名書きされることが一般的であるが、「半田」「盤陀」などの漢字表記がなされることもある。

「はんだ」という名称は、江戸時代初期に成立した仮名草子『尤草紙(もっとものそうし)』に見られる。この作品は『枕草子』の「ものは尽くし」のパロディであり[1]、「つよき物」として「しっくい」「むぎうるし」とともに「はんだ」が挙げられている[2]

「はんだ」の語源は不明である[3][4][5]。語源説として以下のようなものがある。

地名由来とする説[3][4]

江戸幕府の銀山であった半田山(福島県桑折町)から来ている[5][6]という説。ただし半田山では錫を産出したという記録はない[5]

「マレー諸島にあるバンダ島」に由来するという説を載せる事典もある[5]。インドネシアにはバンダ諸島バンダ海があるものの、錫産地とは大きく離れている[5]


人名由来とする説[3][4]

中国語の「ハンラ」(?鑞 hanla)から転訛したとする説[注釈 1]。これについては、古くは「ロンラ」(鎔鑞 rongla)と呼んでいたはずとする説もあり、確証には欠ける[5]

錫と鉛の混合比がほぼ「半々だ」というところから来ているという説[5]

はんだの歴史

ろう付け(融点が450度以上の硬鑞を用いたろう接)には遅れるものの、はんだ付け(融点が450度未満の軟鑞を用いたろう接)の歴史も古い。紀元前3000年頃にははんだ付けが存在したと考えられている。ツタンカーメン王の墓からもはんだ付けを使った装飾品が出土している。ギリシャ-ローマ時代になると、水道配管を錫-鉛はんだではんだ付けした記録が残されている。

中国では、少なくとも紀元前300年頃には、はんだ付けした壷が存在していた。

缶詰は、19世紀に登場以来、胴や蓋を接着する手法に長らくはんだ付けが行われてきた。19世紀末に、はんだ付機が開発されたこと、蓋と胴の接続に二重巻き込み製法が開発されるなど、缶の大量生産のボトルネックとなるはんだ付けを軽減する手法が開発されたが、一枚板を丸めて作る胴の部分の接続ははんだ付けを避けることはできず、1966年にアメリカ・キャン社によってナイロン接着剤とする製造方法が開発されるまで続けられていた[7]
日本

日本ろう接の歴史でもろう付けが先行した。4世紀ころには鋳掛補修が行われた銅鐸も作られている[8]。奈良の大仏の建造では、錫に鉛を混ぜた合金である白鑞(しろめ)がろう材として使われ[5]、仕上げや補修のために使用されたと考えられている[8]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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