はねバド!
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はねバド!


ジャンルスポーツバドミントン
学園
漫画
作者濱田浩輔
出版社講談社
掲載誌good!アフタヌーン
レーベルアフタヌーンKC
発表号32号 - 2019年11月号
発表期間2013年6月7日 - 2019年10月7日
巻数全16巻
話数全79話
小説:小説 はねバド!
著者望月唯一
イラスト濱田浩輔
出版社講談社
レーベル講談社ラノベ文庫
発売日2018年6月29日
アニメ
原作濱田浩輔
監督江崎慎平
シリーズ構成岸本卓
キャラクターデザイン木村智
音楽加藤達也
アニメーション制作ライデンフィルム
製作「はねバド!」製作委員会
放送局TOKYO MXほか
放送期間2018年7月2日 - 10月1日
話数全13話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『はねバド!』(The Badminton play of Ayano Hanesaki!)は、濱田浩輔による日本漫画。高校女子バドミントンを題材にした作品で、『good!アフタヌーン』(講談社)にて2013年32号から2019年11月号まで連載された。2019年10月時点でコミックス累計発行部数は180万部を突破している[1]
概要

作者の濱田が『週刊少年ジャンプ』にて連載していた前作『パジャマな彼女。』と同一の世界観の物語であり、同作のキャラクターが本作にも登場する。

濱田自身は小3から高3までバスケットボール漬けの生活だったことから部活動をしていない『パジャマな彼女。』の主人公に感情移入できず[2]、「部活にすべてを賭けるような雰囲気の青春スポーツマンガ」を描きたいと思ってたところ[2]2012年のロンドンオリンピックにおいて、バドミントンの藤井瑞希垣岩令佳ペアが銀メダルを獲得した試合をテレビで見て[3]、バドミントンが激しく動くスポーツだということを知らなかったが[4]「このスピード感を漫画にしたら面白そうだ」と感じたたからだという[3]。なぎさと綾乃は当時中学生と高校生でペアを組んでいた山口茜大堀彩の印象を混ぜて作り上げられている[4]。企画当時の設定では、綾乃は三角巾を被る定食屋の娘で、商店街の期待を背負いオリンピックを目指す女の子であったが、最終的には最初のアイディア通り高校を舞台とした部活ものに設定が変更された[3]

バドミントンの試合は高速で駆け引きが複雑なことからリアルすぎると読者に伝わりにくくなることや、バスケットボールを題材にした『どがしかでん!』では自身が経験者であるため客観的に見ることができなかったという反省を踏まえ、あえて試合を単純化し担当のアドバイスに従って選手へのインタビューも行わなかったという[2]

本作は単行本3巻までと4巻以降からで絵柄が大きく変化している。これは、濱田の描きたい物語が連載を通して明確になってきたため[3]。絵柄を変えることで試合の描写がより迫力のあるものになり、本格的なスポーツものを描けると判断した濱田が作風を模索した結果、4巻以降の絵柄が変化した[3]。その話題性もあり、5巻以降の発行部数は4巻までの発行部数よりも増えることになった[3]。全体的な作品の要素としては「努力と才能」「敗北による成長」「二人で成長する」ことを特に強く描いている[3]。また、第2部より展開される「全国大会編」では、7巻まで「神童」として描かれてきた綾乃が、全国の神童たちが集まる大会において「フィジカルで劣る普通のプレイヤー」として描かれている[3]。これは、かつて神童と言われていた子が進学した途端に平凡になったり消えていく姿を見てきた濱田が、元神童だった子の苦しさや頑張りを綾乃で描きたいと思ったためである[3]

2018年6月29日には講談社ラノベ文庫により、フレゼリシア女子短大付属高校を舞台とした小説『小説 はねバド!』が刊行されている。執筆は望月唯一[注 1]

2018年7月から10月にかけてはテレビアニメが放送された。アニメ版では物語の展開や各キャラクターの設定、演出などが原作から一部変更されている[注 2]
あらすじ
第1部

神奈川県にある北小町(きたこまち)高校バドミントン部、ここで新たにコーチを受け持つことになった立花健太郎だが、練習が厳しすぎると部員が続々とやめていき、新主将となった荒垣なぎさも彼に反抗的で部は分裂寸前、大会出場の頭数も足らないほど窮地に立たされていた。

そんなとき、立花はふと、羽咲綾乃という新1年生に出会う。一見気弱で華奢な彼女だが、軽々とローファーを履いたまま木を駆け上るほどの運動神経の持ち主で、左手にはバドミントンの経験者らしきマメもあった。そこで、彼は綾乃を部員にしようと画策するが、彼女から絶対に嫌だと拒絶される。そんな時、なぎさは綾乃の姿を見て動揺する。実は、全日本ジュニア選手権で彼女は綾乃と名乗る人物に、スコンク(シャットアウト負けのこと)で惨敗しており、そのときの恐怖が思い起こされたからだった。

結局、綾乃は入部しないままだったが、やる気半ばの状態で挑んだなぎさとのマッチに敗れ、北小町高校とフレゼリシア女子短大付属高校の練習試合に、強制的に参加させられることに。そこでも彼女は動転し、思わずチームの輪から抜け出してしまうが、迷子のさなか留学生のコニー・クリステンセンに出会う。彼女は、逃避行動を繰り返す綾乃に対し「もっと繋がりあえばいい」と進言し、その言葉を受けて綾乃は再びラケットを握るようになる。しかもコニーは数年前失踪した自分の母親のことを知っているといい、そのことが後の綾乃の人生と価値観を大きく左右することになる。

その後、綾乃は北小町高校バドミントン部に入部するが、入部早々顔を出さなかったり、友人に嗾けられるまで練習を怠けたりと、何かとちぐはぐな状態が続く。そんな矢先、彼女は宿命の相手ともいえる芹ヶ谷薫子に遭遇、練習試合で彼女に惨敗を喫する。だが、そこからスイッチが入り、県大会本戦では「ボコボコにするために来た」と告げ、有言実行で薫子を圧倒する。それを見ていたバドミントン連盟会長のヴィゴが綾乃に対し「母親に会わせる」という約束で会場から連れ出し、謎の中国人選手“羅小麗”と対戦させる。圧倒的な実力差を垣間見せられ、しかも、これを逃したら母親にもう会えなくなるというという窮地の彼女だったが、そこで眠っていた闘争本能と才能が目を覚まし、相手に対し不敵な笑みを浮かべるまでに。そこから、彼女の態度は次第に豹変していき、予選で完膚なきまでの圧勝を繰り返していく。一方でこの大会に人一倍強い思いを寄せていた荒垣なぎさは、スランプから脱出し、次々とライバルを撃破、そして2人は決勝の舞台で互いに矛を交えることとなる。
第2部

なぎさとの熱戦を繰り広げ、北小町高校の主力選手となった綾乃だったが、同時に迷いも生まれていた。それは、自分は伸び悩んでいるのではないか、自分は相手に対し、驕っているのではないか…と。それを見透かしていたのはライバルの芹ヶ谷であり、彼女は自分なりの持論を綾乃に打ち明ける。それによって目が醒めた綾乃は、ある決意をする。それはもっと強くなるために北小町高校バドミントン部から退くことで、仲間との辛い別れを遂げる。一方、膝を痛め団体戦を欠場していたなぎさは、立花コーチとマンツーマンで全国大会へ照準を合わせ、2人は全国大会の大舞台に顔を出す。しかし、そこには三強と目される益子泪、志波姫唯華、津幡路と、デンマーク人でプロ選手としても活躍していたコニー・クリステンセンやその他全国の強豪が待ち構えており、想像を絶する激戦の火蓋が切られる。
登場人物
北小町高校

本作の主人公羽咲綾乃が通う神奈川県の公立高校である。インターハイ用のユニフォームは、身体のラインに沿ったピッタリしたシャツとスパッツという露出度の高いものとなっている。※はアニメ版のみの登場人物。

登場人物の苗字は神奈川県の地名が多い。
羽咲 綾乃(はねさき あやの)
- 大和田仁美[5][6]本作の主人公。1年生。右利き(バドミントンでは左利き)。身長151センチメートルとバドミントン選手としては小柄な体格。驚異的な運動神経と左手にラケットを握る競技の経験者のようなマメをバドミントン部のコーチである立花健太郎に認められ、入部の勧誘を受けることになる。本人はバドミントンの経験はあるがあまり好きではなく、入部の勧誘にも快く思っていなかったが、なぎさとの賭けに敗れ、そしてコニーの言葉もあり入部を決める。その素性は全日本10連覇の実力を持つ母親より幼少時から英才教育を受けてきた天才少女で、なぎさにトラウマを植え付けた神藤綾乃と同一人物である。高い選球眼と瞬発力、読みの鋭さを生かした守備力重視型で、子供のころから培ってきたラリーを続けるバドミントンが身上。また、本能的に相手の嫌がる場所へ攻める才覚も持っており、左から繰り出されるカットスマッシュや咄嗟の右手での攻撃など多彩な武器を持つ。それだけでなく精神攻撃も得意とし、相手からは体力と思考力が奪われると評される。その反面、小柄な体格のため筋持久力や体力面に不安を抱え、特に攻撃面においては決定力が弱く、フルショットを連発しないといけないことで、筋肉と体力を大いに消費してしまう。また、メンタル面も脆い一面があり、自分自身が伸び悩んでいるとか、他人に対し驕っているとか不安視していた場面もある。


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