この項目では、1964年のフランス映画について説明しています。2012年の日本映画については「はなればなれに (2012年の映画)」をご覧ください。
はなればなれに
Bande a part
監督ジャン=リュック・ゴダール
脚本ジャン=リュック・ゴダール
原作ドロレス・ヒッチェンズ
『はなればなれに』(Bande a part)は、1964年(昭和39年)製作・公開、ジャン=リュック・ゴダールによるフランスの長篇劇映画である。 ゴダールの長篇劇映画第7作で、即興演出、ミュージカル風シーンもあるコメディ・タッチの犯罪ミステリーである[1]。原作はドロレス・ヒッチェンズ
概要
有名なのは3人のダンス・シーンで、アンナ・カリーナとクロード・ブラッスールのダンスにサミ・フレーが加わる形でダンスが始まり、音楽はミシェル・ルグランが本作のために書き下ろしたリズム・アンド・ブルースであるにもかかわらず、俳優たちは「マジソン・ダンス」と呼んでいたという[2]。このシーンは、クエンティン・タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』(1994年)[3]、ハル・ハートリー監督の『シンプルメン』(1992年)[4]等に影響を与えた。また3人でルーブル美術館を走り抜けて、ルーブルを一周する最短記録を更新するというシーンは後にベルナルド・ベルトルッチの60年代後半のパリを舞台とした映画『ドリーマーズ』(2003年)でも参照されている。
ゴダールは、本作について「不思議の国のアリス・ミーツ・フランツ・カフカ」(Alice in Wonderland meets Franz Kafka.)と表現している[5]。
日本では、長らく未公開映画であり、東京日仏学院ホール等での特殊上映以外では観ることができなかった。2001年(平成13年)2月3日、製作以来37年ぶりに、日本で初めて劇場公開された。 ある冬のパリ。2人の青年、フランツ(サミー・フレイ)とアルチュール(クロード・ブラッスール)は、推理小説マニアの親友どうしで、性格は正反対だが、英語学校に現れた美しい生徒オディル(アンナ・カリーナ)に2人とも一目ぼれしてしまう。オディルは、北欧の国からおばの住むパリにやってきたのだが、どうもおばの家には大金が隠されていることを知る。 フランツとアルチュールは、オディルを巻き込み大金を盗み取る計画を練る。いざ犯罪決行の日が来たが、次々に事態はおかしくなり、ついにアルチュールが撃たれてしまう。フランツとオディルは逃走、貨物船に乗り南米へ。フランツとオディルの冒険は続く。 レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは51件のレビューで支持率は94%、平均点は8.10/10となった[6]。
スタッフ
監督・脚本 : ジャン=リュック・ゴダール
原作 : ドロレス・ヒッチェンズ
撮影監督 : ラウール・クタール
録音 : ルネ・ルヴェール、アントワーヌ・ボンファンティ
編集 : アニエス・ギュモ
スクリプター : シュザンヌ・シフマン
音楽 : ミシェル・ルグラン
助監督 : ジャン=ポール・サヴィニャック、エレーヌ・カルーギン
製作主任 : フィリップ・デュサール
製作 : アヌーシュカ・フィルム、オルセー・フィルム
キャスト
アンナ・カリーナ (オディル役)
ダニエル・ジラール (英語教師役)
ルイザ・コルペン (ヴィクトリア夫人役)
シャンタル・ダルジェ (アルチュールのおば役)
サミー・フレー (フランツ役)
クロード・ブラッスール (アルチュール役)
ジョルジュ・スタケ (軍人役)
エルネスト・メンツェル (アルチュールのおじ役)
ジャン=クロード・レモルー (飲酒する生徒役)
アルファベット順
ミシェル・ドラーユ (ポーター役)
ジャン=リュック・ゴダール (ナレーション)
ムッシュ・ジョジョ
クロード・マコウスキー (英語クラスの男子学生役)
ミシェル・セゲール (英語クラスの女子学生役)
ストーリー
評価
関連事項
ジャン=リュック・ゴダール監督作品一覧
マジソン (ダンス)
A Band Apart(英語版) - クエンティン・タランティーノによる映画プロダクションで、名前は本作にちなんでいる。
関連書籍
Dolores Hitchens, Fool's Gold, Doubleday, 1958.
ドロレス・ヒッチェンズ(著)・矢口誠(訳)『はなればなれに』 新潮社〈新潮文庫〉、2023年3月1日初版発行、.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4-10-240271-9
註^ キネマ旬報DBサイト内の「 ⇒はなればなれに[リンク切れ]」の項の記述を参照。