はと座
[Wikipedia|▼Menu]

はと座Columba
はと座の恒星
属格形Columbae
略符Col
発音英語発音: [k??l?mb?]、属格:/k??l?mbi?/
象徴[1][2]
概略位置:赤経 05h 03m 53.8665s -  06h 39m 36.9263s[3]
概略位置:赤緯−27.0772038° - −43.1116486°[3]
20時正中2月上旬[4]
広さ270.184平方度[5]54位
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数18
3.0等より明るい恒星数1
最輝星α Col(2.65
メシエ天体数0
確定流星群無し[6]
隣接する星座うさぎ座
ちょうこくぐ座
がか座
とも座
おおいぬ座
テンプレートを表示

はと座(はとざ、ラテン語: Columba)は、現代の88星座の1つ。おおいぬ座の南西、うさぎ座の南の位置に16世紀に考案された新しい星座で、ノアの方舟の伝承に登場するハトをモチーフとしている。
主な天体
恒星「はと座の恒星の一覧」も参照

2024年1月現在、国際天文学連合 (IAU) によって4個の恒星に固有名が認証されている[7]

α星:太陽系から約286 光年の距離にある、見かけの明るさ2.65 等、スペクトル型 B9Ve のB型主系列星で、3等星[8]。はと座で最も明るく見える恒星。分光スペクトル中に強い水素の輝線が見られるBe星に分類されている[8]アラビア語ジュズカケバトを意味する言葉に由来する[9]「ファクト[10](Phact[7])」という固有名を持つ。

β星:太陽系から約88 光年の距離にある、見かけの明るさ3.12 等、スペクトル型 K1III_CN+1 の赤色巨星で、3等星[11]。アラビア語で「重さ」を意味する言葉に由来する[12]「ワズン[10](Wazn[7])」という固有名を持つ。

θ星:太陽系から約782 光年の距離にある、見かけの明るさ4.994等、スペクトル型B7IIIの青色巨星で、5等星[13]。アラビア語で「孤独なものたち」を意味する言葉に由来する「エルクルド[10](Elkurud[7])」という固有名を持つ。

WASP-63:太陽系から約942 光年の距離にある、見かけの明るさ11.15 等、スペクトル型 G8 の11等星[14]2011年木星の0.38倍の質量を持つ太陽系外惑星が発見された[15]2022年に開催されたIAUの太陽系外惑星命名キャンペーン「NameExoWorlds 2022」でクロアチア共和国のグループからの提案が採用され、主星は Kosjenka、太陽系外惑星は Rego? と命名された[16]

このほか、以下の恒星が知られている。

μ星:太陽系から約1,890 光年の距離にある、見かけの明るさ5.18 等、スペクトル型 O9.5V のO型主系列星で、5等星[17]逃走星として知られる。「約250万年前にこの星とオリオン座ι星Bの連星系とぎょしゃ座AE星とオリオン座ι星Aの連星系が互いに接近して重力相互作用し合った結果、この星とぎょしゃ座AE星が弾き出され、オリオン座ι星AとBが連星として現在の位置に残った」とする説が出されている[18]

星団・星雲・銀河

いわゆる「メシエ天体」は1つもないが、パトリック・ムーア(英語版)がアマチュア天文家の観測対象に相応しい星団・星雲・銀河を選んだコールドウェルカタログに選ばれた球状星団が1つある[19]

NGC 1851:太陽系から約3万7000 光年の距離にある球状星団[20]1826年5月29日にジェームス・ダンロップ(英語版)によって発見された[21]。コールドウェルカタログの73番に選ばれている[19]
ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラWFC3で撮像された球状星団NGC1851。
流星群

IAUの流星データセンター (IAU Meteor Data Center) で確定された流星群 (Established meteor showers) とされた流星群のうち、はと座の名前を冠するものは1つもない[6]
由来と歴史

はと座の歴史は、オランダ天文学者で地図製作者のペトルス・プランシウスが、1592年に大きな壁掛け地図を製作した際に、地図の脇に小さな星図を描き、その中でおおいぬ座の南西に鳥の姿を描いたことに始まる[2]。ただし、このときプランシウスは名前を付けていない[2]。1594年作成の小世界地図や、1598年製作の天球儀の上にもハトの姿が見られるが、名前は示されなかった[2]

天球儀上に描かれたハトに初めて星座名を付けたのは、オランダの天文学者で地図製作者のウィレム・ブラウ(英語版)であった。ブラウは、プランシウスやヨドクス・ホンディウス(英語版)の天球儀から星の位置をコピーして1602年に天球儀を製作した。ブラウはこの天球儀上に、オリーブを咥えアルゴ船に向かって飛ぶハトの姿を描き、それに「ノアのハト」を意味する Columba Noe という星座名を記した。また、アルゴ座には「Argo Navis, Arca Noe(アルゴ船、ノアの方舟)」という名称を付け、このハトが旧約聖書創世記で語られるノアの方舟の伝承に登場する、ノアに大洪水が退いたことを知らせたハトであることを明らかに示した[22]ドイツヨハン・バイエルは、1603年に著した天文書『ウラノメトリア』ではと座を独立した星座として扱っていないものの、Canis Major(おおいぬ座)の星図の中で犬の右下に鳩を描き[23]、星表ではυの符号をつけて Recentioribus Columba(「最近は鳩」)と記した[24]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:76 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef