はぐれ刑事純情派
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はぐれ刑事純情派
ジャンル
刑事ドラマ
企画白崎英介
脚本石松愛弘
石原武龍
小木曾豊斗
宮川一郎
篠崎好
高久進
大塚孝典
洞沢美恵子
難波江由紀子
奥村俊雄
監督吉川一義
鷹森立一
天野利彦
村川透
田中秀夫
岡屋龍一
道木広志
高畑隆史
出演者藤田まこと
小川範子
松岡由美
岡本麗
島田順司
梅宮辰夫
眞野あずさ
オープニング作曲:甲斐正人
エンディング主題歌 参照
製作
プロデューサーテレビ朝日
藤原英一
今木清志
関拓也
東映
桑原秀郎
東一盛
伊藤彰将
島田薫
制作テレビ朝日東映

放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域 日本
放送期間1988年4月6日 - 2009年12月26日
放送時間水曜 21:00 - 21:54
放送枠水曜21時
放送分54分
回数全444
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『はぐれ刑事純情派』(はぐれけいじ じゅんじょうは)は、テレビ朝日系列で、東映の制作によりシリーズ化された日本の刑事ドラマ。主演は藤田まこと

1988年4月から2009年12月にかけてスペシャルを含め、全444話制作された。

本項目では、連続テレビドラマ版および連続版終了後に制作されたスペシャル版、1989年に東映系で公開された劇場版のほか、エピソードの一つを篠崎好がノベライズした小説版(はぐれ刑事純情派-贋作画殺人事件、勁文社刊)を解説する。
概要

特捜最前線』の終了と同時に枠を移したテレビ朝日と東映による刑事ドラマ枠(『大都会25時』『ベイシティ刑事』)が低調だった為、刑事ドラマの原点に立ち返る形で、同系列で放映された必殺シリーズ朝日放送(ABC)松竹製作)で人気を博した藤田まことを主演として開始したのが本作品である。開始当時は『あぶない刑事』『あきれた刑事』(共に日本テレビ)、『君の瞳をタイホする!』(フジテレビ)等の「トレンディ刑事ドラマ」の隆盛期であり、それと異なる作風で15.5%の平均視聴率を記録。1年の内半年間放送と言う頻度でシリーズ化された。全シリーズでの最高視聴率は1992年8月19日放送の第5シリーズ第20話「過激なダイエット・盗撮された女子高生」で、25.4%を記録した(ビデオリサーチ関東地区調べ)[注 1]。本作のヒットに伴い、藤田はそれまで出演していた『必殺シリーズ』から一時降板しており、藤田の90年代を代表する作品となった。シリーズ完結後も地上波・BS・CSで頻繁に再放送が行われている(再放送の項参照)。

内容は、東京都渋谷区近辺を管轄する[注 2]設定の、警視庁の架空の山手中央警察署刑事課(強行犯係主任)の「やすさん(安さん、やっさん)」こと安浦吉之助刑事が、強い正義感と温かい心で、犯罪に苦しむ人達の事を常に考えながら捜査に当たっていく姿を描く。開始当時の刑事ドラマの主流だった拳銃の携帯や発砲、格闘シーンが殆どなく、概して「捜査を通じて、犯罪の裏にある人間の弱さ、愚かしさを的確に見抜く」様が描写される。また安浦刑事の次女役に当時14歳で子役出身の演技派として知名度を上げていた小川範子を起用し、血のつながりのない父と思春期の娘の葛藤や成長を描くホームドラマの要素も持たせた。東映の白倉伸一郎は、『特捜』が脚本家や監督の個性を出していたのに対し、本作品は誰が担当しても定石を外れず見心地が保証されたシリーズであると評している[1]

開始時のキャッチコピーは「刑事にも人情がある。犯人にも事情がある。」、劇場版では「無情の都会(まち)のハートボイルド」。

レギュラーの出演者は、藤田まこと、梅宮辰夫島田順司眞野あずさの4人で、これに藤田の娘役の松岡由美小川範子が加わる。若手の刑事はおおむね数年で栄転により交代するが、初代若手刑事役の木村一八は不祥事によりクリフハンガーの形で姿を消した(第10シリーズ最終話で復活)ほか、第2シリーズ・浅野刑事役の吉田栄作や第5シリーズ・中上刑事役の西島秀俊などのちにブレイクする俳優も名を連ねた。14年目以降は殉職が増え、若手以外のメンバーも去る様になる。シリーズの長期化により「登場人物が3シリーズごとにひとつ歳をとる」とする設定となる。

主題歌は一貫して堀内孝雄が歌唱を担当した。堀内自身もレギュラーシリーズのうち7話とスペシャル1話、および劇場版に出演しており、出張捜査に出た安浦を支援する地元所轄警察署の警察官(劇場版)や刑事(第6シリーズ第22話)のほか、過失致死の犯人役も演じた(1999年スペシャル)。

1995年の第8シリーズまでフィルム撮影で、1話ごとにテレシネ版とフィルム版の完パケが存在し、前者は本放送およびBS朝日テレ朝チャンネルの再放送で、後者は地方局と東映チャンネルの再放送で使われる。1996年の第9シリーズからVTR撮影に移行し、2005年の年末スペシャル以降のスペシャル4作はハイビジョン撮影[注 3]

当番組はアメリカ合衆国ハワイ州でも放送されていた。その関係で、ハワイ州でも藤田まことの知名度は高い。娘と孫が在住していた事もあり、頻繁にハワイ州を訪れていた藤田は、当時のホノルル市長とも親交があった。現地の日本国語ラジオ局への出演や、シルバー・センター訪問等も行っていた。[2]

現時点で、DVD化発売されているのは劇場版のみであり、連続ドラマ版全18シリーズと年末スペシャル版のブルーレイ・DVD化発売及びネット配信はされていない。原因は、主演の藤田まことが死去し関係者の高齢化などがあり、連続ドラマ全18シリーズとその後に放送された年末スペシャル版があり、シリーズを長く作りすぎてしまったことと、若手刑事・中堅刑事役をSMILE-UP(旧ジャニーズ事務所)所属の俳優・歌手を起用しすぎたのも原因のため、ブルーレイ・DVD化発売・ネット配信は困難である。
レギュラー放送時代

半年(第17、18シリーズは3か月)ごとに『さすらい刑事旅情編』『はみだし刑事情熱系』『相棒』など他の刑事ドラマシリーズと交替で放送され、一話完結で[注 4]山手中央署が捜査を手掛ける事件の容疑者・関係者や安浦を中心とする刑事達の人間模様を描くのを基本とした。初期のハードボイルドから中期以降の人情路線へシフトする過程で犯人も裏社会の側から主婦サラリーマン自営業主など市井の人物が増え、90年代はじめのバブル崩壊以降の長引く不況高齢化社会ネット犯罪引きこもりなど実際の世情を反映したエピソードが多いのも特徴である。また安浦家での娘達との応酬やバー「さくら」でのママとの煮え切らない恋模様も見どころだった。人物設定や劇伴などから古今東西の名作洋画や邦画をオマージュしたと思われるエピソードもいくつか見られた[注 5]。初回・最終回(やその付近)およびお正月には地方や海外を舞台としたスペシャル版が放送され、国内の場合はその土地ならではの第一次産業や宿泊・観光業の従事者が事件関係者であることが多く、温泉地の場合は若手刑事が長湯をして捜査や打ち合わせに遅刻し、先輩刑事に小言を言われる一幕が挿入されるのがお約束だった。後期になると若手刑事の殉職などが通例のイベントとして取り上げられる事が多かった。

平均視聴率が20%を超えた(20.9%)1992年の第5シリーズをピークに視聴率は漸減傾向となるが、VTR撮影に移行した1996年の第9シリーズから回復を見せ始め田崎晴子(演・岡本麗)がレギュラーに復帰した1997年の第10シリーズで再び平均視聴率20%超(20.1%)を達成。その後も15%超を維持していたものの2001年の第14シリーズで14.3%まで低下。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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