のりたま
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 のりたま
販売会社丸美屋食品工業
種類ふりかけ
販売開始年1960年
完成国 日本
関係する人物阿部末吉
外部リンクのりたま
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のりたまは、丸美屋食品工業1960年昭和35年)から販売しているふりかけである[1][2][3][4][5]玉子味の顆粒ときざみ海苔の組み合わせが特徴[4][6][7][8]。ふりかけといえば魚粉原材料とすることが常識であった時代に、高級食材の玉子と海苔を主原料とする画期的な商品であった[6][9][10][11]。消費者からは好意的に迎えられ、効果的な宣伝を展開したことと[1][12]、消費者の嗜好の変化に応じて味や食感を変えてきたこともあって、ロングセラー商品となっている[2][7]。丸美屋食品工業の登録商標であり[13][14]、他の食品メーカーから発売されている同種のふりかけは「のりたまご」などと名前を変えて発売されている[15]
概要「のりたま」をかけたご飯

丸美屋食品工業の創業者・阿部末吉が、旅館朝食のような雰囲気を家庭でも手軽に味わえないかと考え、海苔を使ったふりかけ「のりたま」を考案した[16]1960年(昭和35年)に発売(初代パッケージデザイン大高重治[17])されて以降、高い人気を得ている。

1963年(昭和38年)に丸美屋食品工業がスポンサーを務めたテレビアニメ『エイトマン』のシールをおまけに付け、大ヒットした。以降、代表的なふりかけ商品として広く市場に認知されている。時代の変化に応えて、塩分の減量などを行ってきた。

原材料は、卵、海苔の他にさば削節抹茶胡麻青海苔鶏肉砂糖醤油こしあんを粉末状にしたもので、甘さはない、後述)などから成る[18]
特徴

黒い海苔と黄色の玉子の顆粒の白い米飯とのコントラスト、温かい米飯に振りかけた際の香りが食欲をそそる[19]。ほんのりとした甘みがありサクサクとして口の中でとろけるたまご顆粒に加えて[20][21]胡麻の香りが味のアクセントとなっている[8]丸美屋食品工業によると、「のりたま」は玉子と海苔のほか、削節抹茶塩・胡麻などの素材のバランスを徹底して追求しているといい、食品や健康に関する著述を行っているフリーライターの石原亜香利は、「のりたま」の素材の絶妙なバランスを「家庭では決してつくりだせない、『のりたま』ならではのもの」と評している[22]。「のりたま」自体は、ぱりぱりとした食感であるが、温かい米飯に振りかけた場合などは、温度と湿気によって徐々にしんなりとなる[20]。振りかけた直後あるいは冷や飯に振りかけたぱりぱりとした状態から時間が経過してしっとりとした状態まで[20]、どの状態を好むかは個人によって分かれる[20][23]

「のりたま」は、発売当時は高級品だった玉子を用い、手ごろな価格と高い栄養価、飽きのこない風味で消費者に受け入れられた[24]2020年令和2年)現在、1食(2.5グラム)あたりの栄養成分は、エネルギー11キロカロリータンパク質0.56グラム、脂質0.53グラム、炭水化物1.0グラム、食塩相当量0.22グラム、カルシウム18ミリグラムとなっている[25]

丸美屋食品工業のウェブサイトでは、「のりたま」を食材として用いたさまざまなレシピが紹介されている[26]料理研究家の牧弘美は、食材としての「のりたま」について問われ、「旨味、塩分、食感、香りがある混合調味料としても考えたらいいと思います。しかも身近で、入れるだけで味が決まる、非常に完成された混合調味料と考えたら、際限なく料理に応用できると思います。」と答えている[27]
原材料

商品名の通り、玉子海苔の組合せが特徴であり、以下の6種の具材で構成されている[6][7]。なお、発売当初はシソの実も入っていたが、消費者から異物混入と間違えられることがあったことから、具材から外された[28][29]

たまご顆粒サクサクとした食感の[9][30][31]、固めで塩味のきいた黄色い顆粒[7]。発売時は熱風乾燥法を採用していたが、1970年昭和45年)からはスプレードライ製法を導入して、よりサクサクとした食感を実現している[9]。また、2020年令和2年)のリニューアルで、隠し味として「ホロッ」とした食感のたまご顆粒も追加されている[31]

たまごそぼろマイクロ波乾燥技術を応用して製造された[2]、ふんわりして甘い黄色い顆粒[7]1996年平成8年)のリニューアルで追加された[31]。たまご顆粒より大きく、たまごの風味をより感じやすくしている[7]

焼き海苔発売時から一貫して国産の海苔を使用[22]。20センチメートル四方の原料を[7]焼いた後[32][33]、専用の機械を用いて細かく裁断して使用[7][33]。サイズは、2ミリメートル×10ミリメートルと、2ミリメートル×7ミリメートルの2種類がある[32]

抹茶塩苦みと渋みのある緑色の顆粒[7]。味を引き締めるとともに、全体の色合いを鮮やかにしている[7][22]

さば削り節あっさりとした香りとコクのある味わいの茶色の顆粒[7]。玉子と海苔の風味を生かすために、鰹節ほど香りの強くないサバ削り節を使用している[7]。これを3ミリメートル幅に削ったものに[34]ゴマ醤油みりんなどで味付けしてから[7]、乾燥させたものである[35]

ゴマ煎りゴマと味付けゴマを使用[36]。香り豊かな油分が味のアクセントとなっている[8]。ふりかけでは炒ってから食するまでの時間が比較的長いため、皮が割れて風味が次第に失われないよう、淡炒りと濃炒りの中間より淡炒り寄りの炒り加減を目指している[37]

原材料としては、鶏卵・海苔・食塩・さば削り節・胡麻のほか、砂糖小麦粉乳糖大豆加工品・こしあんなどを含む[6]。鶏卵や海苔は、産地や時期などによって色や味が変化するため、さまざまな産地の原料をブレンドすることで、年間を通して一定の色や味を保っている[7]。原材料のうちのこしあんは、を粉末状に加工したもので[6]和菓子などに使われる砂糖入りの甘いあんことは異なる[6][7]。「のりたま」にこしあんが使われていることは、インターネット上で定期的に話題に上っている[6]丸美屋食品工業では、こしあんは「のりたま」に欠かせない原材料としているが[22]、使用目的については「企業秘密」であり[6][7]、社内でも一部の人間しか知らないという[7]
パッケージふりかけ売り場に並ぶ「のりたま」

発売当初のパッケージは、瓶詰ふりかけが主流だった中で袋入りとし[2]、デザインは大高重治に依頼した[6][11][12][注 1]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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