のぼうの城
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のぼうの城
著者
和田竜
イラストオノ・ナツメ
発行日2007年11月28日
発行元小学館
ジャンル歴史小説
日本
言語日本語
形態ソフトカバー
ページ数338
コード.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4-09-386196-0

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『のぼうの城』(のぼうのしろ)は、和田竜による日本歴史小説。またそれを原作とする2012年日本映画
概要

和田竜の小説家デビュー作であり、第29回城戸賞2003年)を受賞した脚本『忍ぶの城』を、映画化を前提としたノベライズとして自ら執筆したものである。表紙イラストはオノ・ナツメが担当している。

2008年には花咲アキラの作画によりコミカライズされ、『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて連載された。

第139回(2008年上半期)直木賞ノミネート、2009年の第6回本屋大賞第2位。

2010年10月時点で累計発行部数70万部を突破している[1]
あらすじ作品の舞台となった忍城(模擬御三階櫓、埼玉県行田市)

周囲をに囲まれ、浮城とも呼ばれる忍城(おしじょう)。領主・成田氏一門の成田長親は、領民から「でくのぼう」を略して「のぼう様」と呼ばれ、親しまれる人物であった。

天下統一目前の豊臣秀吉は、関東最大の勢力北条氏小田原城を攻略せんとしていた(小田原征伐)。豊臣側に抵抗するべく、北条氏政は関東各地の支城の城主に籠城に参加するよう通達した。支城の一つであった忍城主の氏長は、北条氏に従うように見せかけ、手勢の半数を引き連れて小田原籠城作戦に赴きつつも、裏では豊臣側への降伏を内通していた。

武州・忍城を討ち、武功を立てよ」秀吉にそう命じられ、石田三成は大軍勢を率いて忍城に迫る。軍使として遣わされた長束正家は、成田氏がすでに降伏を決めていることを知りながら、戦を仕掛けるためにあえて傲慢な振る舞いをし、まんまと策略にはまった総大将・長親は「戦」を選択した。当主・氏長より降伏を知らされていた重臣たちは、初めは混乱するが覚悟を決め、かくして忍城籠城戦は幕を開けた。

三成率いる2万超の軍勢に、農民らを含めても3千強の成田勢。総大将たる長親は、将に求められる武勇も智謀も持たない、その名の通りでくのぼうのような男。だがこの男にはただ一つ、他人に好かれる才能、特に異常なほどの民からの「人気」があった。

地の利と士気の高さから、緒戦は忍城側の圧勝であった。三成は、近くを流れる利根川を利用し、総延長28キロメートルに及ぶ石田堤を建設、忍城と城下本丸を除いて水没させる水攻めを行うことを決定する。これに対する長親の策は、城を囲む湖に船を出して、敵兵の前で田楽踊りを披露することであった。

三成の指示で雑賀衆が田楽踊りを踊る長親を狙撃するが、長親は一命を取り留める。その後、城に入らず場外で堤作りに雇われていた百姓らも長親が撃たれたことの怒りから石田堤を壊す者が現れ、水攻めは失敗する。

水が引き、三成軍が総攻撃を行おうとする矢先、小田原城が落城したとの知らせが成田勢にもたらされ、忍城も開城する。小田原城落城時までもちこたえた支城は忍城だけだった。
登場人物
成田家
成田長親(なりた ながちか)
当主・氏長の従兄弟。農作業が好きで、よく領民の作業を手伝いたがるが、不器用なため、どちらかというと迷惑をかけている。表情に乏しい背の高い大男で、のそのそと歩く。当主の従兄弟であるが、家臣はおろか百姓らからも、その姿から「でくのぼう」を略して「のぼう様」と呼ばれるが、本人は全く気にしていない。本名で呼ぶのは、氏長や身内・重臣のみである。運動は滅法苦手で、馬にさえ乗れない。愚鈍な人物と思われているが、実は非常に誇り高く、民百姓とも分け隔てなく接することのできる度量の広い人物でもある。このため百姓や足軽など、身分の低い者たちからは非常に慕われており、百姓たちも長親のためならば命を賭けることさえ厭わない。過去に氏長の娘である甲斐姫が起こした騒動を収めたことがあるが、詳細は語られていない。
成田泰季(なりた やすすえ)
長親の父親。氏長にとっては叔父。長親が唯一頭が上がらない人物で、長親とは正反対の気質の持ち主。不肖の息子・長親について不満を漏らしている。過去に数度裏切った成田家を許してくれた北条家に恩義を感じており、小田原攻めに際しては、豊臣陣を迎え撃つべきだと強固に主張したが、急に体調を崩し、長親が開戦を決めた直後に死去した。
成田氏長(なりた うじなが)
成田家の当主。眉目秀麗で、挙措動作も涼やかだが、器量は人並みである。当主として、それなりに政略や戦略の見識はあるが、それよりも連歌をこよなく愛しているため、二番目の妻である珠からは「腑抜け」と密かに罵られている(当人は知らない)。小田原攻めに先立ち、勝機がないと判断し、密かに豊臣側へ降伏の意志を伝えていたが、長親がこれに反する形で戦を始めたため、豊臣と北条の双方から裏切り者と見なされる。
成田泰高(なりた やすたか)
氏長の弟。氏長と共に小田原の籠城に参加。
甲斐姫(かいひめ)
氏長の娘。18歳。お転婆で幼い頃から城内を走り回って過ごした。美人だが、見かけによらず武辺者であり、剣技だけでなく、薙刀や体術にも長けている。過去に自身が起こした騒動を長親が収めて以来、長親に惚れているらしい。戦後は秀吉のもとにいく。
珠(たま)
氏長の2番目の妻。40近いが、いまだ美貌が衰えない。甲斐姫とは血が繋がっていない。伝説の武将・太田三楽斎の娘で、自身も勝気な性格。氏長を腑抜けでつまらない男だと思っており、猛々しい泰季との方がより気が合う。長親に対しては、誇りを傷付けられた怒りから開戦を決めたことを知って見直し、「あの腑抜け(=氏長)の話など聞かずともよい」と長親の決断を後押しした。
正木丹波守利英(まさき たんばのかみ としひで)
「漆黒の魔人」の異名を持つ成田家一の家老。長親とは幼なじみ。幼いころ見た、上杉謙信の姿に触発され、武芸の鍛錬に勤しんだ。長親に潜在的な将器があるのではと思っている。
柴崎和泉守敦英(しばさき いずみのかみ あつとし)
成田家家老。筋骨隆々とした巨漢。20歳以上年の離れた妻との間に6人の子どもがいる。丹波守の持つ朱槍を欲しており、少年期から常に丹波守と張り合っている。
酒巻靱負詮稠(さかまき ゆきえ あきちか)
成田家家老。22歳。「隙あらば襲ってみろ」と丹波守にからかわれたことがあり、所構わず頻繁に実行している。多数の兵法書を読み漁り、毘沙門天の化身を自称するが、実は今回が初陣。
領民
明嶺(みょうりょう)
城内にある清善寺の6代目
住職。齢80にして朝まで寝酒を飲むというとんでもない酒豪。敷地内のの実を盗もうとする者は、身分の上下にかかわらず半殺しにされる。
たへえ
下忍村の乙名。当初は戦を嫌って丹波の依頼を突っぱねるが、戦をすると決めたのが長親だと知るや、嬉々として籠城軍に加わる。
かぞう
たへえの息子。妻のちよを侍に手籠めにされて以来、武士を憎んでおり、戦には参加せず、豊臣側に情報を漏らし、城攻めにも加担するが、長親が狙撃されたことに激怒して、石田堤を決壊させる。
ちよ
かぞうの妻。かつて侍に手籠めにされた。義父のたへえ、娘のちどりと共に忍城戦に参加する。
ちどり
かぞうとちよの娘。4歳。
豊臣側
石田三成(いしだ みつなり)
秀吉の側近。秀吉からは初名で佐吉と呼ばれる。理知に富むが、武運に恵まれず、他の家臣たちからは後方支援専門だと蔑まれている。北条攻めに置いて秀吉から2万の軍を与えられ、忍城攻略軍の総大将に任命されるが、忍城がすでに降伏を決めていることは知らされていなかった。8年前に見た秀吉の備中高松城における水攻めに憧れを抱いており、事前から忍城を水攻めで落とそうと決めていた[注釈 1]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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