にんにく
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ニンニク
ニンニク
分類APG III

:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 angiosperms
階級なし:単子葉類 monocots
:キジカクシ目 Asparagales
:ヒガンバナ科 Amaryllidaceae
亜科:ネギ亜科 Allioideae
:ネギ属 Allium
:ニンニク A. sativum

学名
Allium sativum L.[1]
英名
Garlic

にんにく りん茎 生[2]100 gあたりの栄養価
エネルギー570 kJ (140 kcal)

炭水化物27.5 g
食物繊維6.2 g

脂肪0.9 g
飽和脂肪酸0.13 g
一価不飽和0.03 g
多価不飽和0.29 g

タンパク質6.4 g

ビタミン
ビタミンA相当量β-カロテン(0%)2 μg
チアミン (B1)(17%) 0.19 mg
リボフラビン (B2)(6%) 0.07 mg
ナイアシン (B3)(5%) 0.7 mg
パントテン酸 (B5)(11%) 0.55 mg
ビタミンB6(118%) 1.53 mg
葉酸 (B9)(23%) 93 μg
ビタミンC(14%) 12 mg
ビタミンE(3%) 0.5 mg

ミネラル
ナトリウム(1%) 8 mg
カリウム(11%) 510 mg
カルシウム(1%) 14 mg
マグネシウム(7%) 24 mg
リン(23%) 160 mg
鉄分(6%) 0.8 mg
亜鉛(8%) 0.8 mg
(8%) 0.16 mg
セレン(1%) 1 μg

他の成分
水分63.9 g
水溶性食物繊維4.1 g
不溶性食物繊維2.1 g
ビオチン(B7)2.0 μg
ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[3]。廃棄部位: 茎、りん皮及び根盤部


単位

μg = マイクログラム (英語版) • mg = ミリグラム

IU = 国際単位

%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。

ニンニク(蒜、大蒜、葫、忍辱[4]、〈稀に〉人肉[5]学名:Allium sativum)は、ヒガンバナ科ネギ属の多年草。香りが強く、強壮・スタミナ増進作用があると信じられているため[6]球根(鱗茎)を香辛料などとして食用にするほか、も「ニンニクの」(トウ)と呼ばれて野菜として調理される[7]。かつてクロンキスト体系による分類ではユリ科に属していた。強烈な風味を持つことから、肉食の習慣がある地域で、肉類と併用しくさみを消す食材、香辛料として普及している。
概要

世界各国で用いられる香辛料で、強烈な風味を持つことから、肉食の習慣がある地域で普及している。

日本ではニンニクやノビル(野蒜)など鱗茎を食用とする臭いの強い(ネギ属の)植物を総称して蒜(ひる)と呼び、特にノビルと区別する場合にはオオヒル(大蒜)とも称した。漢方薬生薬名は大蒜(たいさん)。語源は、困難を耐え忍ぶという意味の仏教用語「忍辱」(にんにく)とされる[4]

5月頃に白い小さな花を咲かせるが、栽培時には鱗茎を太らせるために花芽は摘み取る。摘み取った茎は柔らかい物であれば野菜として利用される(前述)。

一般的に見かけるニンニクは分球ニンニクがほとんどであるが、一片種と呼ばれる中国のプチニンニクなどの品種もある。

ジャンボニンニクあるいは無臭ニンニクと呼ばれるものはニンニクとは別種であり、ネギ(ポロネギ)の1変種である。

ニンニクは自然状態ではアリインを多量に含み、鱗茎がすりおろしなどで加工されて分解されるとアリシンに変化するが、どちらも非常に強力な成分であり、生で1日1片、加熱調理で1日3片を超えて摂取すると有害な副作用が現れる[8][9]。従って、薬味として少量用いるに留めるべきである。
歴史

原産地は中央アジアと推定されるが、既に紀元前3200年頃には古代エジプトなどで栽培・利用されていた。また、現存する最古の医学書『エーベルス・パピルス』には薬としても記載されている。中国には紀元前140年頃伝わり、日本には中国を経て8世紀頃には伝わっていたと見られる[10]

日本では、禅宗の禅寺の戒壇石に「不許葷酒入山門」(くんしゅさんもんにいるをゆるさず)と刻まれるように、強壮作用が煩悩(淫欲)を増長するとされて仏教僧侶の間ではニラネギ等とともに五辛の一つとして食が禁じられた。漢字表記の「蒜」「大蒜」は漢語に由来する一方、仏教用語の「忍辱(にんにく)」がニンニクの語源となったとされる[10]。『大和本草』巻之五 草之一 菜蔬類では、悪臭甚だしくとも効能が多いので人家に欠くべからざるものと評価された。
生産地

中国が世界のニンニク生産量の8割を占めており、安価であるため世界各国に広く普及している。

日本国内の流通においては、国産ニンニクの80%を青森県産が占め(市町村別では、十和田市[11]が最も多く生産している)、次いで香川県の出荷が多い。青森県田子町が「ニンニクの町」としてPRして[12]早くからブランド化に取り組み、独自の品種も開発している[13]。中国産と比べて香りが強く高品質であるが高価格でもある。

ニンニクを多量に用いるブラジルでは、本来冷涼な気候に適したニンニクを熱帯で栽培しているために、国産ニンニクの品質が良くなかったが、種苗会社「テクノ・プランタ」[14]カルロス・トシキにより開発された種苗により品質が大幅に向上した[15][16][17]カルロス・トシキが開発したニンニク種苗はブラジル国内ではシェア100%を誇っており、地元では「偉大なにんにくスペシャリストの1人」として有名である[15][16][17]カルロス・トシキ日本芸能界1986年から5年間オメガトライブ歌手として活動した後、ブラジルに帰国して知人の種苗会社就職し、国立大学でも農業を学んだという異色の経歴の持ち主である[15][16][17]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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