なんて素敵にジャパネスク
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なんて素敵にジャパネスク
小説:なんて素敵にジャパネスク
著者
氷室冴子
イラスト峯村良子
出版社集英社
レーベルコバルト文庫
刊行期間1984年5月 - 1991年1月
巻数全10巻
漫画:なんて素敵にジャパネスク
なんて素敵にジャパネスク 人妻編
原作・原案など氷室冴子
作画山内直実
出版社白泉社
掲載誌花とゆめ
レーベル花とゆめコミックス
白泉社文庫
ジェッツコミックス
巻数単行本:全22巻
文庫:全12巻
愛蔵版:全7巻
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画
ポータル文学漫画

『なんて素敵にジャパネスク』は、氷室冴子平安時代の宮廷貴族社会を舞台にした少女小説シリーズ。また、これを原作にした漫画、テレビドラマや、NHK-FMでラジオドラマも製作されている。目次

1 概要

2 登場人物

2.1 主人公

2.2 主人公の夫

2.3 主人公の関係者

2.4 主人公の家族

2.5 右大臣家

2.6 その他


3 漫画版

4 書誌情報

4.1 小説

4.1.1 旧版

4.1.2 新装版

4.1.3 みらい文庫版

4.1.4 トリビュート集


4.2 コミックス

4.2.1 なんて素敵にジャパネスク

4.2.2 なんて素敵にジャパネスク 人妻編

4.2.3 イラスト集



5 テレビドラマ

6 ラジオドラマ

7 参考文献

8 脚注

概要

第1話「お約束は初めての接吻で の巻」は集英社『小説ジュニア』(現在の『Cobalt』の前身)1981年4月号に、第2話「初めての夜は恋歌で囁いて の巻」は『Cobalt』1982年秋号にそれぞれ発表され、さらに書き下ろしを加え集英社コバルト文庫から1984年に『なんて素敵にジャパネスク』として刊行された。その後はコバルト文庫の人気シリーズ[1]となり、1991年まで10冊が刊行された。1999年にはイラストを替えた新装版、2012年にはみらい文庫版が発売され、シリーズ累計発行部数は800万部を突破している[2]

物語は平安時代、貴族・内大臣家のおてんばな16歳の娘・瑠璃姫が自身の結婚問題などから事件を起こしたり、また貴族社会の東宮即位問題に関係する政治陰謀事件などを解決して行くラブコメディーで小中学生から高校生まで人気を得た。当時の社会風俗が分かりやすく学べる事から、古典への入門書としても読める。

主人公が「親から執拗に結婚を勧められ、困り果てる」という設定は、氷室が当時、同様に結婚を両親に勧められて辟易していたことに起因する。
登場人物
主人公
瑠璃(るり)
本編の主人公であり、外伝を除く物語全体の語り手。名前の由来は『
源氏物語』の登場人物玉鬘の幼名。摂関家(藤原氏)の流れを汲む内大臣家の姫君。初登場時16歳。10歳まで京の都から離れた吉野で祖母に育てられる。そこで出会った初恋の少年・吉野君の面影が忘れられず、また、母の喪も明けないうちに再婚した浮気性の父に幻滅し、当時の結婚平均年齢であった13 - 14歳を過ぎても独身主義を通していた。どちらかといえば丸顔で、さほど美人ではないが、性格は明朗活発で勇敢、勘が鋭く、頭の回転も速いため、陰謀ごとに聡く、誰もが思いつかない深い読みを見せることも。その一方で、情に脆く、感情に流されやすいため、己の赴くままに我を通し、他を驚かせる突飛な行動を取ることも少なくない。故に必要とあらば、女房として他家(時として後宮)に赴くことも辞さず、また、深窓の姫とも思えない見事な活躍を見せる。そういった、当時の常識では計り知れない、奔放な言動ゆえに様々な事件に関わり、結果として「脳の病」だの「物の怪憑きの姫」という芳しくない噂を立てられることになるが、その縁でツテも多く、その交友関係の広さに、時に他人を驚かせることも。裁縫など当時の女性の必須ともいえる教養科目が大の苦手だが、和歌は人並み以上に機知に富む。
主人公の夫
高彬(たかあきら)
瑠璃の幼馴染みであり、許嫁を経て夫となる。
右大臣家の四男坊。初登場時15歳。左衛門佐(さえもんのすけ)から後に右近少将に昇進する。家柄も良く有能なため、帝の覚えもめでたい当代随一の公達の1人。瑠璃の弟・融の幼馴染みであり、瑠璃とは「筒井筒」の仲。幼少の頃に共に遊んだ瑠璃を一途に想い続けている。性格は生真面目でお役目一辺倒、瑠璃とは違い、身分や世間体を重んじる常識人である。堅物すぎる余り、帝をはじめとする他の宮中人からその生真面目さをからかわれる。瑠璃と結婚してからは嫉妬深い一面を覗かせる。字も和歌も下手で、初夜の時には瑠璃から後朝(きぬぎぬ)の歌の心配をされるほど。しかし、守弥から手ほどきを受けたため、琵琶だけは名人級である。教育係でもある乳兄弟の兄・守弥に頭が上がらなかったが、瑠璃を認めない守弥に反発することもしばしば。
主人公の関係者
吉野君(よしののきみ)
瑠璃が吉野に住んでいた頃の幼馴染みで、瑠璃の初恋の人であり、将来を誓い合った仲でもあった。本人は知らなかったが、実は帝の息子、東宮の別腹の弟であり、東宮争いの陰謀に巻き込まれ父と対面するも、父帝に拒絶され出家、後に唯恵(ゆいけい)という名で
後宮に出入りするようになる。
小萩(こはぎ)
瑠璃の側近の女房。瑠璃より2歳年上で独身。いつも瑠璃のことを心配しており、小言もずけずけ言うお姉さんタイプ。ややミーハーだが、まるで男っ気がなく[3]、後輩にもそれをからかわれることがある。
鷹男(たかお)
瑠璃がある事件で出会った雑色。男性的な美貌の持ち主であり、胆力にも富む。東宮の密命を請けて事件の解決に臨んでいた。
藤宮(ふじのみや)
先々帝の第八皇女。初登場時20歳。生母も内親王(先々々帝の女九の宮)であるが、祖母は身分が低い典侍であり[4]、後見がなかったことから「帝(当時)のお声がかりで」(小萩談)時の内大臣に降嫁するも、16歳で未亡人となる。東宮にとっては叔母であり、帝(後に譲位して光徳院となる)と帥の宮(遠野宮)には異母妹にあたる。才色兼備の佳人として二条堀川邸で悠々自適な生活を送っている。ある事件をきっかけに瑠璃と親交を結ぶ。華やかな美人で明るく穏やかだが、東宮の隠密行動に手を貸したり、今上帝となった東宮の求愛行動に悩む瑠璃をからかったりと、茶目っ気のある性格である。
主人公の家族
融(とおる)
瑠璃の同腹の弟、内大臣家の嫡男。初登場時15歳。高彬の親友だが、お坊ちゃん気質のぼんくら。
葵祭で御簾越しに垣間見た、高嶺の花の藤宮に懸想するものの、求婚したり忍んでいく根性はなく、瑠璃曰く「情けない性格」。姉想い、友人想いの優しい気質の持ち主だが、それが空回りして事態を悪化させる浅はかさも同居している。内大臣から薦められた縁談をきっぱりと断るだけの一途さを持つものの、ひょんなことから高彬の妹、由良姫と知り合い、淡い好意を抱くことに。
藤原忠宗(ふじわらのただむね)
瑠璃や融の父。初出は大納言、後に内大臣となる。型破りな瑠璃やぼんくらの融に悩まされ寝込むことも多いが、政治力は確かなものがあり、実はかなりのやり手らしい。高彬を婿に迎えてからは、安堵している。かなりの女好き。
母上
内大臣の正室。瑠璃や融にとっての継母に当たる。瑠璃の独身時代は優しく、何かと庇ってくれた。高彬との結婚後は、瑠璃の亡き母からの遺言もあって、母親としての務めを果たそうとしているが、瑠璃との意思疎通は空回り気味。


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