なぞのユニコーン号
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なぞのユニコーン号
(Le Secret de La Licorne)
発売日1943年
シリーズ
タンタンの冒険シリーズ
出版社カステルマン(英語版)
制作陣
製作者エルジェ
オリジナル
掲載ル・ソワール(英語版、フランス語版)
掲載期間1942年6月11日 ? 1943年1月14日
言語フランス語
翻訳版
出版社福音館書店
発売日1983年
ISBN.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}978-4-8340-0951-4
翻訳者川口恵子
年表
前作ふしぎな流れ星 (1942年)
次作レッド・ラッカムの宝 (1944年)

『なぞのユニコーン号』(なぞのユニコーンごう、フランス語: Le Secret de La Licorne)は、ベルギーの漫画家エルジェによる漫画バンド・デシネ)、タンタンの冒険シリーズの11作目である。ベルギーの主要なフランス語新聞『ル・ソワール(英語版、フランス語版)』 (Le Soir)にて1942年6月から1943年1月まで毎日連載されていた。ベルギー人の少年タンタンが愛犬スノーウィや友人ハドック船長(英語版)と共に、17世紀の帆船ユニコーン号(英語版、フランス語版)の3つの模型の謎を解き、ハドックの先祖が残したという隠し財宝の行方を追う冒険物語である。冒険の過程で殺人も厭わない敵対者が現れ、最終的に物語は続編の『レッド・ラッカムの宝』に続く。

本作はナチス・ドイツによるベルギー支配時代に、占領軍に協力する日刊紙『ル・ソワール』紙で連載された3作目の作品である。これまでに見られた政治要素を一切排して、純粋な冒険物語として製作された。そのストーリーテリングや描写は後編『レッド・ラッカムの宝』と合わせ、評論家からもシリーズ屈指の作品として評価が高い。作者自身も後の『タンタンチベットをゆく』まで、本作を最もお気に入りの作品としていた。また、タンタンの服装として一般にイメージされる白シャツの上に青いセーターは本作で初めて登場した。

1957年のアニメ化において映像化されたエピソードの1つであり、1991年にはカナダのアニメーション製作会社のネルバナとフランスのEllipseによるテレビアニメシリーズの中で、本作が映像化されている。また、2011年のスティーヴン・スピルバーグ監督による映画『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』においてメイン原作として映像化され、それに伴いテレビゲーム化もなされた。

日本語版は、1968年に主婦の友社から阪田寛夫訳で『ユニコン号の秘密』というタイトルで出版されたものが初訳である。日本語版として広く流通している福音館書店版(川口恵子訳)は、1983年に出版された。後編『レッド・ラッカムの宝』と同時出版であった。

なお、本作ではハドック船長の先祖としてフランソワ・ド・アドック卿が登場する。姓が微妙に異なるのは原語の "Haddock" の読みの違いによる(フランス語読みではアドックになり、英語読みではハドックになる)。本項では読みを統一せず、ハドック船長とアドック卿で使い分ける。
あらすじブリュッセルのジュ・ド・バル広場(英語版)の蚤の市の様子

ブリュッセルのマロール地区の名物であるジュ・ド・バル広場(英語版)の蚤の市を散策していたタンタンは、アンティークの精巧な小型帆船模型を見つけ気に入る。友人のハドック船長にプレゼントするため購入したところ、一歩遅かった帆船模型コレクターのネクラソフと古物屋のバーナビーという2人の男がそれぞれ自分に譲って欲しいと申し出てくるが、タンタンはいずれも断る。帰宅すると今度はスノーウィが模型を倒して、船のメインマストを折ってしまうトラブルを起こす。タンタンが応急処置でマストを直しているとハドック船長がやってきて、模型を見て驚く。それは彼が尊敬する17世紀の先祖フランソワ・ド・アドック卿が乗っていたという軍艦ユニコーン号(英語版、フランス語版)の絵と瓜二つであった。

ハドックの自宅にてユニコーン号が描かれた絵画を見せてもらった後、タンタンが帰宅すると模型が盗まれていた。タンタンはネクラソフを疑い彼の家に行くが、彼は同じ形の帆船模型を持っていただけで泥棒ではなかったことがわかる。帰宅するとまた何者かが侵入した形跡があり、今度は室内が酷く荒らされていた。部屋を片付けていたタンタンは身に覚えのない丸まった古い羊皮紙を見つける。これは折れたメインマストの中に隠されていたものであり、犯人の真の狙いはこれではないかとタンタンは推理する。そして事件の謎を追うため、タンタンはハドックの家にて、彼からアドック卿の逸話を聞く。それは、かつてカリブ海を荒らした大海賊レッド・ラッカムとの戦いであり、部下やユニコーン号を失うも、最後にアドック卿が一騎打ちでラッカムを倒し、ヨーロッパに帰還したというものであった。そしてアドック卿は3人の息子たちにそれぞれユニコーン号の模型を与えたとあり、ここから3つの模型それぞれにレッド・ラッカムの隠し財宝の在り処を示した計3枚の羊皮紙が隠されていると推理する。そこでタンタンとハドックは隠し財宝を探そうと考えるが、時を同じくして2つ目の模型を持つネクラソフは襲われ、その羊皮紙は奪われていた。さらに財布にしまっていたタンタンの羊皮紙も、最近町を騒がし、デュポンとデュボン(英語版)が行方を追っている凄腕スリに盗まれていた。

間もなくして今度はバーナビーがタンタンの自宅にやってくるが、何かを伝えきる前に何者かに狙撃されて意識不明の重体に陥る。その後、今度はタンタン自身が何者かに誘拐される。犯人は3つ目の模型を所持する骨董品屋のバード兄弟であり、3つの模型とレッド・ラッカムの秘宝を知って手に入れようとしていた。タンタンは郊外にある彼らの邸宅であるムーランサール城(英語版、フランス語版)[注釈 1]の地下室に閉じ込められていたが自力で脱出したところ、ちょうどスノーウィ、ハドック、デュポンとデュボンも現場に到着し、救出される。兄マーチンは逃亡するも弟ロビンは逮捕され、彼の供述でバルナベを襲った理由や、彼ら自身が手に入れた2枚の羊皮紙もスリに奪われていたことなどが判明する(マーチンがその後の顛末で逮捕されたことが明かされる)。


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