どろろ
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この項目では、手塚治虫の漫画について説明しています。

この作品をもとにした2007年の実写映画については「どろろ (映画)」をご覧ください。

1969年と2019年のアニメ作品については「どろろ (アニメ)」をご覧ください。

ASIAN KUNG-FU GENERATIONの曲「Dororo」(2019年のアニメの主題歌)については「Dororo/解放区」をご覧ください。

漫画『ケロロ軍曹』のキャラクターについては「ドロロ」をご覧ください。

どろろ
ジャンル妖怪ダーク・ファンタジー
アクション、時代劇
漫画:どろろ
作者手塚治虫
出版社小学館秋田書店

その他の出版社
新書館講談社国書刊行会

掲載誌週刊少年サンデー
冒険王
レーベルサンデーコミックス
発表号1967年8月27日号 - 1968年7月21日号
(週刊少年サンデー)
1969年5月号 - 10月号
(冒険王)
発表期間1967年 - 1969年
巻数全4巻
(サンデーコミックス)
小説:どろろ
著者辻真先
イラスト北野英明
出版社朝日ソノラマ
発売日1969年10月3日
巻数全1巻
小説:どろろ
著者鳥海尽三
イラスト渡辺文昭
出版社学習研究社
レーベル学研M文庫
刊行期間2001年7月13日 - 11月16日
巻数全3巻
小説:どろろ
著者NAKA雅MURA
出版社朝日新聞社[注 1]
レーベル朝日文庫
発売日2006年12月7日
巻数全2巻
その他備考:映画版のノベライズ。
ゲーム:どろろ -地獄絵巻の章-
ゲームジャンルアドベンチャーゲーム
対応機種PC-8801mkIISR以降
開発・発売元クエイザーソフト
プレイ人数1人
発売日1989年1月10日
ゲーム:どろろ
ゲームジャンルアクションアドベンチャーゲーム
対応機種PlayStation 2
開発・発売元セガ
キャラクターデザイン沙村広明前田真宏
シナリオレッド・エンタテインメント
プレイ人数1人
発売日2004年9月9日
レイティングCEROレイティング15歳以上対象
漫画:どろろと百鬼丸伝
原作・原案など手塚治虫(原作)
作画士貴智志
出版社秋田書店
掲載誌チャンピオンRED
レーベルチャンピオンREDコミックス
発表号2018年12月号 -
巻数既刊9巻(2023年10月現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画コンピュータゲーム
ポータル手塚治虫漫画文学コンピュータゲーム

『どろろ』は、手塚治虫による日本少年漫画。『週刊少年サンデー』(小学館)にて1967年35号から1968年30号まで連載された後、『冒険王』(秋田書店)にて1969年5月号から10月号まで連載された。戦国時代の日本を舞台に、妖怪から自分の身体を取り返すべく旅する少年・百鬼丸と、泥棒の子供・どろろの戦いの旅路を描く。
概要

1967年8月27日号より『週刊少年サンデー』(小学館)で連載が始まるが、暗く陰惨な内容が読者に受け入れられず、手塚が内容に対する迷いを感じ始めたこともあり、単行本では「無常岬の巻」にあたる話の1968年7月21日号の回で1度連載終了となり、「第一部・完」と表記された[1]。テレビアニメ化に伴い掲載誌を替えて1969年、『冒険王』(秋田書店)で5月号から10月号まで連載された。5月号とその別冊付録、6月号に掲載された最初の2回は、過去の原稿の再録や改変を行い設定を一新した新たな内容の序盤が掲載され、続いて新作が連載されて、アニメ終了時期と同じ10月号で一応の完結をみるが、こちらもストーリーとしては途中までとなり、きちんとした物語の完結には至らなかった。単行本は『週刊少年サンデー』連載分をもとに『冒険王』連載分もまとめられ、最終ページの地獄堂が戦火で焼失したくだりなどを含めた加筆、細部の変更、修正、削除を加えられて発刊されたが、見開きや扉絵は収録されていない。単行本は、連載された話の順番を入れ替えた秋田書店サンデーコミックス版と、後に連載順の内容で編集され細かな修正がなされた講談社手塚治虫漫画全集版の2種類が存在しており、全集の発売後に出版された文庫サイズの漫画は秋田書店、講談社どちらも全集版と同じになっている。また、『冒険王』の弟誌である『まんが王』には、手塚プロ制作のセル画漫画によるどろろも1969年4月号から10月号まで連載された。漫画以外のメディア展開は上記のテレビアニメの他、後年にゲームソフト実写映画も製作された。

時代劇で妖怪物という、かなり特殊なジャンルとして発表されたが、手塚が雑誌で語っているとおり、その暗さから明るいものばかりの漫画の中で当時の読者に受け入れられにくく不人気であった。内容は手塚得意のバラエティ豊かなドラマ、特に戦争に対する庶民の怒りが語られ、1つの村が隣国同士の争いに巻き込まれて「ばんもん」という壁に分断されてしまう「ばんもんの章」は、ベルリンの壁板門店に対する強烈な風刺で描かれている。ちなみに退治した妖怪が何匹目なのか、作中で何度か言及がなされているが、これらの数字は連載当時の様々な理由により、全体的には必ずしも整合性は取れていない。

本作は漫画としては中途半端な形で終了したが、1969年のテレビアニメ版では漫画で描かれなかった部分も補完され、全ての魔物を倒し完結している。アニメは放映開始初期は原作と同じ『どろろ』だったが、途中から百鬼丸の名もうたったタイトル『どろろと百鬼丸』に変更がなされて放映された。再放送については、全身に欠損を持つある種の障害者と盗賊の孤児が主人公ということで、障害者差別など微妙な問題が多く、CS放送の時代劇チャンネルなどを除き地上波ではほとんどなされていない。モノクロ作品である点も再放送されがたい理由である。鈴木良武も1978年のインタビューで、「今でも人気があるが、絶対に再放送できない。いろいろ問題があるから。用語にも」と語っている[2]

こうしてかなり不遇な境遇を歩まされた作品であったが、奪われた身体を取り戻すために妖怪と戦いながら冒険するという設定や、義手、義足の中に刀や爆薬などの武器を仕込んだ主人公というアイディアが一部に受け、カルト的なファンを生みもした。小説家の大沢在昌も「手塚作品の中で最も好きな作品」と語っており[3]、漫画家の小林よしのりも「ドロドロと情念が渦巻いていた感じが良かった」と述べている。『魍魎戦記MADARA』の主人公・摩陀羅の生い立ちや設定も、百鬼丸をモチーフにしている[4][5]

『どろろ』というタイトルは、手塚の「友達の子供」が泥棒のことを片言で“どろろう”といったことをヒントにした、と手塚は記している[6]。手塚治虫漫画全集のあとがきでは「友だちの子どもが」ではなく「ぼくの子どもが」となっているが[7]、これについて手塚プロダクション公式サイトのコラムで黒沢哲哉は、説明が煩雑になるのを避けて簡略化したためだろうと解説している[8]。「ぼくの子どもが」と述べられている手塚の長男・手塚眞も「(どろろうと言っていたことを自分は)まったく覚えていません[9]」、「僕が言ったのなら父は「子どもが」とは書かず「息子が」と書くと思う。僕が小さい頃うちに泥棒が入ったことがあり、もしかしたらそのときに誰かが「どろろう」と言ったのかも知れないし、あるいはそう言っていなくても父にはそう聞こえたとか。ちゃんと確かめておけばよかったが、今となっては謎のままなのも、それはそれで面白いかなと思っている[10]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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