どっこい生きてる
監督今井正
脚本岩佐氏寿
平田兼三
今井正
製作松本酉三
『どっこい生きてる』は、1951年(昭和26年)7月7日公開の日本映画。新星映画社・前進座製作、北星映画配給。監督は今井正。モノクロ、スタンダード、102分。
日雇い労働者の一家の食うや食わずの生活と絶望から再起に向けた格闘を描いた作品で、ヴィットリオ・デ・シーカ監督『自転車泥棒』など、ネオレアリズモの作品の影響が色濃く反映したものとなっている。今井監督の初の独立プロ作品で、1口50円の出資者を募集して、400万円の製作費で作られた[1]。第25回キネマ旬報ベスト・テン第5位。 レッド・パージで大手映画会社から追放された左翼系映画人らによる独立プロ運動の最初期の作品であり、東宝争議の指揮者だった亀井文夫、山本薩夫らによって設立された新星映画社
スタッフ
監督:今井正
製作:松本酉三、宮川雅青
脚本:岩佐氏寿、平田兼三、今井正
撮影:宮島義勇、中尾駿一郎、植松永吉
音楽:大木正夫
美術:久保一雄
照明:平田光治
録音:安恵重遠
編集:河野秋和
キャスト
毛利修三:河原崎長十郎
花村:中村翫右衛門
山川(大家):河原崎國太郎
毛利さと(毛利の妻):河原崎しづ江
毛利雄一(毛利の長男):河原崎労作
毛利民代(毛利の長女):町田よし子
秋山婆さん:飯田蝶子
水野:木村功
水野の妻:岸旗江
水野の父:市川笑太郎
水野の妹:今村いづみ
水野良(水野の父):寺田健
吉田製作所長:瀬川菊之丞
吉田きみ(吉田の妻):川路夏子
藤木:中村梅之助
野田班長:中村公三郎
現場の男:坂東秀弥
トラックの男:花沢徳衛
簡易宿泊所亭主:松本染升
作品解説
製作資金は、一口50円の出資を大衆から集め、合計400万円となった[2]。中にはニコヨン(日雇い労働者)がガマガエルを獲って大学の実験用に売り、寄付したというエピソードもある[2]。本作の冒頭には「この映画は日本映画を愛する多くの人々の協力のもとに作られたものである」とクレジットされている。
フランスの俳優ジェラール・フィリップは、この作品を見て高く評価した[3]。
受賞
第25回キネマ旬報ベスト・テン 第5位
第6回毎日映画コンクール 美術賞
第2回ブルーリボン賞ベストテン 第4位
脚注^ ⇒どっこい生きてる Archived 2009年5月16日, at the Wayback Machine.、ぴあ映画生活、2015年6月20日閲覧
^ a b c ⇒前進座のあゆみ、前進座、2015年6月20日閲覧
^ 山田和夫『物語・世界映画の現代史』、新日本出版社、1977年
外部リンク
どっこい生きてる - allcinema
どっこい生きてる - IMDb(英語)
表
話
編
歴
今井正監督作品
1930年代
沼津兵学校
われ等が教官
1940年代
多甚古村
女の街
閣下
結婚の生態
望楼の決死隊
怒りの海
愛の誓ひ
民衆の敵
人生とんぼ返り
地下街二十四時間
青い山脈
続・青い山脈
女の顔
1950年代
また逢う日まで
どっこい生きてる
山びこ学校
ひめゆりの塔
にごりえ
愛すればこそ 第二話 とびこんだ花嫁
ここに泉あり
由紀子
真昼の暗黒
米
純愛物語
夜の鼓
キクとイサム
1960年代
白い崖
あれが港の灯だ
喜劇 にっぽんのお婆あちゃん
武士道残酷物語
越後つついし親不知
仇討
砂糖菓子が壊れるとき
不信のとき
橋のない川 第一部