と学会
と学会(とがっかい)は、「世間のトンデモ本やトンデモ物件を品評することを目的としている」と謳っている、日本の任意団体。
なお、名称に「学会」とあり、さらに公式HPにもTHE ACADEMY OF OUTRAGEOUS BOOKSなどと表記しているが、学会やそれに類する学術団体ではない[1][2]。あくまで非アカデミックな私的団体である。 『トンデモ本の世界』をはじめとする著作群で知られる。1992年に設立。SF作家山本弘が元会長を務めていた“読書集団”であり、「著者の知識の欠如や妄想により、著者の意図とは異なる楽しみ方ができる」トンデモ本を「バード・ウォッチングのように楽しむ」探求・愛好団体、と当人たちは語っている。「と学会」の目的は「あくまでもトンデモ本を楽しむことにある」と当人たちは謳っている。だが、実際には出版物は、元会長を中心として執筆者らが、超常現象、オカルト、陰謀論、疑似科学を否定的に扱ったりひやかしたりする文章が多いために、しばしば“オカルト否定団体”だと認識されている。だがそうした認識に対して、元副会長の藤倉珊は、「単にそうした分野にトンデモが多いだけで、とくにオカルトを標的にしているわけではない」としている[3]。なお、元運営委員の唐沢俊一によれば、会の結成以前からの流れとしてトンデモ本に対する論破・ツッコミを中心にする山本弘と、トンデモ本が存在する現状の観察に重きをおく藤倉珊という二派が存在しているという[4]。また、志水一夫のように超常現象は実在しているとする人、さらには稗田おんまゆらのような占師・オカルティストも会員に含まれている。 「と学会」自体は、オカルト系のみならず「著者の執念・妄想で奇怪な内容になった実用書、マーケティングをした形跡のない出版意図の不明な本、ブーム便乗本、設定やストーリーが支離滅裂な小説、間違った内容の多すぎるベストセラーなどもトンデモ本として“楽しむ”対象である」としており、また「作り手の意図どおりで厳密には後述の定義から外れるが意外な世界を体感できる“亜トンデモ”も扱っている」とも述べている。更には、書籍以外にもあらゆるおかしなものを扱っている[5]。 「と学会」が正式名称であり、「トンデモ本学会」の略ではない[6]。「と学会」で取り上げられた者(近年では副島隆彦など)、「と学会」に否定的な立場で語るものだけではなく、一般のメディアや、かつては会員の一部でもこの点を間違えていた(いる)事がある。 第1回トンデモ本大賞終了後に会の設立を決定後、打ち上げの席での山本弘と藤倉珊の会話から名称が決定した。自分たちはトンデモないものを「と」と総称していると藤倉から聞き、語感が間抜けでいいとして山本が「と学会」と名付けた[7]。 当初はパソコン通信ニフティサーブの仲間内の掲示板であるパティオで情報交換していたが、インターネット上での情報交換に移行すると、年に4回程度の会員による例会(非公開)が開かれ、その成果を書籍あるいは同人誌、日本トンデモ本大賞の公開講義の形で発表している。商業出版された書籍の印税に関しては、執筆者の担当したページ数に比例して支払額が振り分けられている[8]。
概説
歴史
名称
設立経緯