とりかえ・ばや
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とりかえ・ばや
ジャンル
異性装少女漫画
漫画:とりかえ・ばや
作者さいとうちほ
出版社小学館
掲載誌月刊フラワーズ
発表号2012年9月号 - 2018年1月号
発表期間2012年7月28日[1] - 2017年11月28日[2]
巻数全13巻
話数全65話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画
ポータル漫画

『とりかえ・ばや』は、さいとうちほによる日本漫画作品。平安時代末期に成立した作者不詳の『とりかへばや物語』を漫画化した作品。『月刊フラワーズ』(小学館)にて2012年9月号から[1]2018年1月号まで連載された[2]。単行本は全13巻[3]。2018年5月時点で、累計部数が300万部を突破している[4]



沿革

2012年7月28日発売の『月刊フラワーズ』にて連載を開始[1]。本作の連載の開始を記念し、同号では作者のさいとうと秋里和国による対談が掲載されている[1]

2014年7月11日発売の『FRaU』(講談社)8月号で発表された第2回フラウマンガ大賞では、本作が「麗しの少女マンガ賞」を受賞[5]。2015年6月24日から8月31日まで国立新美術館にて開催された「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」展で、「第7章 現実とのリンク」コーナーに飾られた1作として、本作も展示が行われた[6]

2016年、「世界に紹介したいポップカルチャー作品」を選出する「SUGOI JAPAN Award 2016」にノミネートされる[7]

2017年11月28日発売の『月刊フラワーズ』2018年1月号に最終回を掲載[2]。2022年2月28日発売の同誌4月号では、さいとうの画業40周年を記念し、本作の外伝の読み切りが掲載された[8]。2024年3月28日発売の同誌5月号にも、外伝の読み切りが掲載された[9]
あらすじ

平安時代、権大納言藤原丸光の2人の妻が、同じ日に玉のように美しい女と男の赤ちゃんを産んだ。女の子は「沙羅双樹の姫君」と、男の子は「睡蓮の若君」と呼ばれ、すくすくと成長するが、沙羅双樹は外を男童たちと走り回る活発な子に、睡蓮は男を怖がり屋敷内で人形遊びを楽しむ内気な子に育っていた。

やがて、沙羅双樹の抜きん出た容姿や才能の噂は帝にまで届き、沙羅双樹は男として元服の、睡蓮は女として裳着の儀が執り行われ、引き返すことはできなくなる。
登場人物
沙羅双樹(さらそうじゅ) / 藤原 涼子(ふじわらの すずしこ)
睡蓮の異母姉。母は、
西の対屋に住む藤中納言の娘。生まれた日に庭に咲いていた沙羅双樹にちなみ、「沙羅双樹の姫君」と呼ばれた。14歳で男として元服し、睡蓮の本名「藤原月光」の名を借りる。愛称は「沙羅双樹の君」。才気煥発で誠実な性格。性を偽って生きることに悩みながらも、仕事に対しては熱心に取り組む。帝への忠誠心が高い。のちに伯父の右大臣に四の姫との結婚を勧められ、女だということを明かさぬままに結婚。夫婦生活こそないものの、良好な関係を築いていたが、石蕗と四の姫の密通、そして妊娠により破綻。しかし四の姫を責めることはなく、妻として彼女を気遣い続けた。ふとしたことで石蕗に女性であることを知られ、半ば強引に関係を持たれてしまう。その後は石蕗を拒み、あくまでも友人として彼と付き合っていこうとするが、沙羅自身が石蕗の子供を身ごもってしまったことで悩み苦しむ。やがて男としての生を断ち切り、子供を産むために失踪しようとするがそれを石蕗に知られてしまい、結果的に彼の協力を得て都から失踪する。その後は、宇治にある石蕗の父の別荘で子供を産むために養生していた。しかし石蕗への失望、寂しさと虚しさの心労がたたってか、死産してしまう。生きる気力をなくして入水しかけていた時、沙羅を探しに来た睡蓮と再会して、ともに吉野の宮のところへ向かった。子を失った直後は出家を望んでいたが、宮中で女東宮を巡った諍いが起きている事と、たまたま吉野へ行幸した帝の話を聞いて帝の悩みを知った事で、睡蓮と立場をとりかえ、睡蓮の尚侍として女東宮に仕えることを決意。左大臣家に無事帰還した後、宮中へ出仕した。最初は睡蓮ではないことを見破った女東宮に拒まれるも、女東宮が沙羅と睡蓮が立場を取り換えたことを知ったために受け入れられた。ともに女東宮への狼藉を働いた者を捕まえた右大臣家の三の姫には、親近感を感じている。その一方で、彼女の「帝の子を産む」という野望には、もやもやとした思いを抱えている。
睡蓮(すいれん) / 藤原 月光(ふじわらの つきみつ)
沙羅の異母弟。母は、東の対屋に住む源宰相の娘。生まれた日に池に咲いていた睡蓮にちなみ、「睡蓮の若君」と呼ばれた。女として裳着の儀が執り行われ、沙羅双樹の本名「涼子」の名を借りる。人見知りが激しく、実の父親に対してさえ怯えたほどの男嫌い。のちに朱雀院の誘いを受け(石蕗の求婚を拒むためもあった)、女東宮の尚侍として宮中に出仕。後ろ盾がなく地位が不安定で、しかし聡明で愛らしい女東宮に仕えるうち、忠誠心だけでなく恋慕をつのらせるようになる。姉の沙羅を慮りながら、彼も帝への入内問題と、性別を偽っていることに苦しむ。やがて沙羅の失踪、帝が睡蓮の入内を望んでいること、女東宮へのこらえがたい恋慕などから女として生きていくことの限界を悟り、男として生きていくことを決意。元服して沙羅を探し回り、宇治でとうとう見つけだす。その後は沙羅とともに吉野へ向かい、出家を望んでいたが、女東宮が苦しんでいることを知り、沙羅と立場を入れ替え、沙羅双樹の右大将になることを決意。女東宮から別れ際に渡された和歌を大切に持ち歩いている。沙羅や自分を苦しめた存在として、石蕗を強く嫌っている。
藤原 丸光(ふじわらの まるみつ)
沙羅双樹と睡蓮の父親。権大納言近衛大将。父は元・関白、兄は右大臣。のちに関白兼左大臣に昇進。2人の子が正反対に育ったのは何かの報いかと悩んだものの、悪縁を断ち切るために行った鞍馬詣で、2人が命の危険に晒されたのを機に運命を受け入れようと心を決める。数々の困難に見舞われる2人をいつも心配するよき父親。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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